子どもの頃、親父と山登りといえば
六甲にもよく連れて行かれました。
ロックガーデン、風吹岩、
布引の滝、摩耶山、
再度山などはその頃によく聞いた名前です。
昔から親父は免許を持っていなかったので、
いつも電車に揺られていってました。
山頂のドライブウェイに暗くなってからたどり着き、
濃霧の中を不気味なバスで下りてきた
記憶なんかも残っています。
そんな記憶をさらにたどってみると、
いつもそこには元気な父親と
病弱なdoironがいます。
それゆえ我が子の身体を鍛えてあげようと、
山に連れて行ってくれてたのかもしれません。
今回登ったのは、そんな中から
「再度山(ふたたびさん)」を選んで
出かけることにしました。
再度山にふたたび出かけたとこういうわけです。
通勤の人達で混みあう朝の新快速電車に揺られ、
三宮の駅に降り立ったのが午前10時過ぎ。
ビルとビルの合間に見える六甲を目指して
テクテクと歩きはじめました。
マンふたにもそんな景色が描かれているように、
そう、神戸は高層ビル群のすぐそばに
山がそびえるという地勢が魅力の都市です。
三宮駅前の交差点を
繁華街に沿って、
西へと向かいます。
再度山に登る前にまず最初に向かったのが
生田神社
「神戸」と言う名は、
その神社のいわれと深~い関係があります。
生田神社を支える家、
つまり「封戸」と言う制度からきているんだそうです。
以前から、神戸の街の後ろに控える六甲山脈が、
まるで神様が戸を建てたような地形であることから
その名がついていると勝手に思っていたのですが、
どうやらそうではなかったようです。
そう思っていたように六甲山が街に降りてくるところは、
急斜面の地形になっています。
都会の片隅に潜むこんな地蔵や
カラフルな消火栓のふたを眺めながら
なお西に向かいます。
お、こんなセンターもあるんですねえ。
行きたくはないところです。
山手幹線を右に折れて
北に向かうと緩やかに登りになっていて、
山にドーンと突き当たったところで
諏訪神社の入り口の鳥居にさしかかります。
ここから、doironが神の戸だと思っていた急な登りが
いきなりはじまるわけです。
おお~、この傾斜はたぶんもう車じゃほぼ限界です。
背後の櫓のような地形の上に立つ家と、
手前の煉瓦塀の傾きから
斜度がわかっていただけると思います。
そして傾斜が一旦緩やかになったところに、
また大鳥居が建っています。
そこに書いてあった由緒書によりますと、
この神社は外国人の方々、
華中の人達の信仰を集めているそうです。
喪中ですが、一応神社の境内まで行ってきました。
山を背後に厳かな雰囲気でした。
その神社の東側には、
金星台といわれる場所があり、
そこに金星観測記念碑があります。
明治7年に金星が太陽面を通過した時に、
それをここで観測したのを記念して
碑が建てられています。
金星は「ヴィーナス」。
この場所の上部に架かる歩道橋には
その名がつけられています。
再び急斜面を息を切らせて登って行くと、
その橋の橋脚が現れ、
頭上にグルグルと続く橋が見えてきました。
これが、神戸の恋人たちの聖地でもある
「ビーナスブリッジ」です。
ここから見える景色がこれ。
神戸は百万ドルの夜景といいますが、
昼間のこの景色から考えても
夜景はさぞかし素晴らしかろうと思われます。
ここからの夜景の素晴らしさに見とれ、
ロマンチックな気分になった恋人たちは、
この上の広場(諏訪山公園)の横にある
この「愛の鍵モニュメント」に鍵をつけて
愛を誓い合うんですね~。
昔は見境なくビーナスブリッジの手すりに
鍵をつけていて、困ったそうです。
それを解消するために作ったモニュメントなんでしょう。
それにしても恋は盲目とはいえ
大事な掲示板にこんな落書きはいただけません。
こんな彼氏には愛想をつかせてかまいませんから~。
と、半ば憤りながら
しばし神戸一望の眺望に見とれつつ休憩しました。
続く