カテゴリーから札幌登山道整備隊を削除しました・・・
登山者の安心・安全とは
2018年6月に入会した登山道整備のボランティア団体。
今は、札幌登山道整備隊(STST・スタスタ)と命名を頂き、活動を続けています。
札幌近郊の山を中心に精力的な活動は、多くの登山者からも高く評価されて来たところで
した。
私が入会したのは、当時80歳を越えたNさんが、HYMLのメールで自身の地道な登山
道整備について報告されました。しかし、年齢的な限界を感じどなたか整備のお助けを願
いたいと応援依頼のメールが流れ、それに反応したのがキッカケでした。
登山道のある山は、誰かが整備してくれているとは思いつつ、普段はあまり気にもせずた
だ登っていて整備の事など眼中に無いのが正直なところでした。このメールで目が覚めた
かのように、登山道整備に対する興味を持ちNさんに連絡を取りました。
最初の体験は、神威岳~烏帽子岳までの縦走路を含めた登山道整備でした。
神威岳登山口から頂上までの登山道には当時、台風による倒木も多数あり登山道を支障す
る倒木のジャングルでした。しかし、当時のメンバーが地道に整備したお陰ですでに終え
ていたところでした。私がお手伝いすべき登山道は、縦走路でしたが笹や灌木が覆い被さ
り荒れ果てた登山道になっていました。長い縦走路を当初手作業で整備しようというのが
コンセプトだったようで刈払機の使用は断られました。
しかし、膨大な量の手作業は効率が悪く、何度も連続して来られる山ではなかったので、
半ば強引に刈払機を持参して整備に当たったのが、今は懐かしく思い出します。
参加したメンバーも刈払機の勢力に目を見張り、あっと言う間に進んだ整備に一目置かれ
ました。
本来の登山道整備はその山に関係する管理団体や行政側が行うのですが、予算が無いとか
人出不足を理由に長い間放置された登山道が現実で、廃道化しつつある道を利用している
のが実態です。だからこそNさんが地道なボランティア精神で続けて来た活動は大きく、
逆に行政に「喝」を入れたいところです。
いずれにせよ、現存する多くの登山道は整備しない事にはどんどん荒れていくだけでした。
誰かが整備しないと・・・その活動が、Nさんの思いと一緒に歩き始めたはずでした。
共感者は数名から始まり、1年後には20名を越えました。
こうなって来ると一つの組織となり会が形成されてきます。そして会の名前が決まったの
です。同時に役員、規約なども決まり整備する山の管理者(多くは環境省や森林管理署等)
に出向き、登山道の実態を報告しつつ整備する許可を取り付けるまでにそう時間は掛から
なったように思えます。
2019.3 多峰古峰山の一つのルート上にあった倒木を処理するため出向いた私たち・・・
登山者の安心・安全な環境整備とは・・・
私は単純に登山道整備だけしたかった・・・。
登山道があれば誰でも安心して快適な登山を楽しめるとは、最初から思ってはいない。
登山道があってもGPSを持っていても基本は地形図を用いて現在地を確認しながら頂
上を目指す事が登山をする者の基本だと思っている。しかし、登山ブームと言われる昨
今色々な登山専用アプリも登場し、技術や知識が浅くても比較的簡単に行けてしまう便
利な時代にもなって来た。そして同時に遭難やケガをして簡単に救助を要請し、困った
ら助けてもらうのが当たり前の考え方も非常識でない事に怖くなります。
登山者の安心・安全は他人(ひと)から与えられるものではなく、自分の身は自分で守る
事が登山者に与えられた使命ではないだろうか。まして登山道を整備する小さなボラン
ティア団体が「登山者の安心・安全・・・」をモットーに掲げ、その手助けとして案内
板や標識を付けて行く事だと自負している事に違和感を感じてなりませんでした。
百歩譲って登山道のある山に付ける標識は黙認したとしても、その付け方に問題があり
ました。生きている木に釘で直打ちしていたのです。こうなると仮に安心・安全は確保
されたとしても環境整備から離脱した行為になっている事に私も最初は気が付いていま
せんでした。
自分たちの親切心が自己満足へ変化し、大切なことを失って過剰過ぎる行為になってし
まったとすれば、すぐに反省し改めて行かなくてはなりません。
整備する側の私たち整備隊の多くは登山愛好家ではあっても、登山を始めて3年~5年
程度の初心者が多かった。ほとんどの隊員は、ボランティアの登山道整備に共感しつつ
