子供の頃、生家では毎日小さな膳に、ご飯や惣菜、お茶をお供えしてから朝食を食べるということがなされていた。これはずっと欠かさず行われてきた毎日の営みだった。お供えせずに、先に食べるということはなかったように記憶している。 妻が亡くなって、葬式を済ませ、遺骨を祭壇に置き、朝を迎えた時、長男と二人で、朝食(パン食)を食べることになった。サンドイッチを買ってきて、食べる前に、サンドイッチの一部を祭壇にお供えしようとしたところ、長男は、「49日までの食事は、棺におにぎりを入れたので、それを食べて旅をしている。水をお供えしておけば良いんじゃないか?」と言い出す。確かに、葬儀の時に、お坊さんは、「おにぎりをもって旅に出た。それを食べながら、旅している。」と話してくれた。まあ、長男の言うことも一理あるなあと思った。
それでは、49日を過ぎたらどうなのだろう?という疑問が生まれてきた。やはり生家でやっているように、膳を作って、毎朝、お供えするのだろうか?お供えせずに、お腹を空かせていたら可哀そうだなあと思うが、毎朝お供えするとなると、これまた負担になる。果たして、どうするのが、一番良いことなのだろうか?
49日を過ぎると、納骨も済み、祭壇も畳む。今、購入を考えている仏壇は、かなり小さなこじんまりした物で、台の上に載せる形のものだ。台を少し奥行きのあるものにして、その前に、収まるような膳を用意すれば良いのかも知れない。台選びの時にちょっと考えてみようかと思う。