エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

緑岳の南東稜・・・シバ山 (1483m)

2015年03月19日 | 山紀行 (十勝・大雪)
緑岳の南東稜・・・シバ山 (1483m)
■ 山 行 日   2015年3月17日(火)~18日(水)  1泊2日
■ ル ー ト    大雪湖~南東尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー   夫婦登山 №3
■ 登 山 形 態   山スキー
■ 地 形 図   1/25000地形図  「白雲岳」「大雪湖」
■ 三角点・点名  三等三角点・点名「幌石狩・ホロイシカリ」
■ コースタイム  登り 4時間45分   下り 2時間15分
<登り>
 6:50      高原温泉林道出発
 7:50~8:00 林道二股
 8:25~8:30 C921林道二股(東尾根末端取付き)
 9:25      C1066付近
10:00      1150m付近(急登の始まり)
11:05      1400m付近(急登の終わり)
11:15      C1444付近
11:35      シバ山頂上

<下り>
12:10      下山開始
12:55      林道出合
13:02      C921地点
13:30      林道二股
14:25      国道出合P地点




■ 代車・・・
悪夢の事故(2/25)から早くも3週間が過ぎ、ようやく夫婦登山の再開となる。
しかし、車のダメージは見た目以上に大きかった。
10年目を迎えたハイエース3号、修復も出来ず涙の別れを告げる。今日まで本当にありがとう。
何度も傷付けながら思い出多き相棒だったよ。ふがいない主人を許してほしい・・・。

今日は、代車スズキのスイフトで出発する。テントを持参し一路層雲峡へ。


■ 第40回層雲峡氷瀑まつり・・・
このところの暖気が続く中でもなんとか持ち堪えて開催されている層雲峡氷瀑まつり。
3/29までの開催で昨年に続き訪れる事が出来たが、それぞれの氷像はほとんど解け始めて
下地が顔を出す淋しい状況だった。
寒々しさはまったく無くこの日も暖かい夜を迎え会場に訪れている観光客の98パーセントは外国人だ。










■ 層雲峡駐車場・・・
到着は、15:20。
いつものように「黒岳の湯」でゆっくりと温泉を堪能。暗くなるのを待って氷瀑まつりへと決めた。
車は、無料の層雲峡駐車場、平日とあってか極端に車は少なかった・・。
17:00温泉から帰りそのまままつり会場へ
18:20駐車場に戻り、こっそりとテントを設営・・小さな声で安着の乾杯!
ラジオでオープン戦カープvsファイターズ戦を聞きながらのひと時も20時過ぎ結果も知らず就寝。
外は、小雨~みぞれに変わっていた・・・・。

【3月18日(水)】

4:20 起床
     トイレに行くため外に出ると薄らと雪が積もり寒かった。
6:00 出発
6:25 大雪湖から高原温泉に向かう林道出合に着く。
     駐車スペースが無かったので道路脇に駐車し準備をする事にした。



代車を道路脇に駐車、対岸に林道出合がある・・・。

■ 再来・・・
6:50  出発
昨年の2月、シビナイ岳に登る時に訪れた林道である。
その秋には高原温泉から高原沼周辺の紅葉狩りに再来しシャトルバスでこの林道を走ったのが2度目。
今回で3度目、冬季間閉鎖している林道なので除雪はされておらず出合からスキーで歩く事になる。

予報通りの快晴に恵まれ林道にはスノーモービルのトレースに助けられ長い林道も順調に歩けた。
とは言え、東尾根末端のC921地点まで林道は約6キロあり1時間半のアルバイトは結構キツイ。



国道から高原温泉に向かう林道を歩き始める・・・


母なる川石狩川、大雪湖が源頭だったと新たに認識する・・・朝日が眩しい林道

8:30 南東尾根末端から取付き
石狩川の支流ヤンベタップ川とエイエノ沢川の二股突端にあるのが
シバ山から派生する東尾根の末端になる。ここで林道も二股となりヤンベタップ川沿いの林道が
高原温泉に通じている。

地形図と現地の地形から末端の痩せ尾根から取付く事にしたが、ちょっと苦労した取付き点だった。
20分程辛抱して濃い灌木を掻き分けながら超痩せ尾根を登ると少し広い尾根となり安堵する。
しかし、下りでは到底使えそうに無いので途中適当な場所からヤンベタップ川沿いの林道に
降りる事にしてピンクのテープを付けて置いた。


