エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

29年振りの銀泉台、赤岳~緑岳へ

2022年09月09日 | 山紀行 (十勝・大雪)
29年ぶりの銀泉台に再訪・・・
赤岳(2079m)小泉岳(2158m)緑岳(松浦岳)(2020m)
■ 山 行 日      2022年09月08日(木) 日帰り (前泊 層雲峡駐車場)
■ コ ー ス      銀泉台コース
■ メ ン バ ー       夫婦登山 №18
■ 登 山 形 態       登山道
■ 地 形 図      1/25000地形図 「層雲峡」「白雲岳」
■ 三角点・点名     赤岳 二等三角点 点名「幌加石狩岳 ホロカイシカリダケ」
             小泉岳は、山名と標高点のみ 三角点無しも「大石狩」
             緑岳 三等三角点 点名「南大石狩 ミナミオオイシカリ」

■ コースタイム     登り 3時間45分   下り 3時間20分
<登り>
05:35             銀泉台駐車場出発
06:10             第一花園
06:50             コマクサ平
07:55~08:05       赤岳 (2079m) 頂上
08:30             小泉岳分岐
08:35             小泉岳 (2158m)頂上・・強風
09:05             白雲小屋分岐
09:20             緑岳 (松浦岳)(2020m)

<下り>
09:50             下山開始
10:30~40          小泉岳・・頂上写真撮り直し
11:05~10          赤岳
12:10~20          コマクサ平・・休憩
12:45             第一花園
13:10             銀泉台駐車場



GPS軌跡を元に地形図に移行したルート図です・・

★ 未踏1000mシリーズ・・・
台風11号の通過で前夜の自宅は強風雨だったが、朝になって嘘のように風が無くなった。
そして、7日から3日間台風一過で全道的な晴れ予報。更に夫婦の休日と久々のマッチングである。
そうなるとちょっと興奮気味も未踏峰の選択を冷静に吟味する事にした。

9月に入りチラホラ大雪山の紅葉情報が届くようになる。その中で一番早く色づく山が「緑岳」と
知りチーヤンが未踏である事からこの山に決めた。この山だけなら高原温泉からの往復が一番近い
のだが、ふと「銀泉台」が目に止まる。あれは1993年( H5) 9月の事、登山を始めてまだ2年
目で職場の先輩に連れられて娘と妻の3人で参加した初めての赤岳だった。

あれからもう29年かぁ~と懐かしい思い出が蘇るようだ。私自身はあの後2000年7月に山岳
会の仲間と大雪山を縦走していてこの3座を再訪しているが、チーヤンにとって赤岳は29年振り
そして小泉岳と緑岳は未踏峰の挑戦だった。近くには「東岳」「烏帽子岳」「五色岳」「小白雲岳」
など私自身の未踏峰もあり、今春もその機会を伺ってはいたが決行に至っていないのが現状である。
それらの山も意識して快晴の大雪山へ臨む事にした。

★ トイレ故障?・・・
【9月7日 (水) 】
移動日。自宅を10時出発、層雲峡温泉には14:40に着く。(途中寄り道あり)
いつもの層雲峡駐車場に入り、いつもの駐車場所を陣取る。時間が早いので温泉街の散歩と称すも
駐車場出口にあるトイレの張り紙に唖然。「トイレ故障」である。代替えとして、黒岳の湯1Fに
あるコミュニティーセンターのトイレとバスセンターのトイレを使用して下さいと案内があったの
で、散歩の途中でそれぞれ確認した。しかし、層雲峡駐車場からそれなりの距離があるので、黒岳
の湯前にある別の駐車場に移動し、ここで車中泊する事にした。ここも無料の層雲峡駐車場だった。

散歩の途中で立ち寄ったロープウェイで乗る予定もあったが、リフト込み往復3,000円と知り
あっさりと諦める。層雲峡神社でのお参りし、セコマで買い出し、温泉に入るが生ビールは定休日
でお休み。車に戻り早々、明日の成功と今日の安着で「乾杯!」。

パソコンを持参して来たのは、ファイターズの野球観戦のためだったが、途中で寝てしまった・・。
(結果は、日本ハム 3:2 オリックス)

