エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

北大雪・比麻奈山(1811m)~通称 アンギラス(1830m) 往復

2016年10月04日 | 山紀行 (十勝・大雪)
北大雪9年ぶり3度目の再訪はHYMLの仲間たちと・・
比麻奈山 (1811m)~ 通称アンギラス (1830m)  往復

■ 山 行 日    2016年10月2日(日)   日帰り
■ コ ー ス     平山・白滝コース~アンギラス 往復
■ メ ン バ ー      CL シゲ、teji、niko、エバ
■ 登 山 形 態     登山道~踏み跡(明瞭)
■ 地 形 図    1/25000地形図  「平 山」
■ 三角点・点名   ニセイカウシュッペ山 二等三角点  点名「噛首辺 カムシュペ」
             平山、比麻奈山、アンギラスは三角点・点名無し

■ コースタイム    登り   登山口~平山分岐(1737)まで 2時間25分
                平山分岐~比麻奈山(分岐)まで  50分
 (休憩10分含)
                比麻奈山~アンギラス 1時間10分   トータル4時間45分

           下り  アンギラス~比麻奈山 1時間10分
               比麻奈山~平山分岐     35分
               平山分岐~登山口   2時間15分
 (休憩15分含)
<登り>
06:45        登山口出発
07:10        行雲ノ滝
07:25~30     冷涼ノ滝
09:10~20     平山分岐 1737
09:50~10:00  休憩
10:10~20     比麻奈山頂上(分岐)
11:30        アンギラス(1830m)頂上

<下り>
12:00        下山開始
13:10        比麻奈山
13:45        平山分岐 1737
14:00~15     休憩
15:20        冷涼ノ滝
15:30        行雲ノ滝
16:00        登山口



赤い実線は当初の予定ルートです。実際は、平山とニセカには行っていません。

私を山に連れてって・・・
今回の山行はHYMLの仲間の計画に乗っかった便乗山行で行って来ました。
「日曜・快晴・一人・計画なし」という条件でとにかく相棒を探していて辿り付いたメンバーたちです。
シゲさんとは昨年12月雪山初テント泊体験が初山行でしたが、tejiさんとnikoさんとは初めての山行となります。

三人はHYML入会時期が同期という事で「同期会の初山行」を企画したとの事。そこにオヤジがお邪魔した訳です。
申し訳ない気持ちも快く承諾していただき遠慮なく飛び付いた山行でした。行く山に迷った時のHYML・・ホントそう思いました。

しかし、詳しく計画を聞いて(◎_◎;) ポンです!

札幌を3時に出発する日帰り山行だったんです。遠距離は恋愛だけにしてくれよぅ~じゃないけれど(笑
夜中に出発する日帰り山行は慣れていないので少し緊張して来ました。
前夜は晩酌も早々に切り上げ21時には床に就きました。

緊張していた割には寝付きが良くぐっすりです。

【10月02日(日)】

予報通り快晴を予感する星空に目を覚まし早々に準備して1時30分に家を出た。自宅前の気温は6℃でした。
私の車でシゲさん宅に寄り札幌の集合場所へ向かいます。皆さんと合流し3時20分の出発となりました。
大谷地インターから高速に乗り奥白滝までは2時間10分で着きました。
道中眠くても話が尽きないのはHYMLの話題の多さでしょうか?あっという間の白滝でした。
快晴の奥白滝から道道に入り平山の白滝コース登山口を目指します。舗装路から林道に変わり徐々に高度を
上げて行きますが8月の台風被害の影響を感じないほど整備された林道でした。

6:25 登山口駐車場到着 快晴 気温6℃ 20台以上は余裕で停められる広い駐車場です。
6:40 出発 150m先の登山口まで林道を歩きます。
登山口前にはトイレもありますが、広い駐車スペースもありすでに10台ほどの車が駐車していました。
しかし、ここは本来関係者以外立入禁止のエリヤなので私たちの停めた場所が登山者用の駐車場なのでした。