■ 春の雪・・・
尾根上の松やダケカンバは高度を上げると次第に疎林となり尾根も広くなるが比較的登り易かった。
ただ快晴で気温が高いのと昨夜降った新雪が湿って重くシールがすっかり濡れてしまった。
ラッセルも足首までも無く楽だったが、次第にシールに付着する雪が団子化して重くなり途中3度ほど
雪を除きながらワックスも塗った。距離の割に時間を要したのはずっしりと重くなったスキーで牛歩となり
足を止める回数が増えたせいでもある。



すでに1400m付近の尾根上・・・頂上は近い


1400m尾根上、背景は石狩連峰・・・

■ 初登頂シバ山1483m・・・
11:35 頂上
超マイナーなシバ山。情報も登行記録もほとんど無く山名の語源もまったく分からない。
ただ今回のルートは、八谷和彦氏の著書「ガイドブックにない北海道の山々」で紹介されていた
登頂記録を元に地図と睨めっこして決めて来たが、エイエノ沢川の渡渉が出来ればシバ山から
真東の斜面に取付くルートが最短で早かったかも知れない。

今回のルートの中では
1150m付近から1400m付近までの高度差約250mの急斜度の登りが一番しんどかった。
でも逆に1400m尾根上からは一気に開け石狩連山、東大雪、表大雪の眺望が苦労を
吹っ飛ばす絶景をプレゼントしてくれた。



頂上付近から望む忠別岳方面と高根が原


上の写真のズーム


木々が少し邪魔をしているが高根が原の2000m台地を望む


頂上から振り返ると石狩連山を望む・・・


久々に持ち込んだご褒美・・・


また一つ踏破しました。シバ山頂上にて・・・
■ シバ山 1483m・・・
大雪山系の通称表大雪と呼ぶ山域の中にありながら山名すら聞いたことが無いと言う方も多いと思う。
位置的には、緑岳の南東稜約3㎞にある1400m峰。高原温泉のすぐ東約1.5㎞地点でもある。
夏道は無く登頂の手段は、ヤンベタップ川の支流から沢登りするか積雪期に尾根を利用するしかない。
いずれにせよ超マイナーな山である事はその情報量の少ない事でも想像出来るし山頂にはテープの
一本も見つけられなかった。

昨年登った「シビナイ岳1566m」から北東に約3㎞、高原温泉を挟んで見下ろす形で望んだシバ山・・・
「来年はあそこにも登りたいね」とその願いが早々叶った事が嬉しい。
そして、今年の秋またあのすばらしい紅葉を今度は孫たちも連れて来れたら高原沼から双方の山を
再確認してみたいものだ。


■ 林道歩きがカギ・・・
快晴の山行に恵まれ、5時間近い登行も念願の登頂を果たし絶景も楽しみ何一つ文句の付けようが
ないはずだが、約6㎞・片道1時間半の林道歩きはこの山に登る時の大きなカギになると思った。
実際尾根の取付きからなら登り3時間、下り1時間と言った楽しい山行で終わるはずもプラス3時間の
アルバイトをしてでも登りたいか?どうかである。

新雪深い厳冬期は更に厳しいアルバイトを強いられるので、積雪期の登行なら3月~4月の春山が
適期ではないだろうか。



最後まで快晴に恵まれ満足の下山も少々疲れ気味のエバ夫婦でした。

■ トラウマ・・・
事故後最初の夫婦登山に選んだ「シバ山」だったが、自宅から登山口までのルート上には
事故の現場を往復通る事になるのは無論承知していた。
幸い路面は乾燥している所が多く普段なら安心して飛ばす場所も今回は慎重にも慎重を重ね
ビクビクしながら現場を走行していた。

特に帰りは、事故当時と同じように夕方の時間となり濡れている路面がついブラックアイスバーンに
見えてしまうのは完全に「トラウマ」状態が癒えていない証拠である。
こちらが慎重でももしや対向車が突っ込んで来る・・・と考えたりすると鼓動はいつもより強く打っていた。
その気持ちは私だけではなく隣りに座って居るチーヤンも同じ。ずっと目を見開いて少しでも危ないと
思ったら「お父さん、ゆっくりね・・」と声が出てしまうようだ。

車中、そんな会話をしながらなんとか無事帰宅した時はホント、ホッとした。
安着のビールがこんなに美味しい(いつもそう思ってるが・・・笑)んだぁ~と安全運転の有難味を
噛みしめて頂いた。



※3月20日、再アップしています。