ロックサムルート・・・風不死岳 (1102m)
上流は寒風と積雪で登行を断念・ロックサムから下山、再来誓う
■ 山 行 日 2014年10月29日(水) 日帰り
■ ル ー ト 西面直登沢(ロックサムの沢)ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №26
■ 登 山 形 態 沢登り
■ 地 形 図 1/25000地形図 「風不死岳」
■ 三角点・点名 三等三角点・点名「風不止 (フップシ)」
■ コースタイム ロックサムまで・・
登り 1時間10分 下り 1時間10分
<登り>
07:50 駐車地発
09:00 ロックサム(岩塔)
<下り>
09:20 下山開始
10:30 駐車地着
★ 山の選択肢・・・
10月29日、平日だが休日のエバ夫婦。
天気予報に注視しながらいつものようにこの日の「山の選択肢」に悩んでいた。
基本は1000m超峰で未踏峰を探しているが、日帰りで登れそうな山が見つからず
「じゃ、近郊の山でホロホロ山~徳舜瞥岳」でも行くか?」・・とほぼ決まりかけていた。
そんな時、飛び込んで来た朗報に心が動いた。
HYMLの岳友、山ちゃんの山行報告がMLで流れた。
「風不死岳ロックサムルート」・・・まったく聞いたことが無いルートだったので、そこが何処なのか
非常に興味深くMLの文面を何度か読み返す。この時まだHPにはアップしていなかったので場所の
特定は出来なかったが、風不死岳の西面沢である事が分かった。登り3時間50分かぁ~・・途中、
2つの滝もあってザイルを使用?・・・なんてワイルドだと情景を想像しながら、早くアップする事を
密かに願っていた。
そして、同行していたyoshioさんからもMLで報告があり同時にHPのアップも終了していたのですぐに
お邪魔した次第だ。その後、山ちゃんもアップしていて食い入るように写真や地図を見た。
山ちゃんのHP「ゆっくり歩きで低山を楽しむ」はこちら
yoshioさんのHP「YOSHIOの北海道山情報」はこちら
山の選択肢は、こうして「風不死岳ロックサム」に変更となる。
★ ロックサムの沢 (西面直登沢)・・・
この名の由来を教えてくれたのもHYMLの仲間でした。
約35年前、I さんの高校山岳部後輩たちが、この沢のことを湖畔のお年寄りから聞き、計画を立てた
そうです。当時、樽前山、風不死岳に登る時は、丸山でバスを降りて歩きだったので遡行時は沢下部で
一泊し、翌日重装備で樽前まで抜けたそうです。こうして登った時あの岩塔を見つけ「親指みたい」と
名付けた名前が「ロックサム」だったようです。
以来、仲間内ではあの岩をロックサムと呼び、沢をロックサムの沢と呼ぶようになったという事でした。
yoshioさんのHP「YOSHIOの北海道山情報」からGPSログをお借りして編集しました
★ 初冠雪・・・
前日の28日、北海道の各地で平野部でも初冠雪を記録する寒い日でした。
山には当然ながら雪が積もり、車中から望む樽前山は真っ白に雪化粧していました。
自分たちが向かっている山は、その隣の風不死岳なのに樽前山と山容が違うせいか白さは疎らで
何故か雪山の事は他人事のように忘れていました。
道中心配だったのは、北尾根コースの登山口や今日の駐車地となる場所が探せるかどうかで
カーナビと地形図を頼りに注視していたので、雪の事は頭にありませんでした。
★ 順調・・・
北尾根コースの登山口は、意外にもすんなり見つけられラッキーでした。
今回このコースは下山時に使用するためにチャリを2台デポして、登山口にある車まで走るためでした。
ここから登山口まで約4.7㎞ありました。
車は「南支笏16号線作業道」と書かれた入口に駐車しました。ちなみに北尾根コースの作業道には
「南支笏7号線作業道」と標識がありました。
出発 7:50
駐車地から100m程国道を戻りガードレールを越えて沢形に降りました。
