増毛山魂の奥座敷・・・
3年越しのリベンジ・・・大滝山 (1038m)
札幌3月の気温124年振りの16℃を記録・・・
■ 山 行 日 2015年3月28日(土) 日帰り
■ ル ー ト 実田牧場赤川林道~知来岳南東尾根乗越ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山№4
■ 登 山 形 態 山スキー
■ 地 形 図 1/25000地形図 「御料地」
■ 三角点・点名 三等三角点・点名「大瀧山オオタキヤマ」
■ コースタイム 登り 6時間05分 下り 3時間15分
<登り>
05:40 実田牧場赤川林道出合~出発 -3℃
07:20 赤川林道終点(赤川出合SB渡渉)
07:30~40 休憩
08:35~40 知来岳南東尾根上(700m付近) 休憩
08:55~9:05 徳富川出合 休憩
09:10 徳富川SB渡渉
10:02~10 大滝山尾根上(700m付近) 休憩
11:45 大滝山1038m 頂上 (登り 6時間05分)
<下り>
12:25 下山開始 シールを外す
13:00~10 徳富川出合(SB渡渉) 休憩シールを付ける
14:00~15 知来岳南東尾根上(700m付近) 休憩 尾根上にモービル痕 シールを外す
14:35 赤川SB渡渉し林道出合
15:40 登山口(実田牧場赤川林道出合) (下り 3時間15分)
★ 遥かなる奥座敷・大滝山・・・
増毛山魂の奥座敷と勝手に名付けて、行けそうで行けなかった大滝山に一泊では無く日帰りで
計画を組むチャンスが訪れた。
大滝山は、増毛山魂の東側に位置し南暑寒岳の南約3キロ、奥徳富岳から徳富川を挟んで東約4キロ
にある1000mを少し超えた南北の尾根を持つ山である。
山名の由来は不明、ただ西側に流れる徳富川の源頭部には地形図にも載っている大滝があるので
関係しているかも知れない。(まったく根拠はありません)
登山道は無く、登頂を目指すには積雪期のみ可能と思われるほど奥まった遥かなる山容で訪れる
山屋も稀な超マイナーな山である。
何年も前から登行の計画をしながらも実際に動いたのは2013年だった。
建設中だった徳富ダムを起点に徳富川沿いに歩き大滝山の南尾根から取付くルートが最初の計画。
2度、3度偵察にダムまで行くが建設中のためダムから奥の林道に立入は許可されなかった。
そして今回の知来岳南東尾根を乗越し徳富川を渡って大滝山の急な西斜面に取付き南北尾根から
登頂を目指すルートを探し出した。どのくらい時間を要するのかまったく分からなかったのでそのルート
偵察を兼ねて2度ほど出掛けた事がある。
一度目は、林道を間違えてあっちこっち彷徨いながらも知来岳南東尾根に取付くための小尾根まで
偵察して下山。2度目は、快晴もダムルートから偵察に向かい係員に制止されて断念し、その後
出向いた赤川林道だったが、なんとか南東尾根上まで辿り着きルートとタイムの目途が付けた。
後は徳富川の渡渉でSBがある時期の見極めと急斜面の取付きや登行時間が気になっていた。
すると昨年の3月、山仲間の山ちゃんグループが同じルートで登った報告が山のメーリングで流れ
情報を入手、それから今日の日のチャンスを狙っていた。山ちゃんにはほんと感謝する。
山ちゃんのHP「ゆっくり歩きで低山を楽しむ」 「大滝山」はこちら
2013年の大滝山偵察登山の記録はこちら
★ 一泊から日帰り・・・
当初の計画は一泊だった。
妻の仕事の都合上から夜の出発だったので登山口の林道出合にテントを張り、翌日軽装備で
早朝出発し日帰りする計画。当日現地に居ればそれだけ楽ではあったが、いずれにせよ日帰り山行
なら自宅を夜中に出ても早朝出発は可能と考えたのが一つ。もう一つはプロ野球開幕戦
日ハムvs楽天のテレビ中継が観たかったという理由も隠せない。
すでに泊りの準備をしていた妻に詫びて日帰りに変更した経緯である。
希望としては遅くとも登山口6時には出発し、登り6時間、下り4時間・・・と見て下山は16時と読む。
ちょっと強行な行程も快晴予報と少し陽が長くなったことで体力さえ持てば出来得る山行と決める。
【3月28日(土)】
自宅 3:10出発
登山口 5:07到着する。予定より順調に走れ早く着いた事で夜明け前の出発が可能になった。
登山口(赤川林道出合) 5:40スタート。
登山口となる赤川林道出合に駐車
夜明け前に出発出来る、-3℃林道はカリカリで歩き易かった・・・
日が昇り、目指す尾根が近づく・・・
★ 出足も順調・・・
予定より早い出発で気持ちに余裕が持てた。