6:45 登山開始


平山白滝コースの登山口です・・・登山ポストに記入中

秋深し紅葉は山麓へ・・・
登山口の標高は約1040m・・・すでに紅葉も終期と言った感じで色あせていたのが残念だった。
しかし、快晴の青い空を見上げながら身の引き締まる寒さはもう初冬かと思うほどで気合の入る出発だった。

最初に出合う「行雲ノ滝」まで二度の渡渉があり橋が架けられている。
いずれもパイプ管で作られた橋だが新しくなっているように見えた。それはすぐ横に古いパイプ管の残骸が残置され
橋もまだ工事途中のようだったからだ。台風被害は無いと思っていたが沢だけは増水して以前の橋が決壊したのだろう。
後で知ったことだが、近郊の支湧別岳やニセイチャロマップ岳の登山口へは林道が決壊し通行止めという情報を聞いた。

登行はシゲさんを先頭に私が最後尾をキープしてゆっくり登る事がお約束の様だった。
また当初の山行計画は、平山~比麻奈山~アンギラス~ニセイカウシュッペ山までの予定だったが、時間と体力を
見ながら変更有きの安全登山は私向きの歩き方で安心した。

この時期このコースの楽しみは何と言っても紅葉なのだが、登山口で紅葉を見ただけで高度を上げる毎に
ナナカマドの赤い葉はくすぶり、チングルマやウラシマツツジの紅葉もすっかり終期を迎え、青く澄んだ空だけが
唯一秋を感じさせていた。



1057二股での渡渉 新しいパイプ橋(工事中)を渡る・・・以前のパイプ橋は台風で決壊したようだ。残骸が近くに残置してあった。


冷涼ノ滝にて・・・主役の3名左からシゲさん、nikoさん、tejiさん


登山道から見上げる「行雲ノ滝」


更に上を目指して登山路を登る・・・


第一雪渓の手前付近 1425手前にて




もう少しで平山分岐だ・・・

爆風の稜線に足止まる・・・
私は、3回目となる平山白滝コースなので以前の記録やガイド本のコースタイムを参考にしながら
最初の目的地は平山分岐の1737地点として目指した。今日のメンバーで登るのは初めて・・・という事も加味して
リーダーシゲさんの判断も慎重になるのは当然だ。

標高1737mの平山分岐に着くと突然、爆風が体に襲い掛かる感じだった。
一気に体が冷えそうだったので全員すぐに雨具を着込み防寒する。気温は15℃ほどだが体感気温は10℃以下だろう。
当初の予定はここから平山のピークを踏みその後アンギラスを目指すところだが、時間を逆算したり爆風を考えて先に
アンギラスを目指すことにした。この時点でニセイカウシュッペ山の登頂は諦め、アンギラスの後時間が許せば平山も・・
という計画に変更する。

次の比麻奈山までは3~40分のコースタイムだが、強風で何度も足が止まり時間が掛かってしまった。



真っ赤に実ったナナカマドの実と比麻良山の稜線


標高1737mの平山分岐標識と遠望は表大雪


表大雪を一望する絶景


強風の中、比麻奈山への登山道にて・・・ニセカとアンギラスを望むビューポイント




ここから望む紅葉を楽しみにしていたがすでに終わっていたのは残念・・・それにしてもこの絶景は、ここに来なければ観られない!


