エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

芦別岳 (1727m) 本谷

2009年05月21日 | 山紀行 (増毛・夕張・芦別)
芦別岳 (1727m) 本谷ルート
■ 山 行 日     2009年5月20日(水)  日帰り 快晴
■ ル ー ト     旧道~本谷~頂上~新道ルート
■ メ ン バ ー      千歳のたかさん、夫婦登山 №18
■ 登 山 形 態      ツボ足&アイゼン・ピッケル
■ 地 形 図     1/25000地形図 「芦別岳」「布部岳」
■ 三角点・点名    二等三角点 点名「礼振岳 レフリダケ」
■ コースタイム    登り 6時間27分  下り 2時間40分
<登り>
06:33       登山口出発
08:33       ユーフレ小屋
12:33       稜線(旧道合い)
12:57       芦別岳頂上

<下り>
13:25       下山開始
13:45       雲峰山(1570m)
14:15       半面山(1397m)
14:45       鶯谷(覚太郎コース分岐)
16:05       新道登山口


★ 25日振りの山行に胸躍るも・・・
エバは腰痛、千歳のたかさんは膝痛の持病を抱える二人だった。
春山最盛期にこの持病が悪化、エバはGWを棒に振り会社まで休んだ。一方、たかさんも数年前スキーで
大転倒して以来膝の痛みに悩まされここに来て悪化した模様。すでに2週間も山には登っていなかった。
そんな二人と元気の良い妻チーヤンと3人で、兼ねてから計画していた芦別岳本谷ルートへと出発するこ
とになった。



山部から見た芦別岳 (5/20)

4:05 エバ車にたかさんも同乗して自宅を出発。
快晴の登山日和、暑くて涼しい本谷の残雪をイメージしながら早朝の国道を快走し登山口へ向かう。

6:15 富良野市山部の旧道登山口に到着。誰も居ない奥の駐車帯に駐車し、早々に出発準備をする。
手前の入林ポストには4:45に出発している先行者が居るようだった。

6:30 出発。
登山口付近から頭を下げたニリンソウやエゾエンゴサクの群落が出迎えてくれる。
旧道は、ユーフレ川左岸の河原に出てすぐに大きな高巻きルートの登山道となる。ピンクのテープや蛍光オレ
ンジ色のペンキでルート案内しているので迷う事はないと思うが急斜面の高巻きは人によって恐怖かも知れな
い。



登山口から楽しませてくれた「ニリンソウ」の群落


川沿いの「エゾノリュウキンカ」

★ たかさん 無念のリタイア・・・
       思案の末・・エバ夫婦のみ山行を続行

7:10 一つ目の高巻きを終えて川沿いの登山道に降りた時、たかさんがなかなか降りて来なかった。
心配したエバが登り返して様子を見に行くと、膝を捻った拍子に激痛が走り昔の悪夢が蘇えった様子のたか
さんが足を引きずって歩いていた。何とか川沿いまで降りて来たが非常に痛そうだった。しばらく休憩をし
て様子を伺うもこれ以上の前進は無理とみて一時は山行自体を中止し登山口へ引き返す事にしたが、たかさ
んの強い要望もあってエバ夫婦だけが山行を続行する事になった。仲間と別れるという断腸の思いもあった
が、登り始めてまだ40分ほどの場所であることやたかさんの力量からも独りで下山する事に心配はないと
判断してその言葉に甘んじることにした。
(下山後に聞くと登山口まで2時間を要したらしく辛さが伝わってくる。どうか早い回復と完治を祈っていま
す。お大事に・・)

7:25 たかさんと別れ、登山続行。
選んだ判断が正解かいなか・・・まだ悩みながらの続行だった。ただ、成否は別にしても今はたかさんも一
緒に登っている気持ちで本谷を無事登り切り、そして頂上から無事下山する事に集中する方が大事だと自分
に言い聞かせた。