気温も-3℃で林道の雪面は硬くスキーのトレースさえ付かなく順調に距離を稼いだ。
ルート的には浜益川の支流赤川沿いの林道を約3キロ強歩き、更に地形図には載っていない
林道を赤川沿いにそのまま数百メートル進むと突然林道が切れて赤川の上流に出合う。
標高は約300mくらいの所である。
川はすっかり雪で埋まり対岸の小尾根が知来岳の南東尾根に繋がっている。
小尾根には適当なところから斜面をひと登りし広い緩斜面の尾根上が南東尾根まで続く。
標高点504のすぐ隣の小尾根がそれで南東尾根の約700m付近には8:35に着いた。
登山口から約3時間、実際にはまだスタート地点ではないが、ここまで来てようやく目標の
大滝山の全容を望むことが出来る。
快晴無風状態・・・小鳥のさえずりが心地良く静か過ぎる増毛の山に贅沢過ぎる展望を仰ぎながら
ここに居る幸福感を早くも感じていた。陽は高くなり気温もどんどん上がって温かい。
硬い雪もすっかり緩んでスキーのトレースがはっきりと残るほど沈むようになった。
知来岳南東尾根に登る小尾根に取付く・・・
小尾根上・・・下界を見下ろし気持ちが良い
約3時間でようやく南東尾根上に着き、始めて大滝山を望む、絶景!
★ 核心部・覚悟のダウン&アップ・・・
8:40
さぁ、ここから下の徳富川まで一気に250mの急斜面を下りる。シールを付けたまま斜滑降で
少しずつ降りながら徳富川のSBを探す。同時に登り返す対岸の大滝山の西斜面にも注目し
少しでも緩斜面がないか見極める。対岸から壁にしか見えなかった西斜面も川まで降りて見ると
意外と登れそうな斜面を見つける事が出来た。口の開いた徳富川の清流を覗き込むと川底が見えて
水深は浅いと分かり、仮にSBから落ちてもケガの恐れが無いと見ると安心した。
8:55 徳富川出合(標高約440m付近)
9:10 SBを渡渉
大滝山との間を流れる徳富川を見下ろし、渡渉点を見極める・・・見えているSBを渡った。
ここが渡渉点のSB(スノーブリッジ)・・・渡渉成功
★ 大滝山西斜面・・・
地形図上では読み取り難いが、現地では意外にも登れそうな小尾根を見つける。
それでも急斜面に変わりはないが、暖気で雪が腐りスキーでしっかりと雪を踏む事が
出来たので登れたと思う。もし硬い雪面でエッジも利かないようならスキーアイゼンは
必須アイテムになるだろう。このことは、岳友山ちゃんの記録でも報告され用意だけはしていたが
これだけ温かく雪が腐るとまったく問題の無い斜面に変わるんだと参考になった。
ジグを切りながらゆっくりと少しずつ高度を稼ぐ。
250mを登り返しようやく700m付近の尾根上に着いたのが10:02だった。
この山行の核心部をクリア出来尾根上に着いた時、始めて登頂を意識した。
降りて来た南東尾根の東斜面を背景に大滝山の西斜面を登る・・・
★ 近くて遠い頂上尾根と熊の足跡・・・
南北に延びた広い頂上尾根。
ダケカンバの大木が立つも疎林帯で見通しが良い。
カバノアナタケがある事も山ちゃんの報告にあったので今日は準備をしていた。
案の定3箇所ほど立派なカバノアナタケを見つけたが、下りでの登り返しを考えると
全部ゲットする気にはなれず帰りに一つだけゲットしてザックに収めた。
そうそう・・・熊の足跡の事も記して置こう。
最初に出合ったのは赤川林道で2箇所、少し古そうだったがしっかりと熊の足跡と分かる。
小尾根でも一箇所、赤川方向から登って来て尾根を乗越し反対の沢の方へ足跡が延びていたが
こちらはかなりの大物だった。そして、頂上尾根で2箇所である。
春とは言ってもまだまだ雪深い増毛の山々、尾根上でも恐らくまだ2~3mの積雪はあるだろう。
陽気に誘われての散歩なのかそれとも春の食探しとして行動しているのか・・・いずれにせよ
気の抜けない春山だった。チーヤンはしきりに後ろを気にしながら笛を何度も吹き警戒していた。
念願の大滝山南北尾根に辿り着く・・・
頂上を確認もなかなか近づかない・・・
長い長い尾根歩きももうすぐ終わりです・・・
尾根上から望む「奥徳富岳1346m」の鋭鋒
★ 3年越しに初登頂・大滝山・・・
11:45 大滝山頂上
2キロちょっとの尾根歩きに1時間30分を要した。
スキーシールは水を吸って重くなり登行ペースは上がらない。
足を止める数も増えて近そうで遠い辛い登りだった。スキーも埋まるので足の負担も大きかった。
最後はチーヤンに華を持たせて・・・ではないが、先頭を歩いていただき初ピークを踏む。
これ以上ない快晴と眺望に恵まれ誰も居ない貸切の頂上に辿り着く。
計算通りの登り6時間を要して初登頂だ!