ほとんどのウラシマツツジは紅葉も終えて茶色く変色していたがここはまだ綺麗でした


ウラシマツツジの紅葉と表大雪のコラボ・・・なんちゃって


強風の中目指す比麻奈山はもう少し・・・

アンギラスとニセカへの分岐は比麻奈山頂上・・・
標高1811mの通称「比麻奈山」。
地形図には標高点だけで山名は記載されていない。この山名の由来は諸説あるが隣の比麻良山(1796m)をもじった
ジョークから付けられた山名というのが濃厚らしい?(単なる通過点の頂上であるが、エバ夫婦にはカウントした一座である)

山頂からアンギラスとその向こうに聳え立つニセイカウシュッペ山に繋がる痩せた稜線は見応えがある。
ニセカまで距離は約2キロでその中間に恐竜の背中に似ていると名付けられたアンギラス1830mの岩峰がある。

そう言えば登山口にアンギラス・ニセカまでの踏み跡に関する注意書きの看板を思い出した。
正確な文面まで覚えていないが、立入禁止ではなく高山植物を踏み付けないよう注意をしてくれ!と
訴える行政側の決まり文句だったように思える。あくまでも自己責任で注意してくれ・・と読んだ。

比麻奈山もワンピークなので全員で登頂の記念写真を撮る・・・(下の写真)。



背景は「アンギラス」と「ニセイカウシュッペ山」

踏み跡は一級国道・・・
アンギラスまでの距離は約1キロメートルでコースタイムは1時間だった。
しかし、どれほどの藪を漕ぐのか?と心配も多かったが案ずるより道は良くはっきりした踏み跡に安堵した。
アップダウンとハイ松のうるさい箇所は少しだけあるが、この程度なら私にとって一級国道の踏み跡と言える。
時期が夏であれば稜線は花畑だろう。チングルマの紅葉した葉が所々一面に群生しそれが想像出来た。
あの注意書きはきっとこのことを指し、高山植物の踏み付け防止に立入りを制限したのかも知れない。

踏み跡はすでに登山道と言っていいほど明瞭であり、テープや鋸目もあって注意書きは現実的ではない。
ただ心無い登山者も居ないとは言い切れず「抑止力」としてやはりあの看板は必要なのだろうと結論付ける。


風弱く稜線順調に・・・
隊列は崩さずシゲさんが先頭を歩く。
アンギラスの稜線に入るとあの爆風は嘘のように弱く日差しが暑く感じる程だった。
心配した踏み跡も明瞭で迷う事も危険な場所もなく順調に歩を進める事が出来た。



いよいよアンギラスを目指し踏み跡を辿る・・・


稜線の北斜面をトラバース気味に踏み跡がありチングルマの群生地でもあるようだ


チングルマの綿毛が辛うじて残っていました・・


アンギラス手前の岩峰にて・・・


岩峰から歩いて来た稜線を振り返る・・・中央一番奥のコブが比麻奈山です


アンギラス頂上・・・先行登頂したシゲさんとニコさん


3番手 tejiさんハイ松を掻き分けて頂上を目指します・・

アンギラスはハイ松の岩峰だった・・・
11:30 アンギラス頂上
フィニッシュは岩峰一帯が低いハイ松の中を進み頂上に辿り着く。
三角点も頂上標識も無い狭い頂上だが、4人が座るスペースは充分だった。
本来岩峰の上なので高度感たっぷりのはずだが、ハイ松のお陰で恐怖心は感じない絶景の頂上に安堵する。

しかし、突風が吹いた瞬間私の帽子が飛ばされ谷底に落ちてしまった・・・。
ハイ松に掴まり下を覗き込むも発見出来ず諦めた・・・トホホ。

頂上では20分ほど休憩し大眺望と行動食を楽しんで下山する事にした。


直下に飛んだ帽子が・・・
下山時はハイ松帯の岩峰を回り込むように降りて横から直下の断崖絶壁が見える。
何気にその絶壁を見上げて見ると、なんと飛ばした帽子が直下2mの灌木に引っかかっていた。
垂直の断崖は数十メートルはあるだろうか?落ちたら当然命はない場所だ。手を伸ばして取れる場所でもなかった。
大方諦めてはいたが、あの帽子への思いも深く何とか取りたいと思った。

