エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

園児たちが好きな「しかしゃん」

2023年09月15日 | 鹿公園
園児たちが好きな「しかしゃん」
【9月14日 (木) 】
朝から小雨模様の鹿公園に可愛い園児たちが訪れてくれた。地元こども園の2歳児で鹿が好きな
ニンジンのステックを先生から貰って柵の網に手を伸ばし「しかしゃ~ん」と声を掛ける。

エサが貰えると知った鹿は、一斉に園児たちの元へ集まり、網の窓から顔を突き出して口を向き
出す。中には鹿を怖がって近づく事も出来ない子も居るが、先生たちも無理はさせずに見守って
いた。

見ていると手にするニンジンは一人2本位しか用意していなかったので、管理棟で準備している
ニンジンを切ってあげて先生に渡した。これでもう2~3本ずつは当たるだろう・・。



地元こども園の園児 (2歳児組 ) たちがニンジンを持って来てくれた・・

★ 地元の園児・児童たちに人気の鹿・・・
昨年位から鹿公園に訪れる事が増えて来た地元こども園の園児たちや小学校の児童たち。

何故来訪が増えたのか、本当の理由は分からないが、ひとつ思い浮かぶのが管理人の対応かも知
れない。(手前味噌で申し訳ない・・)
特にある管理人は、来訪者があるとご挨拶を兼ねて外に出て来る。仕事中でも一旦手を止めて来
訪者とお話し、「エサをやって見るかい?」と。そして、予め用意していたニンジンをトレーに
入れて渡していた。週末は多くのキャンプ場利用者も訪れるが、その度にエサのサービスをして
いる事がSNSでも紹介されたりして、噂が広がっていたかも知れない。そんな情報が地元の先
生たちにも届き、偵察を兼ねて様子を伺うように見に来た事もあった。

毎年6月~7月は出産の時期となり小鹿 (バンビ) が母親の乳を飲む姿は愛らしいものである。
また、冬から春、夏に向けて毛の生え変わりがあったり、角の取れたオス鹿、生え始めた角のぬ
くもり、繁殖期の荒々しいオス鹿同士の勢力争い等々も一年を通して訪れてくれるファンには、
楽しみな一面でもあると思う。毎週訪れてくれる近隣の親子は、必ずエサとなるパンや野菜を持
って来てくれて2時間でも3時間でもずっと鹿を観察している。

鹿を飼育している飼育員と言うよりは、エサを与える給餌員が正しい動物管理人の私たちである
が、来訪者とお話する機会が増えて個々に鹿の生態についても観察し学ぶようになって来たのは
事実である。私自身、鹿の角が毎年取れて生え変わる事も知らなかったし、胃袋が牛と同じ4つ
ある事も知らなかった。一年のサイクルで鹿たちの生活がどう変化するのか3年経ってようやく
少し分かるようになって来た感じだ。


★ 山積みな課題は多いが・・・
鹿公園の鹿の飼育が始まってからすでに50年以上続いている。
鹿柵の柵内や柵外の小さな木々は大木~老木となり、倒れると柵を支障する危険木も多い。
柵自体も老朽化していて支柱を支えていた束石が浮いているものもあるし、傾斜のある柵内では
大雨が降ると川のように土砂が流れたりする。小さな小屋も老朽化しているし、エサ箱は昨年自
分たちの手で作り直したばかりである。
今年は難産で苦しむ親がいたが、見守るだけで処置をする事が出来ず関係者を通じて獣医を呼ん
だときには時すでに遅しで、親子とも「安楽死」する出来事もあった。

生まれたばかりの小鹿の生育が悪く亡くなる子がいたり、オス同士の勢力争いで命を落とす鹿も
目の当たりにして来た。

絶対的に餌の量は少なく、我慢を強いられている鹿たち。
ずっと柵内で一生を過ごし、外から新しい鹿を迎える事も何年も無い。
常駐する獣医は無く、病気やケガをしても自然に任せているのが現状である。

鹿を飼育する上でやらなければならない課題は山積みであると私は思うが、声を上げてもすぐに
改められる事は難しい。

人気の鹿公園だけど、そんな裏側もあって鹿たちを見守って行く。
園児たちが「しかしゃ~ん」と呼んで、手を触れて親しむ様子がいつまでも続く事を願う給餌員
だ。







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