エバ夫婦未踏1000m超峰シリーズ① 2021
リトライ成功も・・ピシカチナイ山 (1308m)・・最高点は1320m岩峰
■ 山 行 日 2021年2月09日(火) 日帰り
■ ル ー ト 鹿追オソウシ林道~C700付近取付き南東尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №7
■ 登 山 形 態 山スキー
■ 地 形 図 1/25000地形図 「然別湖」「ニペソツ」
■ 三角点・点名 二等三角点 点名「菱勝内山 ピシカツナイヤマ」
■ コースタイム 登り 5時間45分 下り 2時間45分
<登り>
08:40 オソウシュダム入口 オソウシ林道最終除雪地点 出発
09:30 1/25撤退地点(スタートから2.6㎞)
10:10 オソウシュ川に架かる橋を渡る(スタートから4.2㎞)
10:15 C700付近から北斜面取付き(作業道跡の痕跡)
11:08~15 C915作業道跡にて休憩
12:10 C1050付近の南東尾根上
12:50 1122ポコ
14:25 ピシカチナイ山(1308m)頂上
<下り>
14:35 下山開始
16:05 オソウシ林道出合
17:20 駐車地
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GPSログを元に地形図に移行したルート図です・・・
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頂上手前のルート図をズームしました
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オソウシ林道を歩き始める・・・
★ ピシカチナイ山・・・
ピシカチナイ山は東大雪南部・然別湖周辺の1300m級の山である。
頂上から派生する南北に延びた長い稜線上の山で、その南端の山になる。主稜線を辿る北東には然別山(1264m)
があり、その先には上然別山(1370m)更に丸山(1692m)や二ペソツ山(2012m)と続く。 東には然別湖周辺の東ヌ
プカウシヌプリ、西ヌプカウシヌプリを始め、南ペトウトル山、白雲山、天望山など1000m級の山々が点在
している。
登山道は無く、登頂には沢登りか積雪期の二者択一が考えられるが、山行記録を見る限りピシカチナイ川を遡行
するルートが多く、積雪期の記録は極稀であった。どちらの山行も概ね鹿追町北瓜幕にある鹿追自然ランド手前
からオソウシ林道に入り、3㎞ほど先にある「オソウシュダム」を経由するルートが多いと思う。ダムのあるオ
ソウシュ川沿いにオソウシ林道があり、300~400m先にダム湖からの支流ピシカチナイ川沿いの林道がオ
ソウシ支線林道である。昔の登行記録では、支線林道を車で走る事が出来たようだが、現在は出合にゲートがあ
り施錠されていた。それはオソウシ林道も同じである。夏季の状況は未確認なのでゲートや林道の状態は不明で
ある事を追記したい。
登行稀な積雪期を選んだのは、唯一ヒットした1月の山行記だった。2017年1月3日のヤマレコにアップさ
れたaofukurohさんの記録に触発されてしまった。 見つけたのが同じ1月と言う事もあり是非挑戦したくなった
のだ。
そして、出掛けたのが1月25日。連日の快晴日が続く良き日にスノーシューのみを装備して出発した。
最初は林道上にスキーのトレースがあり、ありがたく利用させて貰ったがこのトレースはハンターと思われるも
ので、途中から引き返していた。その後はノートレースで体重の重たい私が一歩踏み出すと膝下まで埋まり足を
上げる度に息も上がる始末。一方、体重の軽いチーヤンはスタスタとさほど埋まる事無く順調に歩くから、私と
の距離はどんどん離れて行った。暫く我慢しながら歩いていたが、約1時間半2.6㎞のところで立ち止まり、
決断する。林道の残りはあと1.5㎞、積雪は更に深くなりこのままでは林道だけで体力が無くなると思った。
そして林道だけで、もし3時間も掛かってしまえば、急斜面に取り付いたとしても標高差300mを登れる自信
