夏の観光シーズンになり、
毎日、富士山にバスで向かう観光客でごった返す河口湖駅。
円安の効果もあり、外国人も多い。
そんな、河口湖駅の目の前の某銀行の支店に寄ったところ、
初めて見る機械が置いてあった。
えっ、自動外貨両替機?・・・
たぶん、外国人の多い都会の観光スポットでは珍しくないのであろうが、
見かけるのは初めて、イヤ、山梨でも初めてなのでは??
(さすが、手数料稼ぎが上手な、Y中さん・・・)
これも、世界文化遺産登録の余波・産物なのかな・・・
背後の裏山に「母の白滝」を抱く河口浅間神社のさらに山奥、
旧御坂峠トンネル手前に、かの昭和の文豪太宰治ゆかりの地
「天下茶屋」がある。
今回の世界文化遺産登録では、絵画や写真のモチーフとしての
富士山が、主に評価の対象になっているが、多くに文学でも、
富士山は欠かせない。
入水自殺の死の淵から戻り、井伏鱒二に呼ばれての逗留中の
日々を表したとされる短編小説「富嶽百景」のなかで、
「富士には月見草が良く似合う・・」というフレーズには、
太宰らしい皮肉も含められているようにも思う。
そうした富士山麓滞在中の部屋が、茶屋とともに再現され、
ミニ文学館として無料で、観ることが出来る。
そして、明るい窓からは、太宰が見ていた富士山と眼下の
河口湖の風景が、今でも同じ姿で見ることが出来る。
世界遺産のリストにこそ載っていないが、文化遺産としての
貴重なスポットと言えよう。ちなみに、太宰が月見草と詠んだ
植物は、近種のオオマツヨイグサだったようだ。
北口本宮富士浅間神社(地元では、「キタセンゲン」と呼ぶ…)は、
かつて富士講で栄えた富士吉田市の中心、当然、グルメと言えば、
B級グランプリでも有名な「吉田のうどん」だ。
同じく構成遺産の「吉田口登山道」(1-5)の基点でもある、
この神社周辺だけでも、これだけのうどん屋さんがある。
この中で、国道139号沿いでのお薦めは、51「玉喜亭」
57「ふもとや」、歴史の古さでは53「はなや」だが、一番のお薦めは、ちょっと離れるが42「麺許皆伝」。
実は、「吉田のうどん」には好き嫌いがある。
麺が硬さこそが、コシだ!とか、イヤ~これじゃあ生だ!とか、
独特の味噌醤油味の汁も、癖になる味!と云う人もあれば、濃すぎると云う声も…
そんな中で「麺許皆伝」さんは、麺がやや讃岐風、汁も鰹ダシも感じる醤油ベースと、初めての人にも好まれる一杯だ。
一番のお薦めは「肉つけうどん」。(下写真)
甘辛い肉とキャベツのトッピングも手伝って、一つで様々な饂飩を楽しめる。メニューやトッピングも多く、ごはんもあるので、県外のファンも多く、11時の開店から席待ちができている。
あちこちに富士山スイーツがある中で、秀逸な一皿があった。
構成資産リストのNo.8 富士御室浅間神社のある富士河口湖町勝山。
神社を河口湖湖畔沿いに西へ・・・
右手に大き目の建物と庭園が見えてきたら、そこが富士ビューホテルだ。
その1階奥のガーデンラウンジで、この「富士山プリン」に、出会える。
「富士山」モチーフのお持ち帰りスイーツが多い中、じっくり美しい庭園を
眺めながら、手の込んだスイーツの一皿が楽しめる所は少ない。
手作りのカスタードプリンを純生クリームで富士山形にデコレーション。
ココアで裾野を描き、ソースで樹海や夕日の紅を描いているようだ。
味も、上品で凝らないクラッシックな洋菓子といった感じ・・・
コーヒー・紅茶などとのセット、1400円も、高級ホテルとしては、
リーズナブル。