沢形と言っても微妙で小沢を含めて2~3本の出合がありどれがロックサムの沢本流なのか迷っての
入渓です。見た目で小沢はすぐに沢形が無くなりその先は笹薮のようになっていました。
一番大きそうな沢形に入り少し進むと砂防ダムが見えて来ました。まったく水は流れていない
枯葉が積もるほどの完全な涸れ沢状態の沢です。砂防ダムを2つ乗越してさらに進むと沢形が顕著と
なり、不安を残しながらも辿る事にしました。
鹿の鳴き声が頻繁に静かな山中に響き渡ります。
「侵入者が居るぞ~、みんな注意しろ~」とでも言っているように警戒した鳴き声でした。
その中でも猛獣のような低い鳴き声は不気味で怖いくらいでした。きっと雄鹿だと想像していると
突然ごそごそと笹原から音が聞こえ冬毛色に染まった大きな雄鹿が飛び出して来ました。
入渓?してすぐの沢・・・その先に砂防ダムがある。
沢形が顕著になるも不安は続く、そして歩き難い涸れ沢だ・・・
★ 残雪・・・
標高が400mを越えた頃から涸れ沢のガレ場に残雪が目立ち始めます。
その雪を見て初めて雪山に登ろうとしている自分を自覚しました。
見上げる頂上部の樹林は真っ白く霧氷と化し、登るほどに厳しくなることが想像出来ました。
それにこの沢がロックサムの沢であるとまだ確信していないのです。
地形図では入渓した場所からも大きな沢形はこの一本しか無く、辿る方向も東を向いていました。
山ちゃんのHPからロックサムに出会うのは入渓から1時間を過ぎた頃だったので、これを頼りに
登り続けました。沢の浮石が徐々に大きくなり斜度も少しずつ増して来ると同時に残雪の深さも
増して来ました。沢形が大きく開けて頂上部を見上げる視界が広がります。
すると急に冷たい風が吹き降ろし一気に体を冷やされるようでした。そんな時です。ふと見ると
右側にニョキッと飛び出た岩塔を目にしました。「あれがロックサムだな」とすぐに確信します。
入渓から1時間10分でした。
プリントアウトしたロックサムの写真と同じ、沢も間違っていなかったと安堵する。
前方に見えて来た岩塔を発見し「ロックサム」と確信する
雪は更に深くなり登行が慎重になって来る・・・
★ 登行を断念・・・
ロックサム 9:00~9:20 下山
見上げる空に所々青空も望むが山頂付近にはガスが掛かり始め
この先の残雪や滝の状態が急に気になって来た。
岩だらけの沢上に雪が積もり登行には思った以上に時間が掛かると思った。
安易に登る事の危険を予知してここは撤退・・・の判断をする。寒さが増し足の指が凍るほどに
冷たくなっていた。チーヤンも納得してくれて下山を決める。
この沢の再来はやはり晩秋の10月中旬が良いと話し合う。
紅葉もそれなりに楽しめ虫もいないのが嬉しいね。・・・そう言いながら下り始めた。
エバ夫婦の沢シーズンはきっとこれでお終い・・・と思う。
「ロックサム」を背に、今日の頂上はここだと満足の登行。
ロックサムから上流の沢を見上げる
下山も慎重に・・・
エバの足回りは、スパイク地下足袋でした・・・
2つ目の砂防ダムの名称です・・
砂防ダムの全容です・・・
無事下山、登山口となった「南支笏16号線作業道」前の駐車地です・・
★ 帰宅後の更なる追悼登山へ・・・
途中下山で少し早く帰宅したので、地元の「安平山あんぺいざん」に散歩がてら登る事にした。
昨年10月にわが家の愛犬「チャボ」が亡くなり、思い出多い安平山はチャボの追悼の山と決めていた。
自宅から登山口まで歩いて約30分、丁度良い散歩コースでチャボにとってもご機嫌のコースだった。
思い出話をしながら歩いている内に登山口に到着。
直登コースでほんの10分で登頂する安平山は、標高僅か166m。
遺影の写真とお供えを添えて写真を撮る。
下りは「らくらくコース」からのんびり降りて帰宅。
今日の山行を終えた。
山頂部の西側が伐採されて開けていた・・・何のための伐採なのか?