も無く、途中でタイムアウトになる事は歴然だった。悔しいが、装備選択のミスで敗退してしまった。
★ リトライは早く・・・
1/25の失敗を後に、リトライは早い時期にと思っていた。早々1月末にも計画を組んだが、天候が悪く中止。
2月に入って6日か7日と決めたが、チーヤンの勤務変更と孫たちの来家でまたまた中止になる。この程度の中
止はよくある事で、「また行ける時に行けば良いしょ!・・」と言うのがエバ夫婦スタイルである。
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スタートから約4.2㎞歩いて取付き点となる北東斜面を写す・・・
★ スキーは最強のアイテム・・・
意を決して・・・と言う訳では無いが、天気予報と睨めっこしながらこの日の決行を決める。
今度は、スキーを基本に一応スノーシューも積んで出発した。現地の状況に寄りスノーシューを背負う事も視野
に入れてはいたが、ほとんどスキーオンリーと決めていた。
道中の日勝峠では風が強く吹雪模様だった。ちょっと心配もしたが、十勝側の晴れ予報を信じて峠を降りる。
ずっと風は強かったが、現地到着時は青空も覗く登山日和と見た。しかし、非常に寒く最初から手がかじかんで
後に二人とも指は軽い凍傷になってしまった・・・。
前回と同じオソウシュダムの入口出合となる最終除雪地に駐車する。早々に準備して8:40にスタートした。
前回のトレースはすでに消えていたが、新たにスキーのトレースが付いていて驚いた。多分ハンターだろうと思
いつつ、今回も拝借して楽をする。もちろんラッセルは無いので早い。1/25の引き返した2.6㎞地点まで
1時間30分掛かったものが、約50分で通過したし、橋を渡る約4.2㎞地点まで1時間30分だったのでス
キーの威力は絶大だ。スキーのトレースは途中3㎞地点で引き返していたが、その後も埋まる事無く軽いラッセ
ルでスピードは変わらなかった。
10:15頃、林道を離れいよいよ北東斜面に取り付く。そこには作業道跡と思われる痕跡があり、積雪があっ
てもなんとなくわかる場所だった。躊躇なく取り付くと作業道跡は高度を上げながら延びていた。最初作業道は
頂上と反対方向に延びていたが、800m手前の尾根付近から折り返し、また高度を上げながら頂上方向に延び
ていたので利用する。地形図上の1027稜線に登るには、直登した方が早いのだが、斜度は急で松の密林地帯
だから利用出来る道の方が得策である。廃道化した作業道には松の若木も生えていて完全に道を塞いでいる場所
もあった。それでも1000m付近まで作業道跡を利用出来たので助かった。
1000m付近から作業道跡が途切れたので止む無く直登するも松の密林は無く、白樺の木に変わって50m程
登ると1050付近の平らな稜線に着いた。12:10だった。
★ 体力の衰え実感・・・
取付きから標高差約300mの登行に作業道跡を利用しながら約2時間も掛かってしまった。
更に稜線上も一部痩せ尾根でアップダウンが多く難儀する。そして、頂上稜線まで100mの登りが最後だった
が、ここですっかりバテテしまったのは私だ。10歩登っては足が止まりゼィーゼィーと荒息を吐く。胸が苦し
くて息を吸い込むと右の肺が痛く感じていた。手の指は冷たく感覚がなくなるから写真を撮る余裕はもう無い。
先行してくれているチーヤンもその度に足を止め私を見守る視線を感じた。「ここで止めても良いよ・・」と優
しきお言葉。心境的には甘えて「止めよう・・」と喉まで出掛かっていた。時間的にも余裕が無く登行の限界を
13時とするか14時とするかで協議する。13時はもうすぐだった・・・。
ここまで来て「登行中止」となれば、再度のリトライが私たちに課せられる。
しかし、「止めたらもう二度と来ないだろう」と言う思いは二人とも直感していて、諦め切れないのは共通して
いた。情けないほど体力の衰えを実感しつつも、頂上まであと300mと分かっているので頑張るしかなかった。
最強のスキーだから下りは2時間で林道まで降りれるだろう。明るい内に林道まで降りられれば後は帰れる。
だから上を目指そうと決めた。手が冷たくGPSを確認する余裕も無く頂上尾根に出たらそこが頂上だと思い込