何度もチーヤンと握手して登頂を喜ぶ。この絶景もさることながら何度も偵察してようやく計画を
実行するチャンスを得て、頑張れば登れるんだと言う達成感が沸々と湧いてくる。
そして、増毛山魂の1000m超峰ではあと一座「東暑寒岳1126m」を残すだけになった。
今シーズンの制覇に弾みがつきそうな気がして来た。いつものようにコーラで乾杯し登頂を満喫する。
遂に初登頂の大滝山から望む「南暑寒岳1296m」
増毛山魂の主峰「暑寒別岳1492m」
頂上にて・・スマホの地図アプリはしっかりと頂上を示していました。
大滝山頂上・・・背景は南暑寒岳と左に暑寒別岳です。
大滝山頂上・・・背景は奥徳富岳です。
見晴台の大滝山頂上・・背景は南暑寒岳と左に暑寒別岳
★ 下山・・・
12:25 下山開始
名残惜しいも下りは下りでもう一度核心部の登り返しがあるので、早々ゆっくりも出来ない。
頂上からシールを外して湿った重い雪にスキーを滑らせてみた。登りのトレースを利用すると
ある程度スピードが乗り上手く滑る事が出来た。途中でカバノアナタケを獲っても徳富川まで
約30分で降りてしまった。スキーの威力恐るべき・・・である。
長いの登りも下山はスキーの威力を発揮する、湿った重い雪もそれなりに楽しい
頂上尾根を華麗?に滑るチーヤン・・・
降りて来た知来岳南東尾根の東斜面のトレース、あれを登り返す
★ 最後の登り返し・・・
ここまで来るともう焦りはなかった。
250mの登り返しは下りで付いた斜滑降のトレースをベースにのんびりと登る事にした。
一歩一歩ジグを切りながら少しずつ高度を上げれば、次第に尾根が近づくから嬉しい。
そして約50分もすれば最後の登り返しは終了し南東尾根に帰って来た。もう一安心である。
標高差250mを登り返す・・・
知来岳南東尾根上、朝は無かったモービルの走行トレースがそこら中に・・・
★ 最後のスキーを存分に・・・
まさに「苦あれば楽あり」である。
南東尾根でシールを外し登って来た小尾根を滑る。急斜面も湿った重い雪でスピードは付かない。
大きなターンを繰り返しあっという間に赤川出合となる。林道も大きな登り返しは無くトレースを
利用してスキーを滑らせることが出来た。更に途中からモービルのトレースが林道上にあり
大いに助けられて時間短縮に繋がった。
着いて見れば15:40・・・出発からちょうど10時間で無事下山となる。
増毛山魂の中でもっとも奥まった山に日帰りで登頂・下山出来、感極まる満足な山行だった。
決して人に勧められる簡単な山ではないが、条件が揃えば奥座敷・大滝山からの絶景を
是非堪能してほしいほど忘れられない山になった。
最後の滑走は深く湿った重い雪、それでも楽しい下りのスキーだ!
