どんなに質素倹約の暮らしをしていても
ごみは必ず出る。
一番多く出るのは台所かなあ。
いわゆる生ごみなどは
家庭系一般廃棄物として
処分をしないといけない。
それを担っているのが
国でもない、都道府県でもない
市町村であるのは、
ごみ収集のトラブルがあれば市役所に
連絡することからも
広く周知されていることだろう。
ごみは家庭系ごみと事業系ごみ
という分類の他
一般廃棄物と産業廃棄物という
分類の仕方があり
それらは、同じところで線を引かれて
区別できるのではなく
区別の仕方が異なるために
一般廃棄物にも家庭系と事業系が
あったりするし、事業活動に伴って
発生する特定品目と定義されている産業廃棄物は
都道府県が管理する産廃事業者が処分を担うという
複雑な組織構造になっている。
それゆえ、ごみ処理行政は
大きなお金が動く上に
ごみの区分があいまいな部分で
不透明な処理が生じて
色々と社会問題を起こすことが多い。
また最終処分場の確保というのも
いろんな問題を抱えており
今後各地で問題が噴出してくるだろう。
そんな風に、ごみ行政の行く末に
思いを馳せる日々の中で
今日、とんでもないごみ問題が
我が家に発生したのである。
午前様だった翌日ということもあり
深い眠りに陥ってたdoironが
ミセスの「しまったあ」という声で
目を覚ましたのが午前6時30分。
聞くと「ごみを出し忘れた」という。
外ではパッカー車がウンウンいいながら
近所のごみを集めている。
時すでに遅しである。
doironが住んでいる地区では
火、金が生ごみ
水曜日が、ビン・缶またはペットと雑紙(ざつがみ)
の収集となっている。
近頃、doironの退職に伴い
一段と曜日感覚が
薄くなっているミセスが
ごみを木曜の夜に準備するのだが
いつもエイに行ってるはずのdoironが
昨日は店が臨時休業だったので
家にいたからということもあって
すっかり失念してしまったようなのだ。
火曜日に出し忘れたのなら
水・木の二日間我慢すればいいのだが
金曜に忘れると
土・日・月と三日間、ごみを
かかえておかねばならないから
最悪のパターンである。
こんな時に、義理の両親が
同じ地区に住んでいるのではなく
少し離れていて
収集時間が異なるのなら
ごみを持っていくことも
考えられるのだが、残念ながら
歩いて1分とかからない距離のため
ほぼ同じ時間帯なのである。
では、doironの豊かな人脈を駆使して
収集曜日の異なる
別地区の知り合いの人にお願いして出してもらう・・・
というのも、金曜日だったら
どっちみち土・日の回収はないわけで
これも有効ではない。
打つ手はないというわけだ。
あ~、なんてことをしてしまったんだという
ミセスの落胆たるやひどいもので
doironのズボンのポケットに
自動車のスマートキーを入れたまま
洗濯してしまった時とは
比べようもないほど落ち込んでいた。
朝のコーヒーも、ブルックスだと
ごみが出るのでインスタントにされたし
昼食も「ごみを出し忘れたから・・」と
ごみが出るようなことは極力したくないようだ。
すべて「ごみが・・・」と考え込んでしまっている。
まるで「ごみ出し忘れの呪縛」に
とらわれてしまっているようだ。
それほどに、この出来事は
ショックだったようだ。
庭で虚脱感を漂わせながら
洗濯を干しているときも
時折庭の片隅にしつらえた
ごみのポリバケツ置き場に目をやりながら
「は~」と大きなため息をついていた。
きっと彼女は、
「白いパッカー車に乗った
王子様が現れないかしら」と
思っていたのに違いありません。
とまあ、doiron家で発生した、大変なごみ問題は
まるで、ごみ処理が大きな社会問題になっている
昨今の廃棄物行政の行き詰まり感を
わかりやすく表した一つの縮図ではないかと
思料されるわけなのである。
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