み、一時は「やったー!」と喜んでしまった。しかし、確認すると西に方向を変えてもう少し先だった。
もう14時をとっくに過ぎていた・・・。
あと100mはあるだろうが、ここまで来れば行くしかない。
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本来の頂上にチーヤンが立つ・・・私はツボ足でも股下まで埋まり登れなかった
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2/9 ピシカチナイ山(1308m)初登頂 疲れ切って情けない顔の私・・・
★ 涙の登頂劇・・・
14:10頃だったと思う。
頂上手前の痩せ尾根で少し窪んでいる場所に着き、GPSを出す。頂上三角点はほんの少し前だった。
しかし、左右切れ落ちた痩せ尾根のコブを上がらなくてはならないが、到底スキーでは無理だった。なのでス
キーを脱ぎ、ツボ足で登ろうとするが私は股下まで足が埋まり登るには時間が掛りそうだった。軽いチーヤン
なら大丈夫だろうと登ると淡々と登ってしまった。しかし、そこからも西にある最高点の尖峰は、頂上の松の
木が邪魔になって見えないと言う。せめてその写真だけでも撮って欲しかったが仕方なかった。
降りて来て始めて「初登頂」とし、辛くしんどかった登頂劇に涙がこぼれそうだった・・・。
風の強い中、登頂写真だけは三脚を立てて撮った。もっと周りの景色や山座同定もしたかったが、なにせ時間
オーバーだった。心残りも登頂した事を良しとしすぐに下山を開始した。
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頂上から撮った唯一の写真は、南側の鹿追町方面を望む景色だ・・・
★ 日没の下山・・・
14:35 下山開始。
予測した2時間で林道まで降りられれば16:30頃でまだ明るいだろう。そこから再び4.2㎞の林道を約1
時間30分スキーを滑らせ18時前には車に戻れる計算で下山を急いだ。スキーのシールは付けたままだが、登
りでは使えなかった急斜度のトラバースも下りでは使えた。1122のポコにも登らず、南側の急斜面をトラバ
ース気味に回り込みC1050付近のトレースに合流した。その後も登りのトレースを見失わないようにスキー
を滑らせ作業道跡からの下りは早かった。結果、林道出合まで1時間30分で降りる事が出来、無事の下山を確
信して安堵する。
18時頃を予測していたが、下りの林道はトレースに乗るとシールを付けたままでも多少走り時間を短縮出来た。
17時を過ぎた頃から周りは暗くなり始めたが、雪明りでトレースははっきりと見えていたので安心だった。
17:20 無事下山し車に着いた。

帰路、1027手前の稜線上で撮った写真・・・
★ なんとか最初の一座を踏破・・・
厳冬期の1000m峰は、やはり楽では無かった。夏のルートを止めて冬のルートにしたのも厳しさを増してし
まったが、夫婦登山であればこその無理も許される山行だったと思う。以前にも下りで日没を迎え真っ暗な林道
を月明りだけで下山した事があった。それは、危険を回避出来る林道まで明るい内に降りれる自信があっての判
断で、「無理をしない」「ダメなら戻る」という安全登山のエバ夫婦にあってはならない行為だが、山中何が起
こるか分からない登山でも無理の利く、安全下山の確信が持てれば許される夫婦登山なのかも知れない。
2021年となり、未踏1000m超峰への挑戦は進行形。ようやく最初の一座を踏破出来、良き弾みになる事
を願うばかりだ。
リトライ成功も・・ピシカチナイ山 (1308m)・・最高点は1320m岩峰
■ 山 行 日 2021年2月09日(火) 日帰り
■ ル ー ト 鹿追オソウシ林道~C700付近取付き南東尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №7
■ 登 山 形 態 山スキー
■ 地 形 図 1/25000地形図 「然別湖」「ニペソツ」
■ 三角点・点名 二等三角点 点名「菱勝内山 ピシカツナイヤマ」
■ コースタイム 登り 5時間45分 下り 2時間45分