【9月8日 (木) 】満天の星⇒快晴
3時起床。先ずは黒岳の湯1Fのトイレを使おうと行くが入口は閉まって開かなかった。仕方なく
バスセンタートイレまで車で移動。トイレでの用は済ませた。そして、そのまま銀泉台まで向かう
事にし、現地で朝食を取る事に変更。

銀泉台林道出合から約14kmの林道が意外と長く感じたが、ゆっくり30分ほどで駐車場に着く。
途中何度も鹿と遭遇も衝突の危機は無かった・・。気温は7℃、数台の車がすでに駐車していたが
登山口に近い場所を陣取る。早々コーヒーを落とし、朝食をとりながら着替えも済ませて準備は整
った。


★ これ以上ない快晴の出発!・・・
駐車場からご来光を仰ぎ、気持ち良い朝を迎える。
銀泉台事務所にある登山届に記入。本日2番目で1番の方は3:00出発とあった。

5:35出発。
雲一つない青空、澄んだ空気、気持ち良い風と正に登山日和である。
29年前がどうだったのかまったく記憶に残っていないが、チーヤンは天気は良くなかったとと当
時を思い出していた。

最初は林道のような道からスタートし、すぐに二股となる。左の細い道が近道のようなので左へ。
ちょい急登もすぐに林道に出合うメガネ道だった。その後、本来の登山口がありいよいよ登山開始
となる。



本来の登山口と思われる看板にて・・・


「見晴台」から望む1600m付近の東斜面の紅葉・・・


同付近にて




東大雪方面・・・


「第二花園」入口も花期の最盛期はすでに終えていてまるでロックガーデンの風景


「奥の平」付近から望む東岳(2066m)と前方のコマクサ平を展望


見事な紅葉の「ウラシマツツジ」


花期を終えた「チングルマ」の綿毛

★ 29年ぶりの赤岳 (2079m) ・・・
07:55 赤岳到着。(ここまで2時間20分は標準タイムより少し速い・・)
途中のどの場所も昔の記憶は戻らなかった・・チーヤンが言っていた通り天気が良くなかったせい
で景色が見られなかったのだろうか?ただ、頂上標識と大きな岩場だった事は覚えていて、このア
ングルで写真を撮った事も覚えている。

三脚を立てて撮ったが、強風であわや倒れる寸前でシャッターが切れてセーフ。
着いた時は貸切だったが、後続組が何組か登って来ていた・・。早々、小泉岳へ向かうが先行して
いる組のほとんどは白雲岳を目指していたようで、誰にも会わず終いだった。なにも無い吹きさら
しの場所で風は一層強くすぐにウインドパーカーを着る。

往路の小泉岳では、強風で三脚が使えなかったので記念写真は、自撮りしたが復路で風が収まった
ので改めて撮り直した。



夫婦共に29年ぶりの再訪となった「赤岳 (2079m) 」・・少しずつ当時が蘇るようだった。


赤岳からの眺望。


赤岳から約25分で「小泉分岐」ここが小泉岳ではなかった・・・


「小泉岳 (2158m) 」チーヤン初登頂。復路で撮影・・


白雲岳を背景に「小泉岳」・・・復路で撮影。

★ 大雪山で散歩する気分・・・
小泉分岐から5分ほどで頂上に着く。まったくピーク感の無い頂上で周りは吹きさらしの場所だっ
た。一応、今日のコースでは最高峰でありチーヤンの初登頂を祝う。強風だったので三脚は使えず
スマホで自撮りするが、復路で撮り直した。

赤岳から緑岳へ向かうコースは、私自身も始めてでありガスっていたら迷いそうな登山路だった。
しかし、今日はまさに晴天、強風は嘘のように治まりパーカーをすぐに脱いだ。360度の絶景を
望みながら散歩気分で歩く夫婦。こんな贅沢な登山は初めてかも知れない。



小泉岳から緑岳に向かう登山路。前方にトムラウシ山を望みながら歩く・・・


広大な大雪山を見渡す風景に感動しながら歩く・・・


標高2099からの下りで見え始める白雲岳避難小屋と白雲岳の全容景色・・・


避難小屋分岐


ついに到着!  「緑岳 (松浦岳)(2020m) 」チーヤン初登頂だぁ~・・・


緑岳からの眺望、高原温泉の空沼や高原沼なども確認出来た・・・


緑岳から望む 白雲岳と白雲岳避難小屋


緑岳から望む 高原温泉方面と石狩岳連山 二ペソツ山も確認出来た!

