ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「バラカ」(上・下) 桐野夏生

2022年08月10日 15時59分51秒 | 作家 か行
バラカ 上・下 (集英社文庫)2022.8.10読了。
桐野夏生 (著)

出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。非合法のベビー・スークの存在を聞きつけ、友人・優子とドバイを訪ねた。そこで、少女「バラカ」を養女にしたが、全く懐いてくれない。さらに川島と出来婚をしていたが、夫との関係にも悩んでいた。そんな折、マグニチュード9の大地震が発生。各々の運命は大きく動き出す。
東日本大震災によって、福島原発4基すべてが爆発し、日本は混沌としていた。たった一人で放射能被害の警戒区域で発見された少女バラカは、豊田老人に保護された。幼くして被曝した彼女は、反原発・推進両派の異常な熱を帯びた争いに巻き込まれ―。全ての災厄を招くような川島に追われながらも、震災後の日本を生き抜いてゆく。狂気が狂気を呼ぶ究極のディストピア小説、ついに文庫化!



この小説の中の日本は東日本大震災後の被害が現実の日本よりひどいことになっているんだが、実際の日本と見えない部分では相違ないように思えてくる怖さ。悪の組織がなんなんだか実態がつかめないのもうさん臭くてほんといいんだよな。あと、川島っていうくそったれが非常にうまく描かれていていい。エンターテイメントな疾走感もいい。7点。


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