ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

今年度最後の年休

2009年03月30日 17時08分13秒 | 生活

年度末の色々な手続きが
溜まっていたので、
今日は今年度最後の
年休を取り
官公庁などを巡った。

まずは、法務局。
設定していた抵当権を
抹消する手続きに行った。
詳しい人に聞けば
「簡単にできるよ」
とのことなので、
自分ですることにした。

司法書士とかに委任すれば
いくらか経費もかかるだろう。
その分浮かせて
うまいものでも食いに行けるやないか
てことで挑戦の価値ありと見たわけだ。

法務局に行き
この手続きの窓口である
登記相談のコーナーへ。

窓口には、ベテランらしき
年配の職員が座っていた。
再雇用とかそんなんかな。

牛乳瓶の底のようなメガネをかけた
腕抜きがとても似合いそうな人でした。

この人の応対が
実にてきぱきしていた。
時間をいっときも無駄にしない
完璧なさばき方でした。

「まず印鑑をここに置いて」
何箇所か押印して
印鑑をケースに戻そうとしたら
「まだ、ここに置いとく!」
と一喝されました。

「この欄には○○と記載して」

え~と、<木造瓦葺2階建て>やな
木造瓦、ん~と<葺>という字が
小さくて滲んでて、漢字が書けないぞと
思っていると、最初に渡した
書類を確認しながら
顔も上げずに

「草かんむりに口を書いて耳」

とつぶやいている。

へへ~、恐れ入りました。
後、名前とか書き終えてペンを置いたら

「私がこれをしている間に2000円の証紙を買ってきて」
と指示が飛んでくる。
どこで買うのかなと一瞬考えたら、
「右後ろの通路の向こう」
ときたもんだ。
あんたは心が読めるエスパーか。

帰ってきて、椅子に座り
ナメナメして貼ろうと思っていたら

「証紙を貼るときの水はこれね」

と水の入った容器をパカッ
そして貼り終えるか否や、
間髪をいれず
「ここに押印」とすかさず
書類の印の欄を指差してくる。
まるでこちらに
考える隙を与えない。
余計なことは考えなくてよろしいと
言われているような・・・

「ここは連絡先の電話番号を書いて。
不備があったら連絡するから」

家の電話番号を書いてっと。
ん~、連絡受けるのなら
携帯の方がいいかもと思っていると
またしても心を見透かしたように
こちらを見もしないで
「携帯の方が連絡つきますな」だと。

はは~

おそれいりました。
もうここまで来たら宇宙人だ。

「全くこの星の住人は世話がやける」

なんて思っているんやないやろな。

「はい、これで完了です。
ん?ここは?」

呟きながら、悔しそうに
ボールペンを渡してきた。
「<瓦葺>のあとに<二階建て>と記入してください」
と言いながら、ため息をついた。
そうか、さっき<葺>の字を
こちらを見ずに教えてくれたことに
感動して、その後を記入してなかったんや。

その人の落胆振りは
明らかだった。
先ほどまでのはつらつとした
様子は影を潜めている。
よく見れば、ただの冴えない
おじさんになっているではないか。
きっと、心の中では
「リードは完璧やったのになあ
ミスってしまったあ」
とでも思っていたんでしょうね。

は~っと、再度ため息をつきながら
書類を確認し、
「では□□番の札を渡します。
これと、この書類を封筒に入れておくから
4日後にこの封筒と、今日押印した印鑑を持って
受け取りに来てください。」
と元気なく書類を渡してくれた。

「え~、その日は都合悪いなあ」と
思っていると
「その日以後ならいつでも結構ですよ。」
と、またもや読心術を発揮。
でも、たった一つのミスに
最後まで精細を欠いた様子でした。

「元気出せよ」
と、心の中で言ってあげたら

「はい、お疲れさん!」
と言ってくれました。

てな具合に、印鑑を置く位置まで
指定され、記載欄に記入する文字も
すべてその人の言うがまま。
今、何の書類に記名しているのか、
押印した書類にどんな意味があるのか
なんて一切考える隙も与えぬ鮮やかさだ。

結局、手続きにどんな書類が必要なのか
全然記憶に残りませんでしたが、
久しぶりに、ええもん見させて
いただきましたわ。

手続きは記憶にひとつも
残りませんでしたが
めちゃ、記憶に残る人でした。
この後、市役所、電気屋、スーパーを巡り
段取りよくすべての用事を
済ますことができたのも
このおじさんのお陰かも。

今年最後に、年休を取って
登記の手数料を、
何千円か何万円か知らんが
浮かすことができたこと以上に
そのおじさんに遭遇したことに
幸せを感じた
doironでした。