下りはあっという間、計画通りのタイムで無事下山しました。お疲れ様。
帰路では、月形温泉で汗を流し19:30無事帰宅してこの山行を終了する。
※ 3/30 アップ終了。
3年越しのリベンジ・・・大滝山 (1038m)
札幌3月の気温124年振りの16℃を記録・・・
■ 山 行 日 2015年3月28日(土) 日帰り
■ ル ー ト 実田牧場赤川林道~知来岳南東尾根乗越ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山№4
■ 登 山 形 態 山スキー
■ 地 形 図 1/25000地形図 「御料地」
■ 三角点・点名 三等三角点・点名「大瀧山オオタキヤマ」
■ コースタイム 登り 6時間05分 下り 3時間15分
<登り>
05:40 実田牧場赤川林道出合~出発 -3℃
07:20 赤川林道終点(赤川出合SB渡渉)
07:30~40 休憩
08:35~40 知来岳南東尾根上(700m付近) 休憩
08:55~9:05 徳富川出合 休憩
09:10 徳富川SB渡渉
10:02~10 大滝山尾根上(700m付近) 休憩
11:45 大滝山1038m 頂上 (登り 6時間05分)
<下り>
12:25 下山開始 シールを外す
13:00~10 徳富川出合(SB渡渉) 休憩シールを付ける
14:00~15 知来岳南東尾根上(700m付近) 休憩 尾根上にモービル痕 シールを外す
14:35 赤川SB渡渉し林道出合
15:40 登山口(実田牧場赤川林道出合) (下り 3時間15分)
★ 遥かなる奥座敷・大滝山・・・
増毛山魂の奥座敷と勝手に名付けて、行けそうで行けなかった大滝山に一泊では無く日帰りで
計画を組むチャンスが訪れた。
大滝山は、増毛山魂の東側に位置し南暑寒岳の南約3キロ、奥徳富岳から徳富川を挟んで東約4キロ
にある1000mを少し超えた南北の尾根を持つ山である。
山名の由来は不明、ただ西側に流れる徳富川の源頭部には地形図にも載っている大滝があるので
関係しているかも知れない。(まったく根拠はありません)
登山道は無く、登頂を目指すには積雪期のみ可能と思われるほど奥まった遥かなる山容で訪れる
山屋も稀な超マイナーな山である。
何年も前から登行の計画をしながらも実際に動いたのは2013年だった。
建設中だった徳富ダムを起点に徳富川沿いに歩き大滝山の南尾根から取付くルートが最初の計画。
2度、3度偵察にダムまで行くが建設中のためダムから奥の林道に立入は許可されなかった。
そして今回の知来岳南東尾根を乗越し徳富川を渡って大滝山の急な西斜面に取付き南北尾根から
登頂を目指すルートを探し出した。どのくらい時間を要するのかまったく分からなかったのでそのルート
偵察を兼ねて2度ほど出掛けた事がある。
一度目は、林道を間違えてあっちこっち彷徨いながらも知来岳南東尾根に取付くための小尾根まで
偵察して下山。2度目は、快晴もダムルートから偵察に向かい係員に制止されて断念し、その後
出向いた赤川林道だったが、なんとか南東尾根上まで辿り着きルートとタイムの目途が付けた。
後は徳富川の渡渉でSBがある時期の見極めと急斜面の取付きや登行時間が気になっていた。
すると昨年の3月、山仲間の山ちゃんグループが同じルートで登った報告が山のメーリングで流れ
情報を入手、それから今日の日のチャンスを狙っていた。山ちゃんにはほんと感謝する。
山ちゃんのHP「ゆっくり歩きで低山を楽しむ」 「大滝山」はこちら
2013年の大滝山偵察登山の記録はこちら
★ 一泊から日帰り・・・
当初の計画は一泊だった。
妻の仕事の都合上から夜の出発だったので登山口の林道出合にテントを張り、翌日軽装備で
早朝出発し日帰りする計画。当日現地に居ればそれだけ楽ではあったが、いずれにせよ日帰り山行
なら自宅を夜中に出ても早朝出発は可能と考えたのが一つ。もう一つはプロ野球開幕戦
日ハムvs楽天のテレビ中継が観たかったという理由も隠せない。
すでに泊りの準備をしていた妻に詫びて日帰りに変更した経緯である。
希望としては遅くとも登山口6時には出発し、登り6時間、下り4時間・・・と見て下山は16時と読む。
ちょっと強行な行程も快晴予報と少し陽が長くなったことで体力さえ持てば出来得る山行と決める。
【3月28日(土)】
自宅 3:10出発
登山口 5:07到着する。予定より順調に走れ早く着いた事で夜明け前の出発が可能になった。
登山口(赤川林道出合) 5:40スタート。
登山口となる赤川林道出合に駐車
夜明け前に出発出来る、-3℃林道はカリカリで歩き易かった・・・
日が昇り、目指す尾根が近づく・・・