同時に見知らぬ山に登れる・・・と、気軽に入会した方が多いと後で知りました。
冬山に標識は要るか要らないか・・・
冬期間は、登山道の整備が出来ないので本来なら活動の休止期間となるでしょう。
ですが、STSTは違いました。
3月末、Facebook でも物議が交わしたばかりの「冬山に標識は要らない」とSTST
を名指した投稿には多くの賛否論がありました。投稿者も匿名ではなく本名を名乗り直
に公開質問する形で「冬山の標識に言及したもの」でした。それに答える形でSTST
の役員も回答してくれましたが、自分たちの正当論を主張した反論がすべてでした。
双方に対する賛否が交わされるも聞く耳を持たない回答はSTSTだった事が今回の退
会を決断した理由です。
STSTは、冬山に標識や案内板を付ける事がその山のルートを限定し、初心者でも登
山道のある山と同じように登ってしまう怖さを考慮すべきでした。天気の良い日に新雪
を踏み締めながらトレース(足跡) を残し、標識を頼りに登ったとしても、途中から悪天
となりトレースが消えてしまう事も多々あります。頼りの標識すら吹雪で見失うことな
ど冬山では常識です。それがGPSログと付けられた標識だけを頼りに初心者を誘発し
かねない英雄気取りは、もう整備隊ではありません。
山(特に冬山)に対する色々な考えがあることは当然です。
山はすべての人に平等と主張する考えも間違えではありません。でも、冬山は思う程い
つも優しく迎えてくれる訳ではありません。だからこそ初心者であればその備える準備
が必要だし、熟練した先輩から学びながら技術と知識を積み重ねて迎う場所ではないか
と考えています。
この投稿で、決してSTSTを批判したり中傷するつもりはありません。
現に私自身約2年間に渡ってお世話になって来た団体であり、登山道整備について真剣
に学ぶキッカケを与えてくれた団体です。そしてこれからも大切な登山道を守り出来る
事は積極的に行っていきたいと思っています。
少し言葉足らずかも知れませんが、大切な仲間たちと別れる旅立ちの言葉としてここに
書き留めて置きたいと思いました・・・。
登山者の安心・安全とは
2018年6月に入会した登山道整備のボランティア団体。
今は、札幌登山道整備隊(STST・スタスタ)と命名を頂き、活動を続けています。
札幌近郊の山を中心に精力的な活動は、多くの登山者からも高く評価されて来たところで
した。
私が入会したのは、当時80歳を越えたNさんが、HYMLのメールで自身の地道な登山
道整備について報告されました。しかし、年齢的な限界を感じどなたか整備のお助けを願
いたいと応援依頼のメールが流れ、それに反応したのがキッカケでした。
登山道のある山は、誰かが整備してくれているとは思いつつ、普段はあまり気にもせずた
だ登っていて整備の事など眼中に無いのが正直なところでした。このメールで目が覚めた
かのように、登山道整備に対する興味を持ちNさんに連絡を取りました。
最初の体験は、神威岳~烏帽子岳までの縦走路を含めた登山道整備でした。
神威岳登山口から頂上までの登山道には当時、台風による倒木も多数あり登山道を支障す
る倒木のジャングルでした。しかし、当時のメンバーが地道に整備したお陰ですでに終え
ていたところでした。私がお手伝いすべき登山道は、縦走路でしたが笹や灌木が覆い被さ
り荒れ果てた登山道になっていました。長い縦走路を当初手作業で整備しようというのが
コンセプトだったようで刈払機の使用は断られました。
しかし、膨大な量の手作業は効率が悪く、何度も連続して来られる山ではなかったので、
半ば強引に刈払機を持参して整備に当たったのが、今は懐かしく思い出します。
参加したメンバーも刈払機の勢力に目を見張り、あっと言う間に進んだ整備に一目置かれ
ました。
本来の登山道整備はその山に関係する管理団体や行政側が行うのですが、予算が無いとか
人出不足を理由に長い間放置された登山道が現実で、廃道化しつつある道を利用している
のが実態です。だからこそNさんが地道なボランティア精神で続けて来た活動は大きく、
逆に行政に「喝」を入れたいところです。
いずれにせよ、現存する多くの登山道は整備しない事にはどんどん荒れていくだけでした。
誰かが整備しないと・・・その活動が、Nさんの思いと一緒に歩き始めたはずでした。
共感者は数名から始まり、1年後には20名を越えました。
こうなって来ると一つの組織となり会が形成されてきます。そして会の名前が決まったの