<登り>
08:40 オソウシュダム入口 オソウシ林道最終除雪地点 出発
09:30 1/25撤退地点(スタートから2.6㎞)
10:10 オソウシュ川に架かる橋を渡る(スタートから4.2㎞)
10:15 C700付近から北斜面取付き(作業道跡の痕跡)
11:08~15 C915作業道跡にて休憩
12:10 C1050付近の南東尾根上
12:50 1122ポコ
14:25 ピシカチナイ山(1308m)頂上
<下り>
14:35 下山開始
16:05 オソウシ林道出合
17:20 駐車地
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GPSログを元に地形図に移行したルート図です・・・
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頂上手前のルート図をズームしました
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オソウシ林道を歩き始める・・・
★ ピシカチナイ山・・・
ピシカチナイ山は東大雪南部・然別湖周辺の1300m級の山である。
頂上から派生する南北に延びた長い稜線上の山で、その南端の山になる。主稜線を辿る北東には然別山(1264m)
があり、その先には上然別山(1370m)更に丸山(1692m)や二ペソツ山(2012m)と続く。 東には然別湖周辺の東ヌ
プカウシヌプリ、西ヌプカウシヌプリを始め、南ペトウトル山、白雲山、天望山など1000m級の山々が点在
している。
登山道は無く、登頂には沢登りか積雪期の二者択一が考えられるが、山行記録を見る限りピシカチナイ川を遡行
するルートが多く、積雪期の記録は極稀であった。どちらの山行も概ね鹿追町北瓜幕にある鹿追自然ランド手前
からオソウシ林道に入り、3㎞ほど先にある「オソウシュダム」を経由するルートが多いと思う。ダムのあるオ
ソウシュ川沿いにオソウシ林道があり、300~400m先にダム湖からの支流ピシカチナイ川沿いの林道がオ
ソウシ支線林道である。昔の登行記録では、支線林道を車で走る事が出来たようだが、現在は出合にゲートがあ
り施錠されていた。それはオソウシ林道も同じである。夏季の状況は未確認なのでゲートや林道の状態は不明で
ある事を追記したい。
登行稀な積雪期を選んだのは、唯一ヒットした1月の山行記だった。2017年1月3日のヤマレコにアップさ
れたaofukurohさんの記録に触発されてしまった。 見つけたのが同じ1月と言う事もあり是非挑戦したくなった
のだ。
そして、出掛けたのが1月25日。連日の快晴日が続く良き日にスノーシューのみを装備して出発した。
最初は林道上にスキーのトレースがあり、ありがたく利用させて貰ったがこのトレースはハンターと思われるも
ので、途中から引き返していた。その後はノートレースで体重の重たい私が一歩踏み出すと膝下まで埋まり足を
上げる度に息も上がる始末。一方、体重の軽いチーヤンはスタスタとさほど埋まる事無く順調に歩くから、私と
の距離はどんどん離れて行った。暫く我慢しながら歩いていたが、約1時間半2.6㎞のところで立ち止まり、
決断する。林道の残りはあと1.5㎞、積雪は更に深くなりこのままでは林道だけで体力が無くなると思った。
そして林道だけで、もし3時間も掛かってしまえば、急斜面に取り付いたとしても標高差300mを登れる自信
も無く、途中でタイムアウトになる事は歴然だった。悔しいが、装備選択のミスで敗退してしまった。
★ リトライは早く・・・
1/25の失敗を後に、リトライは早い時期にと思っていた。早々1月末にも計画を組んだが、天候が悪く中止。
2月に入って6日か7日と決めたが、チーヤンの勤務変更と孫たちの来家でまたまた中止になる。この程度の中
止はよくある事で、「また行ける時に行けば良いしょ!・・」と言うのがエバ夫婦スタイルである。
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スタートから約4.2㎞歩いて取付き点となる北東斜面を写す・・・