★ 出足も順調・・・
予定より早い出発で気持ちに余裕が持てた。
気温も-3℃で林道の雪面は硬くスキーのトレースさえ付かなく順調に距離を稼いだ。
ルート的には浜益川の支流赤川沿いの林道を約3キロ強歩き、更に地形図には載っていない
林道を赤川沿いにそのまま数百メートル進むと突然林道が切れて赤川の上流に出合う。
標高は約300mくらいの所である。
川はすっかり雪で埋まり対岸の小尾根が知来岳の南東尾根に繋がっている。
小尾根には適当なところから斜面をひと登りし広い緩斜面の尾根上が南東尾根まで続く。
標高点504のすぐ隣の小尾根がそれで南東尾根の約700m付近には8:35に着いた。
登山口から約3時間、実際にはまだスタート地点ではないが、ここまで来てようやく目標の
大滝山の全容を望むことが出来る。
快晴無風状態・・・小鳥のさえずりが心地良く静か過ぎる増毛の山に贅沢過ぎる展望を仰ぎながら
ここに居る幸福感を早くも感じていた。陽は高くなり気温もどんどん上がって温かい。
硬い雪もすっかり緩んでスキーのトレースがはっきりと残るほど沈むようになった。
知来岳南東尾根に登る小尾根に取付く・・・
小尾根上・・・下界を見下ろし気持ちが良い
約3時間でようやく南東尾根上に着き、始めて大滝山を望む、絶景!
★ 核心部・覚悟のダウン&アップ・・・
8:40
さぁ、ここから下の徳富川まで一気に250mの急斜面を下りる。シールを付けたまま斜滑降で
少しずつ降りながら徳富川のSBを探す。同時に登り返す対岸の大滝山の西斜面にも注目し
少しでも緩斜面がないか見極める。対岸から壁にしか見えなかった西斜面も川まで降りて見ると
意外と登れそうな斜面を見つける事が出来た。口の開いた徳富川の清流を覗き込むと川底が見えて
水深は浅いと分かり、仮にSBから落ちてもケガの恐れが無いと見ると安心した。
8:55 徳富川出合(標高約440m付近)
9:10 SBを渡渉
大滝山との間を流れる徳富川を見下ろし、渡渉点を見極める・・・見えているSBを渡った。
ここが渡渉点のSB(スノーブリッジ)・・・渡渉成功
★ 大滝山西斜面・・・
地形図上では読み取り難いが、現地では意外にも登れそうな小尾根を見つける。
それでも急斜面に変わりはないが、暖気で雪が腐りスキーでしっかりと雪を踏む事が
出来たので登れたと思う。もし硬い雪面でエッジも利かないようならスキーアイゼンは
必須アイテムになるだろう。このことは、岳友山ちゃんの記録でも報告され用意だけはしていたが
これだけ温かく雪が腐るとまったく問題の無い斜面に変わるんだと参考になった。
ジグを切りながらゆっくりと少しずつ高度を稼ぐ。
250mを登り返しようやく700m付近の尾根上に着いたのが10:02だった。
この山行の核心部をクリア出来尾根上に着いた時、始めて登頂を意識した。
降りて来た南東尾根の東斜面を背景に大滝山の西斜面を登る・・・
★ 近くて遠い頂上尾根と熊の足跡・・・
南北に延びた広い頂上尾根。
ダケカンバの大木が立つも疎林帯で見通しが良い。
カバノアナタケがある事も山ちゃんの報告にあったので今日は準備をしていた。
案の定3箇所ほど立派なカバノアナタケを見つけたが、下りでの登り返しを考えると
全部ゲットする気にはなれず帰りに一つだけゲットしてザックに収めた。
そうそう・・・熊の足跡の事も記して置こう。
最初に出合ったのは赤川林道で2箇所、少し古そうだったがしっかりと熊の足跡と分かる。
小尾根でも一箇所、赤川方向から登って来て尾根を乗越し反対の沢の方へ足跡が延びていたが
こちらはかなりの大物だった。そして、頂上尾根で2箇所である。
春とは言ってもまだまだ雪深い増毛の山々、尾根上でも恐らくまだ2~3mの積雪はあるだろう。
陽気に誘われての散歩なのかそれとも春の食探しとして行動しているのか・・・いずれにせよ
気の抜けない春山だった。チーヤンはしきりに後ろを気にしながら笛を何度も吹き警戒していた。
念願の大滝山南北尾根に辿り着く・・・
頂上を確認もなかなか近づかない・・・
長い長い尾根歩きももうすぐ終わりです・・・
尾根上から望む「奥徳富岳1346m」の鋭鋒
★ 3年越しに初登頂・大滝山・・・
11:45 大滝山頂上
2キロちょっとの尾根歩きに1時間30分を要した。
スキーシールは水を吸って重くなり登行ペースは上がらない。
足を止める数も増えて近そうで遠い辛い登りだった。スキーも埋まるので足の負担も大きかった。
最後はチーヤンに華を持たせて・・・ではないが、先頭を歩いていただき初ピークを踏む。
これ以上ない快晴と眺望に恵まれ誰も居ない貸切の頂上に辿り着く。
計算通りの登り6時間を要して初登頂だ!