安平山頂上に設置されている反射板と安平町追分市街地を見下ろす・・・
上流は寒風と積雪で登行を断念・ロックサムから下山、再来誓う
■ 山 行 日 2014年10月29日(水) 日帰り
■ ル ー ト 西面直登沢(ロックサムの沢)ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №26
■ 登 山 形 態 沢登り
■ 地 形 図 1/25000地形図 「風不死岳」
■ 三角点・点名 三等三角点・点名「風不止 (フップシ)」
■ コースタイム ロックサムまで・・
登り 1時間10分 下り 1時間10分
<登り>
07:50 駐車地発
09:00 ロックサム(岩塔)
<下り>
09:20 下山開始
10:30 駐車地着
★ 山の選択肢・・・
10月29日、平日だが休日のエバ夫婦。
天気予報に注視しながらいつものようにこの日の「山の選択肢」に悩んでいた。
基本は1000m超峰で未踏峰を探しているが、日帰りで登れそうな山が見つからず
「じゃ、近郊の山でホロホロ山~徳舜瞥岳」でも行くか?」・・とほぼ決まりかけていた。
そんな時、飛び込んで来た朗報に心が動いた。
HYMLの岳友、山ちゃんの山行報告がMLで流れた。
「風不死岳ロックサムルート」・・・まったく聞いたことが無いルートだったので、そこが何処なのか
非常に興味深くMLの文面を何度か読み返す。この時まだHPにはアップしていなかったので場所の
特定は出来なかったが、風不死岳の西面沢である事が分かった。登り3時間50分かぁ~・・途中、
2つの滝もあってザイルを使用?・・・なんてワイルドだと情景を想像しながら、早くアップする事を
密かに願っていた。
そして、同行していたyoshioさんからもMLで報告があり同時にHPのアップも終了していたのですぐに
お邪魔した次第だ。その後、山ちゃんもアップしていて食い入るように写真や地図を見た。
山ちゃんのHP「ゆっくり歩きで低山を楽しむ」はこちら
yoshioさんのHP「YOSHIOの北海道山情報」はこちら
山の選択肢は、こうして「風不死岳ロックサム」に変更となる。
★ ロックサムの沢 (西面直登沢)・・・
この名の由来を教えてくれたのもHYMLの仲間でした。
約35年前、I さんの高校山岳部後輩たちが、この沢のことを湖畔のお年寄りから聞き、計画を立てた
そうです。当時、樽前山、風不死岳に登る時は、丸山でバスを降りて歩きだったので遡行時は沢下部で
一泊し、翌日重装備で樽前まで抜けたそうです。こうして登った時あの岩塔を見つけ「親指みたい」と
名付けた名前が「ロックサム」だったようです。
以来、仲間内ではあの岩をロックサムと呼び、沢をロックサムの沢と呼ぶようになったという事でした。
yoshioさんのHP「YOSHIOの北海道山情報」からGPSログをお借りして編集しました
★ 初冠雪・・・
前日の28日、北海道の各地で平野部でも初冠雪を記録する寒い日でした。
山には当然ながら雪が積もり、車中から望む樽前山は真っ白に雪化粧していました。
自分たちが向かっている山は、その隣の風不死岳なのに樽前山と山容が違うせいか白さは疎らで
何故か雪山の事は他人事のように忘れていました。
道中心配だったのは、北尾根コースの登山口や今日の駐車地となる場所が探せるかどうかで
カーナビと地形図を頼りに注視していたので、雪の事は頭にありませんでした。
★ 順調・・・
北尾根コースの登山口は、意外にもすんなり見つけられラッキーでした。
今回このコースは下山時に使用するためにチャリを2台デポして、登山口にある車まで走るためでした。
ここから登山口まで約4.7㎞ありました。
車は「南支笏16号線作業道」と書かれた入口に駐車しました。ちなみに北尾根コースの作業道には
「南支笏7号線作業道」と標識がありました。
出発 7:50
駐車地から100m程国道を戻りガードレールを越えて沢形に降りました。
沢形と言っても微妙で小沢を含めて2~3本の出合がありどれがロックサムの沢本流なのか迷っての
入渓です。見た目で小沢はすぐに沢形が無くなりその先は笹薮のようになっていました。
一番大きそうな沢形に入り少し進むと砂防ダムが見えて来ました。まったく水は流れていない
枯葉が積もるほどの完全な涸れ沢状態の沢です。砂防ダムを2つ乗越してさらに進むと沢形が顕著と
なり、不安を残しながらも辿る事にしました。
鹿の鳴き声が頻繁に静かな山中に響き渡ります。
「侵入者が居るぞ~、みんな注意しろ~」とでも言っているように警戒した鳴き声でした。
その中でも猛獣のような低い鳴き声は不気味で怖いくらいでした。きっと雄鹿だと想像していると
突然ごそごそと笹原から音が聞こえ冬毛色に染まった大きな雄鹿が飛び出して来ました。
入渓?してすぐの沢・・・その先に砂防ダムがある。
