妻の車椅子を玄関に置いている。リースしているのだが、今までよりも、しっかりした物に変えてもらった。新しい車椅子を見て、埃が被らないようにした方が良いと、ふと思った。最初に思いついたのは、大きなビニール袋だった。「どこかにあったかな?」と考えてみたが、こんなに大きな物は思い当たらない。大きなビニールをホームセンターで買って来て、それをかけることも考えた。でも、それもいちいち包むのは面倒くさそうだと思って、次を考えてみた。そうこうしているとき、ふと、「自転車のカバーが良いかも知れない。」と、ひらめいた。
早速、100円ショップに行ってみた。無地、透明、柄物、大人用、子供用など、数種類あった。そこで、車椅子をたたんだ時の形、大きさをイメージしてみた。「子供用でちょうどよさそうだ。」と判断して、早速、購入した。車椅子のそのカバーを掛けてみた、多少、緩めのところはあるが、まあ納得ものだった。早速、妻に、「車椅子、自転車用カバーでぴったりだったよ!」と得意気に話した。妻は、「あ、そう。」の一言のみ、もっと感動してくれる、褒めてくれると期待したのだが、全くの期待はずれ、それ以上言っても始まらない。これ以上何か言ったら、それこそやぶへびになると、引き下がった。
一人になって、改めて思う。「やっぱり俺って天才だ。こんなに頭の働くやつは他に居ないだろう!どうだ!」 今度、リハビリの先生が来て見たら、どういう反応をするか、「すごい!すごい!」と歓声を上げる姿を想像して、一人ほくそえんでいる。俺って、単純なのか、馬鹿なのか・・・・・・。