★ 65歳、緑岳のパフォーマンス・・・
とにかくマイペース。ゆっくりのんびり歩く事をモットーに歩を進める。
後続組に何組も抜かれても動じることなくマイペース・・。「きっと遅いんだろうなぁ~」と思い
つつ緑岳の到着タイムは9:20だった。つまり銀泉台から休憩込みで3時間45分のコースタイ
ムは、標準タイムより僅かに速い。確かに若いハイカーには敵わないが、まったくダメなタイムで
無かった事にホッとしている。

最終目的地に着いてより一層気分爽快!
この天気、この眺望、この気分・・・更にチーヤンの未踏峰2座を踏破。長い夫婦登山の中でもこ
れほど条件が揃った山行は初めてかも知れない。

貸切の緑岳では柄にも無く、65歳夫婦のパフォーマンスで喜びを表現して見た。
すぐに後続者の登頂もあったが、なんにも気にする事なく久しぶりにまったりとした頂上を楽しん
だ。



緑岳にて・・65歳夫婦の喜びパフォーマンス!




「緑岳 (松浦岳)(2020m) 」チーヤン初登頂、エバ22年振り3回目の登頂。



★ 下りも楽しいなんてそうなぃ・・・
台風一過の快晴、余裕の前泊そして早朝出発にのんびり登行・・・
一時的な強風の体験はしたものの9月の大雪山系でこれだけ条件の揃った天候に恵まれて登るのは
稀かも知りない。それだけに敢えて急いで登る事も無かったし、下りも景色を楽しみながらマイペ
ースで降りる事も楽しいものだった。

登山路の無い未踏の「東岳 (2066m) 」と「烏帽子岳 (2072m) 」に注視してどう登ろうか?と目視
で偵察。赤岳と小泉岳の中間からなら距離は約800m、標高差はほとんどなくこの時期でも簡単に
登頂出来る事は確認出来た。しかし、花期を終えたとしても路外の踏み出しはルール違反と思えば
足は止まる。はやりここは残雪期かぁ~とちょっと近くて遠いピークを望んだところだ。

気持ちは切り替えて、目線は下りの紅葉。ウラシマツツジやナナカマドの紅葉も場所により彩画が
違う。それでも充分・・・日本一早い紅葉を独り占めするように贅沢な山行だと目に焼き付けなが
ら歩いている。



赤岳から望む 未踏「烏帽子岳」


「さよなら 赤岳」・・また来るか来ないか?




未踏「東岳」・・必ず登るぞ待ってろよ!なんて。


ナナカマドの紅葉


チングルマの紅葉


東平からの下り・・・


奥の平を見下ろす・・・その向こうはコマクサ平


ナナカマドの実

★ ありがとう! NPO かむい様・・・
なかなか進まなかった登山道整備の活動。行政側の動きは今でも鈍いのはお金と人材不足が大きな
要因なのかも知れないが、それを助けるものはいつもボランティアに汗するNPOの方々。
その中でも大雪山系の自然と登山道整備に立ち上がったNPO法人かむいの取り組みには注目であ
るし、ようやく行側も協力する体制にはなりつつあるようだ。それでも人手不足は変わらずボラン
ティアを申し出てくれる方々が居て成り立つ活動だと感謝している。

身近なところでも同じような問題・課題がある昨今の登山道整備だけに、いつも注視しつつ参加協
力に至れないところがもどかしい・・。

山に登る度に整備されたところとそうでないところに遭遇して、登れる事への感謝と少しでも役に
立てるならの心構えは持っているつもりである。今回が余りにも素晴らしい山行であったが故その
有難さが身に染みた夫婦登山だった・・。



整備された登山路にはいつも感謝しかない・・・


1600m付近の東斜面の紅葉再び・・・


銀泉台事務所に戻り、登山届の下山報告をしようと思ったが書いたページが抜き取られていた