エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

紅葉の十勝岳(2077m)新得コース

2020年10月08日 | 山紀行 (十勝・大雪)
シーズン最後の紅葉狩り?・・・十勝岳(2077m)新得コース
■ 山 行 日    2020年10月7日(水) 日帰り
■ コ ー ス    新得コース(標高1485mまで)
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №30
■ 登 山 形 態     登山道
■ 地 形 図    1/25000地形図 「ペンケベツ」「チカベツ山」「オプタテシケ山」「十勝岳」
■ 三角点・点名   十勝岳三角点無し 標高点のみ
■ コースタイム    登り 2時間25分  下り 2時間05分 (1485mまで)
<登り>
06:45       曙橋林道出合
07:00       トノカリ林道出合
07:30       登山口P帯 曙橋から林道を18.5㎞走る・・・(各所案内標識あり)

07:45       登山開始
08:15       笹藪トンネルから抜ける (C1040付近)
08:50       沢出合
08:58       沢渡渉
09:55       ハイ松のトンネルを出る (C1415付近)
10:10       C1485標高点 賽の河原にて登行中止 (頂上付近吹雪模様の天候)
 
<下り>
10:15       下山開始
12:20       登山口P帯


★ 訳ありのサブ山行・・・
エバ夫婦の未踏1000m超峰シリーズとして
10月5日から2泊3日で計画していた日高のピリガイ山(1167m)とウチイチ山(1021m)。
登山口となる神威山荘手前からシュオマナイ川を渡渉するところから始まるが、ここ2~3日の雨の影響で
増水し,流れも激しく渡渉途中で転倒すれば危険と判断し断念した。「せっかくここまで来て・・」と言う
思いで一日停滞する事や他の変更案も夫婦で協議したが、この2座は一緒に踏破したいと結論を出し帰宅す
ることにした。
因みに神威山荘までの元浦川林道は、10月5日からゲートは施錠されているので入林の際は森林管理署で
入林届を提出し、許可を得なければ通行出来ないので注意したい。

自宅から往復330㎞は空振りに終わり、
夫婦登山№29は幻としてカウントされた・・。

帰宅後にパソコンを開きHYMLのメールを確認すると「十勝岳新得コースの紅葉が素晴らしい」と言う報
告に注視する。大雪山系を中心に2000m級の山々ではすでに冠雪の記録が続く中、もう紅葉は終わりか
と思っていたので、十勝岳新得側の紅葉は気になるところだった。このコースはまだ歩いたこともどこから
どう行くのかも知らず、これを機に調べるキッカケとなった。そして、訳ありのサブ山行として計画を立て
日帰り可能と判断して決行した。


★ 十勝岳新得コース・・・
意外と登られていない新得コース。「北海道夏山ガイド」にも登山口までの案内が掲載されているがここで
も少しだけ。トムラウシ温泉の10㎞ほど手前にある「曙橋」を渡ってすぐ左折する林道に入る。林道出合
には案内板(下の写真参照)があり、十勝岳登山口まで18.5㎞に注視して欲しい。(16.8の数字は秘奥
の滝までの距離を示しているので注意)

出合から4㎞ほど走ると「殿狩橋」を渡ってすぐ林道分岐があり右折する。ここまでの林道が結構な凸凹道
で、気を使った運転で疲れる。林道出合には新しい案内板があるので見落としに注意。右折した林道は「ト
ノカリ林道」で過去トノカリシベツ山に登った時利用した林道だったが、あの時はスキーで歩いた道だ。
進んでいくと林道の分岐の度に案内板があるので、迷うことは無い。従ってどんどん走り18.6㎞で登山
口に着いた。登山口の手前に3~4台駐車出来るスペースが林道脇にあり先行者と思われる車が1台停まっ
ていた。その後ろに駐車して準備を始めた。



「曙橋」を渡ってすぐ左手にある林道出合の看板・・・



★ 笹刈り整備された登山道・・・
日高の山々に登る思いで19㎞の林道を走っても登山口まで車で来られる便利さはありがたいと素直に思う。
そして、登山道入口から笹の覆い被さる道がきれいに刈られていたなら行って見る価値ありのコースだろう。
案の定、濃密な笹はきれいに刈り払いされて歩き易く、足早に歩を進めることが出来た。所々松の大木が点
在する原生林を思わせる不思議な樹林帯も背丈を越えそうな笹は登山者の侵入を拒むキッカケになっていた
かも知れない。贅沢なボヤキだが、笹刈りは全コースではなく、上ホロカ川を渡渉する標高1200m付近
からは未整備だった。その後のハイ松のトンネルや草地ではズボンをビショビショに濡らして歩く事になっ
た。ハイマツ帯を抜けた1400m付近からは岩場に変わり踏み跡と赤いペンキで書かれた〇印を頼らない
と迷いそうな場所もあるのでガスで視界が悪くなると注意が必要だろう。