★ スキーは最強のアイテム・・・
意を決して・・・と言う訳では無いが、天気予報と睨めっこしながらこの日の決行を決める。
今度は、スキーを基本に一応スノーシューも積んで出発した。現地の状況に寄りスノーシューを背負う事も視野
に入れてはいたが、ほとんどスキーオンリーと決めていた。
道中の日勝峠では風が強く吹雪模様だった。ちょっと心配もしたが、十勝側の晴れ予報を信じて峠を降りる。
ずっと風は強かったが、現地到着時は青空も覗く登山日和と見た。しかし、非常に寒く最初から手がかじかんで
後に二人とも指は軽い凍傷になってしまった・・・。
前回と同じオソウシュダムの入口出合となる最終除雪地に駐車する。早々に準備して8:40にスタートした。
前回のトレースはすでに消えていたが、新たにスキーのトレースが付いていて驚いた。多分ハンターだろうと思
いつつ、今回も拝借して楽をする。もちろんラッセルは無いので早い。1/25の引き返した2.6㎞地点まで
1時間30分掛かったものが、約50分で通過したし、橋を渡る約4.2㎞地点まで1時間30分だったのでス
キーの威力は絶大だ。スキーのトレースは途中3㎞地点で引き返していたが、その後も埋まる事無く軽いラッセ
ルでスピードは変わらなかった。
10:15頃、林道を離れいよいよ北東斜面に取り付く。そこには作業道跡と思われる痕跡があり、積雪があっ
てもなんとなくわかる場所だった。躊躇なく取り付くと作業道跡は高度を上げながら延びていた。最初作業道は
頂上と反対方向に延びていたが、800m手前の尾根付近から折り返し、また高度を上げながら頂上方向に延び
ていたので利用する。地形図上の1027稜線に登るには、直登した方が早いのだが、斜度は急で松の密林地帯
だから利用出来る道の方が得策である。廃道化した作業道には松の若木も生えていて完全に道を塞いでいる場所
もあった。それでも1000m付近まで作業道跡を利用出来たので助かった。
1000m付近から作業道跡が途切れたので止む無く直登するも松の密林は無く、白樺の木に変わって50m程
登ると1050付近の平らな稜線に着いた。12:10だった。
★ 体力の衰え実感・・・
取付きから標高差約300mの登行に作業道跡を利用しながら約2時間も掛かってしまった。
更に稜線上も一部痩せ尾根でアップダウンが多く難儀する。そして、頂上稜線まで100mの登りが最後だった
が、ここですっかりバテテしまったのは私だ。10歩登っては足が止まりゼィーゼィーと荒息を吐く。胸が苦し
くて息を吸い込むと右の肺が痛く感じていた。手の指は冷たく感覚がなくなるから写真を撮る余裕はもう無い。
先行してくれているチーヤンもその度に足を止め私を見守る視線を感じた。「ここで止めても良いよ・・」と優
しきお言葉。心境的には甘えて「止めよう・・」と喉まで出掛かっていた。時間的にも余裕が無く登行の限界を
13時とするか14時とするかで協議する。13時はもうすぐだった・・・。
ここまで来て「登行中止」となれば、再度のリトライが私たちに課せられる。
しかし、「止めたらもう二度と来ないだろう」と言う思いは二人とも直感していて、諦め切れないのは共通して
いた。情けないほど体力の衰えを実感しつつも、頂上まであと300mと分かっているので頑張るしかなかった。
最強のスキーだから下りは2時間で林道まで降りれるだろう。明るい内に林道まで降りられれば後は帰れる。
だから上を目指そうと決めた。手が冷たくGPSを確認する余裕も無く頂上尾根に出たらそこが頂上だと思い込
み、一時は「やったー!」と喜んでしまった。しかし、確認すると西に方向を変えてもう少し先だった。
もう14時をとっくに過ぎていた・・・。
あと100mはあるだろうが、ここまで来れば行くしかない。
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本来の頂上にチーヤンが立つ・・・私はツボ足でも股下まで埋まり登れなかった
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2/9 ピシカチナイ山(1308m)初登頂 疲れ切って情けない顔の私・・・