沢形が顕著になるも不安は続く、そして歩き難い涸れ沢だ・・・
★ 残雪・・・
標高が400mを越えた頃から涸れ沢のガレ場に残雪が目立ち始めます。
その雪を見て初めて雪山に登ろうとしている自分を自覚しました。
見上げる頂上部の樹林は真っ白く霧氷と化し、登るほどに厳しくなることが想像出来ました。
それにこの沢がロックサムの沢であるとまだ確信していないのです。
地形図では入渓した場所からも大きな沢形はこの一本しか無く、辿る方向も東を向いていました。
山ちゃんのHPからロックサムに出会うのは入渓から1時間を過ぎた頃だったので、これを頼りに
登り続けました。沢の浮石が徐々に大きくなり斜度も少しずつ増して来ると同時に残雪の深さも
増して来ました。沢形が大きく開けて頂上部を見上げる視界が広がります。
すると急に冷たい風が吹き降ろし一気に体を冷やされるようでした。そんな時です。ふと見ると
右側にニョキッと飛び出た岩塔を目にしました。「あれがロックサムだな」とすぐに確信します。
入渓から1時間10分でした。
プリントアウトしたロックサムの写真と同じ、沢も間違っていなかったと安堵する。
前方に見えて来た岩塔を発見し「ロックサム」と確信する
雪は更に深くなり登行が慎重になって来る・・・
★ 登行を断念・・・
ロックサム 9:00~9:20 下山
見上げる空に所々青空も望むが山頂付近にはガスが掛かり始め
この先の残雪や滝の状態が急に気になって来た。
岩だらけの沢上に雪が積もり登行には思った以上に時間が掛かると思った。
安易に登る事の危険を予知してここは撤退・・・の判断をする。寒さが増し足の指が凍るほどに
冷たくなっていた。チーヤンも納得してくれて下山を決める。
この沢の再来はやはり晩秋の10月中旬が良いと話し合う。
紅葉もそれなりに楽しめ虫もいないのが嬉しいね。・・・そう言いながら下り始めた。
エバ夫婦の沢シーズンはきっとこれでお終い・・・と思う。
「ロックサム」を背に、今日の頂上はここだと満足の登行。
ロックサムから上流の沢を見上げる
下山も慎重に・・・
エバの足回りは、スパイク地下足袋でした・・・
2つ目の砂防ダムの名称です・・
砂防ダムの全容です・・・
無事下山、登山口となった「南支笏16号線作業道」前の駐車地です・・
★ 帰宅後の更なる追悼登山へ・・・
途中下山で少し早く帰宅したので、地元の「安平山あんぺいざん」に散歩がてら登る事にした。
昨年10月にわが家の愛犬「チャボ」が亡くなり、思い出多い安平山はチャボの追悼の山と決めていた。
自宅から登山口まで歩いて約30分、丁度良い散歩コースでチャボにとってもご機嫌のコースだった。
思い出話をしながら歩いている内に登山口に到着。
直登コースでほんの10分で登頂する安平山は、標高僅か166m。
遺影の写真とお供えを添えて写真を撮る。
下りは「らくらくコース」からのんびり降りて帰宅。
今日の山行を終えた。
山頂部の西側が伐採されて開けていた・・・何のための伐採なのか?
安平山頂上に設置されている反射板と安平町追分市街地を見下ろす・・・
ロックサムルートに行かれたのですね!
ネット上での記録を見たことくらいしかないこのルート。
僕にはかなり敷居が高そうなので計画すら立てたことはありません。
風不死岳には一般的な樽前山七合目からのルートと北尾根コース以外に、大沢ルートとこのロックサムルートがありますよね。
近郊ではかなりメジャーな山にも関わらず、この2つのバリエーションルートはかなり敷居が高い。
そんな色んなルートを持つのも風不死岳の魅力ですね。
近くにありながら、まだまだ未知の部分の多い山。
しかし今時期だと、この辺りは熊が怖いですねぇ。
いつかは行ってみたいロックサムルートですが、ここは冬はどうなんでしょう。
ルートが分からない上に恐らく人もほとんど入らないだろうから危険がいっぱいだろうとは思いますが、、、
私も初めてのルートでした。
核心部の滝までは行っていませんが、yahさんなら
敷居が高いなんて事ないですよ。ロックサム・・と
横文字を使えば難度の高い沢に聞こえますが、
「西面直登沢」と言い換えると「大沢ルート」と大差は
無いと思います。
基本的に沢全体が涸れ沢(大雨の後は別)だと思います。2つある滝も右岸、左岸を直登出来るみたいだし
熊の心配はほとんどないと思います。鹿が非常に多い
事からも熊の生息域ではないような気がします。
HYMLの仲間の報告からの想像ですが、冬も試して見る価値がありそうです。(雪崩に注意ですが)
偵察を兼ねて難度か試行してみるのも面白いかも
知れませんね。もしよければ一緒に行って見ませんか?
ご検討下さい・・・
楽しみがひとつ増えそう・・・・です。
自分たちだけではちょっと怖くていけませんが、エバさんたちが一緒であれば心強いです。
是非ご一緒させてください。
雪がいい頃に計画しましょう!