8:33 ユーフレ小屋に到着。
登山口からほぼ2時間で着いた。大きな高巻きを3回繰り返しての到着である。所々残雪の上を辿る場面や
川渕の微妙なルートも変化があって楽しかった。
8:40 いよいよ本谷へ歩く・・・。
(小屋の手前で後続からの2人組パーティーに抜かれる・・以後追い着く事無く離れる一方だった)



ユーフレ川沿いの残雪を辿るチーヤン・・


ユーフレ小屋にて

★ 岩壁に囲まれた深い渓谷に感動!
      チーヤンは初体験の本谷・・



本谷の「ショウジョウバカマ」・・


ゴルジュ手前、雪解けが進む本谷・・


デブリの残骸・・


ゴルジュの上流から本峰を望む本谷にて・・


本谷の核心部を登る・・


間もなく稜線に・・ご苦労さん


芦別岳(1727m) 頂上にて


頂上から南側の南喜岳とその奥に夕張岳を望む

★ 今シーズン最後の雪山を満喫・・・
        6時間半の苦闘も吹っ飛ぶ頂き・・・

12:33 ようやく平らな稜線、旧道に出合う。
小屋を出発して約4時間半の本谷を登り終えた。岩壁に囲まれ深い渓谷の異様な世界に呑み込まれながら常に
感動と驚きをもたらす本谷ルート。左右のルンゼや頭上からの落石・雪崩に注意しながら、少しずつ傾斜を増
していく本谷。ここでしか見られない今だけの大滝。登るに連れ高度感たっぷりの急斜面。アイゼンを付けな
がらもしっかりとキックステップをしてピッケルは深く差し込む。休憩など出来る場所も無いが、5歩登って
は一休み、3歩登っては足を止める。そんな自分たちをようやく稜線に出て振り返った。ホントよく登って来
たものだ・・と感心する。
アイゼンを外し、暫し本谷と高みの風景を楽しんだ。そして、登山道を辿り頂上に達する
12:57だった。
  
★ たかさん! 登ったよ!・・・
快晴も強風で寒いくらいの頂上だったが、チーヤンの初登頂に硬い握手で喜んだ。(エバは5回目の登頂)
眺望は言うまでも無く360度の絶景、25日前に登った布部岳は非常に小さく見えた。北尾根から辿って間
近な夫婦岩は迫力満点だ。南隣の南喜岳やシューパロ岳は稜線上の雪は無くハイ松が出ていた。更に南の夕張
岳も雪解けが進み春から夏の衣替えといった感じだろうか。遠く大雪山や十勝岳連峰そして日高の山々も望み、
貸切の眺望を満喫した。
 

13:25 下山開始。
頂上直下から残雪が急斜面に張り付いている。先行者の下山トレースを拝借して慎重に降りた。途中で転んだ
らうん十メートルは止まらないだろう。その途中でエバ両足の太ももがつり難儀したが緩斜面まで我慢して降
り、鎮痛剤を塗って何とか収まった。



雲峰山手前から頂上下山ルートを振り返る・・


半面山への下りも残雪上を真っ直ぐに滑り降りる

★ 下りは、早い・・・
所々夏道の露出した部分もあるが、概ね標高950m付近、鶯谷から更に下まで残雪上を辿っての下りだっ
た。その下は、夏道を忠実に辿り約2時間半で登山口に着いた。
 16:05である。

たかさん お待たせしました。
旧道登山口から車を移動し、新道登山口で待機してくれたたかさんに8時間半ぶりの再会を果たす。
元気?に出迎えてくれたたかさんだったが、思いの他膝の調子が悪くず~と車内で待っていたという。
ホント申し訳ない。
早々に帰宅に急ぐ・・自宅には18:40に着いた。本当にお疲れ様でした。

たかさん ありがとうございました。
次は、必ず一緒に登頂しましょう。楽しみにしています。


※ 先行者は山の友人だった・・・・
約2時間前に出発していた先行登山者は、山の友人で小樽在住のパッポ隊長でした。
ホントびっくりです。そして逢えなくて残念でした。

※ 2021年1月9日、再編集してアップしました・・・。