★ 涙の登頂劇・・・
14:10頃だったと思う。
頂上手前の痩せ尾根で少し窪んでいる場所に着き、GPSを出す。頂上三角点はほんの少し前だった。
しかし、左右切れ落ちた痩せ尾根のコブを上がらなくてはならないが、到底スキーでは無理だった。なのでス
キーを脱ぎ、ツボ足で登ろうとするが私は股下まで足が埋まり登るには時間が掛りそうだった。軽いチーヤン
なら大丈夫だろうと登ると淡々と登ってしまった。しかし、そこからも西にある最高点の尖峰は、頂上の松の
木が邪魔になって見えないと言う。せめてその写真だけでも撮って欲しかったが仕方なかった。
降りて来て始めて「初登頂」とし、辛くしんどかった登頂劇に涙がこぼれそうだった・・・。
風の強い中、登頂写真だけは三脚を立てて撮った。もっと周りの景色や山座同定もしたかったが、なにせ時間
オーバーだった。心残りも登頂した事を良しとしすぐに下山を開始した。
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頂上から撮った唯一の写真は、南側の鹿追町方面を望む景色だ・・・
★ 日没の下山・・・
14:35 下山開始。
予測した2時間で林道まで降りられれば16:30頃でまだ明るいだろう。そこから再び4.2㎞の林道を約1
時間30分スキーを滑らせ18時前には車に戻れる計算で下山を急いだ。スキーのシールは付けたままだが、登
りでは使えなかった急斜度のトラバースも下りでは使えた。1122のポコにも登らず、南側の急斜面をトラバ
ース気味に回り込みC1050付近のトレースに合流した。その後も登りのトレースを見失わないようにスキー
を滑らせ作業道跡からの下りは早かった。結果、林道出合まで1時間30分で降りる事が出来、無事の下山を確
信して安堵する。
18時頃を予測していたが、下りの林道はトレースに乗るとシールを付けたままでも多少走り時間を短縮出来た。
17時を過ぎた頃から周りは暗くなり始めたが、雪明りでトレースははっきりと見えていたので安心だった。
17:20 無事下山し車に着いた。
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帰路、1027手前の稜線上で撮った写真・・・
★ なんとか最初の一座を踏破・・・
厳冬期の1000m峰は、やはり楽では無かった。夏のルートを止めて冬のルートにしたのも厳しさを増してし
まったが、夫婦登山であればこその無理も許される山行だったと思う。以前にも下りで日没を迎え真っ暗な林道
を月明りだけで下山した事があった。それは、危険を回避出来る林道まで明るい内に降りれる自信があっての判
断で、「無理をしない」「ダメなら戻る」という安全登山のエバ夫婦にあってはならない行為だが、山中何が起
こるか分からない登山でも無理の利く、安全下山の確信が持てれば許される夫婦登山なのかも知れない。
2021年となり、未踏1000m超峰への挑戦は進行形。ようやく最初の一座を踏破出来、良き弾みになる事
を願うばかりだ。
エバさんも最近は山行で疲労困憊することが多くなり、その辛さに共感できますが、それでも諦めずに頑張れるのは頼もしいチーヤンのお陰ですね。
それにしても、登りで疲労困憊した後でもスキーで転けずにスイスイ下れるのは流石です。
まだまだ当分頑張れそうですね。
次の挑戦を期待しています。
先月、来道する予定もコロナ禍で取り止めとなり再会出来ずに残念でした。
でも、ある意味そう言うご時世ある事も理解しているつもりです・・。
新年を迎えて早々に山三昧と言いたいのですが、現実上手く行かないものですね(笑
結局、1000m超峰シリーズの初登頂が2月までズレ込んでしまいました。
今年は特に寒い北海道そして加齢・体力不足等々、言い訳は幾らでもあります。
下りのスキーですが、シールを付けたままですし、スイスイ降りて来た訳ではありません。
それでも下るスキーは早いのです 笑
次もその次も登りたい山の目途は付けていますが、どうなりますか?
期待せずお待ちいただければプレッシャーを感じないのでよろしくです。
上さんが元気なのは、何よりです 笑