林道から登山道出合となる登山口・・・


登山口から少し入った左側のエゾ松にも標識があった・・・


笹刈りされた登山道はこんな感じ・・・


所々に紅葉したカエデやナナカマドが出て来て目を楽しませてくれた・・


ずっとこんな道なら文句は無いが・・・


ハイ松のトンネル途中から見えた紅葉にも感動を覚える・・・


一瞬、陽が当たって映えた紅葉は、上ホロカ川の源頭部のようだった・・・


ズームしたがピンボケに映ってしまった・・あの先に十勝岳の頂上部なのだが。

★ 紅葉際立つ上ホロカ川上流・・・
登山開始から1時間ほどの辛抱でようやくハイマツのトンネルを抜けて上ホロカ川支流に降り始めた。
沢は緑と赤とオレンジと黄色に囲まれた別世界に飛び込んで来たかと錯覚する美しさだ・・・
登山道は最初沢の右岸を通りやがて左岸に飛び越える。沢は細いが水量は多く清流だった。
左岸に渡り小さな尾根を越えると上ホロカ川本流に出た。渓相が一変し地肌剥き出しの沢で上流に滝も見えた。
滝の下部で対岸の尾根に取付き、再びハイマツのトンネルに突入する。尾根に少し登ったところに絶景ポイン
トがあり、暫し沢の紅葉を上から見下ろした。



真赤に色づいたナナカマドの木・・・


上ホロカ支流の小沢と紅葉・・・




まるで庭園の中を散策している楽しい場所だった・・・





















★ 上ホロカ川本流の紅葉・・・
ピンボケ写真も多いが、言葉はいらない見事な紅葉だった・・・。


上ホロカ川本流出合から上流を望む紅葉の景色









★ ビューポイント・・・
上ホロカ川本流に出ると左岸側に踏み跡とペンキの〇印があり見逃さないよう辿りながら徐々に尾根に取付
いていく。ハイマツのトンネルに入る前に本流全体を見下ろせる絶景ポイントがあり、足が止まった。



上ホロカ川本流左岸の尾根から見下ろす絶景・・・


更に登ったところから境山方面を望む

★ 第一お花畑と言うよりも・・・
再度、ハイマツのトンネル歩きには深い溝が伴って歩きにくさを強調したいが、暫しの辛抱で抜けると景色
が一変する。ここは1400m付近の第一お花畑と呼ばれる広場だが、この時期目立つ花はほとんど見つか
らなかった。草地で踏み跡も少し不明瞭、急斜面の岩場を50~60m登るが赤いペンキ印が無ければ迷う
場面だった。登り切ると地肌が露出した岩場の広場だが、私には「賽の河原」かと思わせる寂しく悲しい場
所にも見えるところだった。地形図上の1485m標高点付近で雨が本降りかと思ったら次にアラレが降り
出し、最後に雪が降って来た。上部は正に嵐を思わせる厚い雲に覆われて何も見えない。私たちを後方から
抜いていった若者は更に上を登って行き姿が見えなくなったが、私たちはとても行く気になれずここで登行
を中止することにした。

この上の状況は不明だが、ガイドブックによるとハイマツの墓場と呼ばれる広い尾根や第二のお花畑もある
ようで、次は花の時期に再訪したいと思った。そしてその先は白金温泉望岳台から登るグランドコースから
登った時に目にする火山帯の殺伐とした風景に変わって頂上を目指すことになるだろうと想像する。





本日の最終地点 C1485標高点で登行中止・・・頂上部は吹雪を想像する荒れ模様

★ 満足の紅葉狩り・・・
登り2時間30分、距離は4.5㎞程だろうか?全長8㎞のコースらしいのでまだ半分の地点だが、紅葉狩
りには、丁度良い距離で十分楽しむ事が出来満足している。ピークハントとは違う目的で訪れる事は珍しい
パターンだが、これからこんな登山も増えるのかな?と山を楽しみたいものだ。



ハイマツのトンネルもこんな場所なら良いのだが・・・

★ 復路・再び紅葉を楽しんで・・・
雨・アラレ・雪の1500m地点から登行を中止して下山を開始し、少し降りただけで明るい日差しと小雨
に変わる。天候次第で十勝岳の登頂も視野に行けてはいたが今回は「紅葉狩り」だけの登行だった。
時間に余裕も出来たので復路では再び紅葉を楽しみながら、その光景を目に焼き付けることにした。















登山口の駐車帯はこんな感じ。ギリギリ4台の駐車が可能かと。

★ 締めは、くったり温泉・・・
下りも約2時間ほど掛けて無事登山口に着いた。
途中で、登ってくる若者と挨拶をし、今日のパーティーは4組5人だねと話していたが、登山口にあった車
は3台で計算が合わない。朝先行者と思われるパーティーには出会っていないし、私たちの後方から抜いて
いった若者は上を目指したのでそれ以降会っていない。そして、下山時に出会った若者が居たのだから車は
4台あるはずなのに3台とは?・・・どう考えれば良いのだろう。まさか19㎞の林道を歩いて来たのだろ
うか?考えると寝れなくなるので・・・

帰路は、まっすぐ「くったり温泉」で汗を流し、狩勝峠・トマム経由で帰宅した。
往復400㎞も早出で日帰り出来て何よりの山行だった。


※ 10月13日ようやくアップ終了です・・・。