エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

デジブック 『オロフレ山の隠れた名峰・1049m峰」』

2011年01月18日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
昨年のリベンジでした・・・
オロフレ山の隠れた名峰・1049m峰
(思いがけない深雪に辛いラッセルのアルバイトも楽し・・)

■ 山 行 日   2011年 1月18日(火) 日帰り
■ ル ー ト    大滝村昭園からオロフレ山北西尾根 往復
■ メ ン バ ー
   夫婦登山 №3
■ 登山形態    山スキー
■ 地 形 図   1/25000地形図  「蟠渓」「カルルス温泉」

■ コースタイム  登り 3時間30分 下り 1時間20分

★ リベンジ・・・

 2010年2月5日以来、1年ぶり2度目の挑戦となる「隠れた名峰」と呼ばれる1049m峰に標準を合わせ、リベンジしました。
 夏場オロフレ峠コースから登るオロフレ山はあまりにもメジャーで訪れる登山者も多いが、その北尾根から北西に分岐した起点にその名峰と呼ばれる1049mのピークがある。しかし、オロフレ山のピークから眺望するのは徳瞬瞥山やホロホロ山、樽前山や恵庭岳、有珠山や来馬岳少し遠くに羊蹄山などですぐ目の前にある無名の1049mのピークには誰も気が付くことはないかも知れない。まして夏道が無く積雪期限定の山であれば知られざる隠れた山であると言えるだろう。
 大滝村昭園から辿るこのルートは、オロフレ山の冬期ルートとして地元山岳会や愛好家に密かに親しまれているようだ。昨年も今年も生憎の天候で眺望を楽しむことは出来なかったが、名峰と呼ばれる一つにオロフレ山の展望台となり360度の眺望そして登行意欲をそそる山容が挙げられるのでは・・と勝手に推測する。
 昨年は、最初の947m峰で風雪とタイムアウトで敗退したが今回は、連日の降雪で例年にない積雪があり辛いラッセルも快適にのんびりと登行出来、今年の干支・ウサギにも出合えて久しぶりの山らしい山に登ったという印象の夫婦登山だった。


★ 連日の大雪・・・

 昨年の12月まではまったくと言っていいほど雪が降らず逆に雨なんか降ったりして暖冬なんだと納得していたのに1月を迎えて早々に各地で大雪をもたらし、わが町も例外なく大雪に見舞われていた。
朝と晩に必ず雪かきをしなければ歩けないほどに降り続く雪に、老体に鞭を打ち腰を痛めつつガンバル夫婦がここに居る。
それは、好きな山に行くためにやらなければならない義務と思えば仕方がないのだが・・・。


★ 変更の日帰り・・・

計画は、1泊の北大雪山系「和刈別」だったが、上川地方の雪予報と夫婦とも仕事帰りの出発となると今一つテンションが上がらず18日日帰りの計画に変更して山を探した。昨年の記録を振り返り決めたこの山は、まだ記憶にも新しく風雪とタイムアウトで撤退しながら最後の雪原牧場ではスキーが楽しくて登り返し2度滑り降りた場所だった。

 登山口となる大滝村昭園までは地図を見ずとも迷わずに着き、昨年と同じ場所に許可を得て駐車して早々に出発準備をする。



9:00 出発。

 走って来た道路を渡り向かい側の大雪原の牧場に立ち入る。その真ん中を1本のトレースだけを残してふかふかの新雪に心地良く歩き始めた。標高差約100mで牧場の最上部となり25分のラッセルである。
ここで標高は約520m。
 ここからいよいよ長い北西尾根の取付きとなり広い尾根の樹林帯に突入する。標高700mまでは比較的斜度のある登りとなり概ね真東に進路を取る。尾根の南側は急斜面になっているので右手にその斜面を見ながら高度を上げるとルート上に間違いは少ない。
700mを過ぎると緩斜面となり尾根も顕著に狭くなってくる。あとは高みを目指して836m標高点まで登れば前方に947mピークが飛び込んで来る。この辺りから森林限界となり見晴らしが急に開けて目指す1049m峰やオロフレ山を確認することが出来る。


11:45 947m峰ピーク。

 昨年撤退した場所に再び到着する。昨年は凍りついたカリカリの頂上だったが、今年はスキーの跡がくっきりと残るほどの新雪があった。ここに着く途中、思わぬ出会いで感激のエバ夫婦。
 今年の干支である「ウサギ」がすぐ傍の木株からピョンピョンと飛び跳ねて登って行くではないか。ぷっくらと太った真っ白いウサギ。まるで妖精がかくれんぼして遊んでいるようにそこらじゅうに足跡が広がっていた。警戒心が強いウサギに出遭えて運の良さを感じて得した気分になった。


 947mピークから天候は急変し、冷たい風と細かい雪が横殴りに降って来ていた。視界も悪くなり目指す1049峰も見え隠れし、オロフレ山の頂上部はすでに雲に覆われてしまった。距離は約1キロ視界の利かない広い尾根上を方向だけ定めて歩く。

★ 撃沈・・・

 最後の登りに差し掛かるころエバが撃沈する。
3時間近く休憩らしい休憩もせず深いラッセルに耐えて登って来たつけが回って来たのだ。空腹も手伝って足の動きが止まってしまった。
情けないがチーヤンに先頭をバトンタッチする。視界の無い急斜面をジグを切って登り、北から回り込むように辿って頂上に着いた。


12:30 1049m峰 頂上。    (登り 3時間30分)

いつもの登頂の握手も早々に三脚を出して記念写真を撮ったが設定ミスでピンボケだったのが残念だった。でもその時は、リベンジの成功で達成感に浸り無名峰でも1000m超峰に初登頂の二人は満足していた。寒くても山頂コーラで乾杯し15分間の頂を満喫して下山にかかる。

12:45 下山開始。

 相変わらず視界の無い中でも下山の強みはトレースである。風でところどころはすでに消えてしまったトレースも迷うことなく来た道を戻っていた。


13:05 947m峰

700m付近まで小さいながらもアップダウンがあるのでシールを付けたまま下山し、後は外して樹林帯の新雪を楽しみながらアッという間の下山だった。


14:05 登山口到着。  (下り 1時間20分)


※ 帰路では、蟠渓温泉の旅館「蟠岳荘」で貸切りの湯で冷え切った体を温めてすっきりと汗を流し帰宅しました。
ちなみに入浴料は300円(シャンプー無)です。





デジブック 『2011 隠れた名峰』