幸い6mmロープと平ザイル、カラビナを持っていて支点と成り得るハイ松があったので、帽子奪還作戦に挑んだ。
頑丈なハイ松の根っ子にロープを固定し、自分の体にもロープを巻き付けてビレーする。
慎重に一歩ずつ絶壁を降りるとほんの僅か足元にテラス状の足場があり手を伸ばすと帽子に届いた!
「すごい凄い・・・」と歓声が上がり無事諦めていた帽子を取り戻す・・・

そんなエピソードに約10分を要すも思い残すこと無く下山体勢に入る。



全員初登頂の「アンギラス1830m」頂上にて


アンギラス頂上


アンギラス頂上からニセイカウシュッペ山(右側)と大槍(左側)


アンギラス頂上から手前小槍と奥に表大雪を望む


アンギラス頂上から望む平山(1771m)


アンギラスと手前の岩峰を背に帰路の稜線


登り切って比麻奈山頂上です・・・

初体験のハイ松漕ぎ・・・
tejiさんとnikoさんにとっては「ハイ松を漕ぐ」山行は始めての体験だったらしい。
一級国道とは言えnikoさんの足は「青たん菅原」を作る痛い思いをし、これで立派な山ガールに成長した?なんて・・・(ゴメン)
登山道のある山行ばかりなら青たんを作ることも無いだろうが、これから日高の山にも挑戦すれば
ハイ松との付き合い方も勉強?しなければならないので今日はその良い授業だったかも知れないと思えば痛みが和らぐかな?

お二人とも普段は単独行もしているらしく一人歩きが苦手な私から見ると尊敬する山ガールたち
今後の活躍が楽しみな二人だなぁ~と勝手に注目する私だった・・・



下山時の休憩で食べようと思ったパンパンのパン

下山もゆっくりと・・・
リーダーの判断で最後に期待もあった「平山」への登頂は、時間的余裕が無いと断念する事になった。
10月にも入ると陽が短く日没は早い。全員納得の下山である。



最後にもう一度橋渡りを終えて登山口です・・・この橋はまだ工事中でちょっと危険だった


登山口より150m手前にある登山者用駐車場 (下山時撮影)

温泉と食事・・・
10年ほど前には白滝村「白滝グランドホテル」の温泉もあったが、現在は廃業し白滝周辺には温泉が無くなってしまった。
また食事は、無料の高速「旭川紋別自動車道」奥白滝道の駅が営業していれば早い時間なら可能だったが、私たちが寄った
午後5時頃ではすでにオーダーストップの時間だった。

止む無く「自動車道」に乗っかり一旦「愛別」で降りて協和温泉で汗を流そうと決まる。
食事も午後9時までOKという事で入浴後の食事も楽しめました。


もう一つの心配・・・
もう一つの心配は、車のガソリンでした。
札幌から片道約250キロ走れば当然ながら往復500キロ以上の走行となりタンクの残量が気になっていました。
エコカーなら問題ありませんが、ちょっと燃費の悪いハイエースは心配です。
愛別で給油しようと思いましたが閉店していました。高速移動の時は要注意だと教訓です。

結局、途中残量が心配となり西江別インターで降りて24時間営業のセルフスタンドで給油し事なきを得ました。



協和温泉の醤油ラーメン 590円・・・昔風ラーメンで麺の量が多かった。まずまずのお味です。




シゲさんと分け合ったチャーハン 700円

単独行の苦手な私・・・
休日妻のチーヤンと都合が合わない時は山選びにいつも苦労する・・・
と言うより結局一人では行かず家でぶらぶらの一日を過ごす事が多かった・・・

今回の様にHYMLの仲間に連絡を取って「私を山に連れてって」とお願いしたのは珍しい・・・
でも快く承諾を得て連れて行ってくれた事が嬉しくそして楽しかった・・・
持つべき友はHYMLの仲間たちだなぁ~なんて感謝・感激である・・・

シゲさんを始めtejiさん、nikoさん、ありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。またの機会も楽しみにしています。

以上簡単ですがご報告します。