何度もチーヤンと握手して登頂を喜ぶ。この絶景もさることながら何度も偵察してようやく計画を
実行するチャンスを得て、頑張れば登れるんだと言う達成感が沸々と湧いてくる。
そして、増毛山魂の1000m超峰ではあと一座「東暑寒岳1126m」を残すだけになった。
今シーズンの制覇に弾みがつきそうな気がして来た。いつものようにコーラで乾杯し登頂を満喫する。
遂に初登頂の大滝山から望む「南暑寒岳1296m」
増毛山魂の主峰「暑寒別岳1492m」
頂上にて・・スマホの地図アプリはしっかりと頂上を示していました。
大滝山頂上・・・背景は南暑寒岳と左に暑寒別岳です。
大滝山頂上・・・背景は奥徳富岳です。
見晴台の大滝山頂上・・背景は南暑寒岳と左に暑寒別岳
★ 下山・・・
12:25 下山開始
名残惜しいも下りは下りでもう一度核心部の登り返しがあるので、早々ゆっくりも出来ない。
頂上からシールを外して湿った重い雪にスキーを滑らせてみた。登りのトレースを利用すると
ある程度スピードが乗り上手く滑る事が出来た。途中でカバノアナタケを獲っても徳富川まで
約30分で降りてしまった。スキーの威力恐るべき・・・である。
長いの登りも下山はスキーの威力を発揮する、湿った重い雪もそれなりに楽しい
頂上尾根を華麗?に滑るチーヤン・・・
降りて来た知来岳南東尾根の東斜面のトレース、あれを登り返す
★ 最後の登り返し・・・
ここまで来るともう焦りはなかった。
250mの登り返しは下りで付いた斜滑降のトレースをベースにのんびりと登る事にした。
一歩一歩ジグを切りながら少しずつ高度を上げれば、次第に尾根が近づくから嬉しい。
そして約50分もすれば最後の登り返しは終了し南東尾根に帰って来た。もう一安心である。
標高差250mを登り返す・・・
知来岳南東尾根上、朝は無かったモービルの走行トレースがそこら中に・・・
★ 最後のスキーを存分に・・・
まさに「苦あれば楽あり」である。
南東尾根でシールを外し登って来た小尾根を滑る。急斜面も湿った重い雪でスピードは付かない。
大きなターンを繰り返しあっという間に赤川出合となる。林道も大きな登り返しは無くトレースを
利用してスキーを滑らせることが出来た。更に途中からモービルのトレースが林道上にあり
大いに助けられて時間短縮に繋がった。
着いて見れば15:40・・・出発からちょうど10時間で無事下山となる。
増毛山魂の中でもっとも奥まった山に日帰りで登頂・下山出来、感極まる満足な山行だった。
決して人に勧められる簡単な山ではないが、条件が揃えば奥座敷・大滝山からの絶景を
是非堪能してほしいほど忘れられない山になった。
最後の滑走は深く湿った重い雪、それでも楽しい下りのスキーだ!
下りはあっという間、計画通りのタイムで無事下山しました。お疲れ様。
帰路では、月形温泉で汗を流し19:30無事帰宅してこの山行を終了する。
※ 3/30 アップ終了。