携帯コンロの燃焼実験をやってみた。
いつも使っているチタンコッヘルで
沸かしたのは300mlの水。
(風袋はちゃんと考慮しています)
なぜ300なのかというと、
カップヌードルの場合
必要なお湯の量が300ml(公式データ)だからだ。
コーヒーだと2杯はいけるかな。
まず最初に試したのが
「エスビット」。
これはコンロと一緒に購入したもので、
1個4gの燃料が20個入っている。
いろんなサイトの中にあった情報によると、
だいたい1回で2個使うのが
標準的なようなので、
2個をコンロの底に敷いた
アルミ箔の上に置いてみた。
アルミ箔を使うのは、
こうすると、後の燃えカスの始末が
楽だとのことだ。
そうしてみた。
それにコンロの容量的にも
まあ2個ぐらいが妥当だろう。
2個で8gだから、
エスビットの燃焼熱量は理論的には
60キロカロリーあることになる。
燃焼効率を100%とすると、
300gの水なら2回沸騰させることができる熱量である。
まず火にかける前の水の温度を
こんな水温計で測ってみると、
30℃であった。
山だったらもう少し低いだろう。
リュックに入れて持参している水だと、
だいたい気温と同じと考えたらいいのかな。
そして着火した。
コンロの上にコッヘルを置くと、
横から火が逃げているのが見える。
結構熱が逃げている。
玄関先の比較的風のない場所でもこうだったら、
アウトドアならはもっと条件が悪いことは
想定しておかねばならない。
そして待つこと6分、
火が消える直前にお湯の温度を測ってみたら、
なんとたったの54℃。
温度は24度しか上昇していなかった。
せめて80℃くらいにはなるかなあ
と思っていたのにかなりの期待外れである。
これで熱効率を計算すると
12%しかない。
エスビットを燃やした熱の88%は
水に伝わらず逃げていることになる。
技術の粋を集めた自動車エンジンでさえ、
熱をエネルギーに変える効率は
30%くらいが限度なのだから、
冷静に考えれば、
ただ燃やすだけの行為で得られる熱効率は
それくらいで仕方ないのかもしれない。
エスビットで沸かしたお湯では
コーヒーを淹れるくらいが
関の山ということやね。
もし、沸騰させようと思えば、
コンロの熱いうちに燃料のつぎ足しはNGだから、
同じものを3つくらい用意しておいて、
次々とコンロを替えて行くほかはない。
あ、ふたつ交互使用で行けるか。
でもそれじゃ折角軽量コンパクトにした意味もないし、
第一コンロふたつは不経済である。
少々かさばっても、ガスコンロを
持っていけばそれで済む話である。
では、ジェル燃料の場合はどうか。
これも試してみよう。
ダイソーのジェルひと袋だと
145kcalだから、計算するとカロリーは
エスビットの2.5倍近くある。
冷えていることを確認し、
コンロにジェルを注入し、着火をした。
燃焼時間は13分くらいで、
燃え尽きたところで水温を測ってみたら・・・
69℃。
う~ん、熱いといえば熱いが
沸騰には程遠い。
ネットでは、結局固形燃料と
ジェル燃料で一回の燃焼では
沸騰していなかったわけである。
使用したコッヘルが底が
小さかったために
熱の伝導が悪く、
また背が高いために
熱の放散が多かったのが
敗因かもしれない。
これらの実験から、
このコンロを用いた場合、
今のコッヘルだと
固形燃料またはジェル燃料では
カップヌードルは作れないという、
ちょっとショックな結果となってしまった。
あと残るは液体燃料の
熱量の大きい方のエタノールを
試してみるほかはない。
その実験もまたいずれやってみようと思うが、
とりあえずは秋の歩行時には
コーヒーまたはスープを淹れることぐらいを念頭に
ガスコンロの補助的に
使って見つつ、
次の手を考えて行こうと思っている。
あーあ、それにしても残念
と嘆きつつ終わり。