ホームセンターや市場の花屋さんの店先が、
もうすっかり春になっている。
色とりどりの小さな花がたくさん並んでいると、
庭に置いてみたくなって買って帰りたくなるけど、
そんなに広くない庭なので、
たいていは店先で眺めるだけにしている。
手入れもしっかり出来ないので、
ただ枯らすだけだし。
花は野に置け、
ではなくて花は店に置けやなあ。
今まで花屋の店先で買って残っているのは、
15年ぐらい前に買って、
毎年花を咲かせる
ヒゴスミレ
白い色が飛んでしまいました
スミレが好きで、
タチツボスミレ、
アカネスミレ、
ヒカゲスミレ、
フモトスミレ、
シハイスミレ、
ツボスミレなど
春の野山に出かけては、
たくさんのスミレの写真を撮っていた。
スミレは種類が非常に多くて、
たしかスミレ科スミレ属だけで
1冊の写真集が出ているはず。
都会ではめっきり見ることが少なくなりましたが、
少し田舎に行くと、
タチツボスミレなんかはたくさんあります。
あの葛城山の登山道にも、
見事な群落があります。
そんな種類の多いスミレですが、
ほとんどのスミレがハート型の葉っぱをしている中で、
このヒゴスミレとエイザンスミレという2種類だけが
細かく裂けた葉っぱをしているのです。
エイザンスミレは野生に出会ったことはあるけど、
ヒゴスミレには出会えずにいて、
いつかは会いたいと思っていたところ
近くのホームセンターで売られているのに
ヒョッコリ出会ったので、
思わず買ってしまったのでした。
スミレは多年草。
しかも毎年種をいっぱいつけるし、
花が咲かなくても種が出来るという性質を持っており、
出来た種が、はじけて飛び散る仕組みになっている。
だから、今は鉢だけでなく
庭のそこここに咲いています。
スミレの生態はたいていそんな感じで
こんなに繁殖力が強いのに、
それがめっきり少なくなるなんて、
野草にとって
都会が如何に住みにくいかということですね。
それともうひとつ、
これもずい分前に買って以来、
毎年ひっそりと咲き続けているのが
「忘れな草」
ドナウ川のほとりで、
恋人のために花を摘もうとした若者が
足を滑らせて滑落し、息を引き取る前に、
握り締めていた小さな花束を恋人に差し出して言った言葉
「forget me not」
が花の名前の語源とのこと。
小さいけど、ハッとするような切ないブルーが、
ロマンチックな花の名前をいっそう引き立てています。
今日見た花屋さんにもいろんな名前の花が並んでいました。
そもそも園芸品種には和名のないものが多く、
もしかしたら品種レベルでは名前をつけたもん勝ちなのかも。
興味をひいた名前の花の写真を一枚、
店員さんの目を盗んで撮影してきました。
その名も
「初恋草」
シソ科の一種、ケマンの仲間かなあ
もしほんとにつけたもん勝ちなら、
命名権のある花屋さんていいよなあ。
僕だったら、どんな名前をつけようかなあ。
「オモイデソウ」
「ムネキュンスミレ」
う~ん乙女チックやなあ。