です。同時に役員、規約なども決まり整備する山の管理者(多くは環境省や森林管理署等)
に出向き、登山道の実態を報告しつつ整備する許可を取り付けるまでにそう時間は掛から
なったように思えます。
2019.3 多峰古峰山の一つのルート上にあった倒木を処理するため出向いた私たち・・・
登山者の安心・安全な環境整備とは・・・
私は単純に登山道整備だけしたかった・・・。
登山道があれば誰でも安心して快適な登山を楽しめるとは、最初から思ってはいない。
登山道があってもGPSを持っていても基本は地形図を用いて現在地を確認しながら頂
上を目指す事が登山をする者の基本だと思っている。しかし、登山ブームと言われる昨
今色々な登山専用アプリも登場し、技術や知識が浅くても比較的簡単に行けてしまう便
利な時代にもなって来た。そして同時に遭難やケガをして簡単に救助を要請し、困った
ら助けてもらうのが当たり前の考え方も非常識でない事に怖くなります。
登山者の安心・安全は他人(ひと)から与えられるものではなく、自分の身は自分で守る
事が登山者に与えられた使命ではないだろうか。まして登山道を整備する小さなボラン
ティア団体が「登山者の安心・安全・・・」をモットーに掲げ、その手助けとして案内
板や標識を付けて行く事だと自負している事に違和感を感じてなりませんでした。
百歩譲って登山道のある山に付ける標識は黙認したとしても、その付け方に問題があり
ました。生きている木に釘で直打ちしていたのです。こうなると仮に安心・安全は確保
されたとしても環境整備から離脱した行為になっている事に私も最初は気が付いていま
せんでした。
自分たちの親切心が自己満足へ変化し、大切なことを失って過剰過ぎる行為になってし
まったとすれば、すぐに反省し改めて行かなくてはなりません。
整備する側の私たち整備隊の多くは登山愛好家ではあっても、登山を始めて3年~5年
程度の初心者が多かった。ほとんどの隊員は、ボランティアの登山道整備に共感しつつ
同時に見知らぬ山に登れる・・・と、気軽に入会した方が多いと後で知りました。
冬山に標識は要るか要らないか・・・
冬期間は、登山道の整備が出来ないので本来なら活動の休止期間となるでしょう。
ですが、STSTは違いました。
3月末、Facebook でも物議が交わしたばかりの「冬山に標識は要らない」とSTST
を名指した投稿には多くの賛否論がありました。投稿者も匿名ではなく本名を名乗り直
に公開質問する形で「冬山の標識に言及したもの」でした。それに答える形でSTST
の役員も回答してくれましたが、自分たちの正当論を主張した反論がすべてでした。
双方に対する賛否が交わされるも聞く耳を持たない回答はSTSTだった事が今回の退
会を決断した理由です。
STSTは、冬山に標識や案内板を付ける事がその山のルートを限定し、初心者でも登
山道のある山と同じように登ってしまう怖さを考慮すべきでした。天気の良い日に新雪
を踏み締めながらトレース(足跡) を残し、標識を頼りに登ったとしても、途中から悪天
となりトレースが消えてしまう事も多々あります。頼りの標識すら吹雪で見失うことな
ど冬山では常識です。それがGPSログと付けられた標識だけを頼りに初心者を誘発し
かねない英雄気取りは、もう整備隊ではありません。
山(特に冬山)に対する色々な考えがあることは当然です。
山はすべての人に平等と主張する考えも間違えではありません。でも、冬山は思う程い
つも優しく迎えてくれる訳ではありません。だからこそ初心者であればその備える準備
が必要だし、熟練した先輩から学びながら技術と知識を積み重ねて迎う場所ではないか
と考えています。
この投稿で、決してSTSTを批判したり中傷するつもりはありません。
現に私自身約2年間に渡ってお世話になって来た団体であり、登山道整備について真剣
に学ぶキッカケを与えてくれた団体です。そしてこれからも大切な登山道を守り出来る
事は積極的に行っていきたいと思っています。
少し言葉足らずかも知れませんが、大切な仲間たちと別れる旅立ちの言葉としてここに
書き留めて置きたいと思いました・・・。
夫婦登山のレポート、楽しんでいます。
エバさんの気持ちとても良くわかります。
私もGPSがまだ多くの登山者にとってなじみがなかった頃に登山を始めました。
当時は他人の付けたテープはあてにしないようにと教えられ、一生懸命地図読みを勉強し、地図とコンパスを持って山に行きました。それが登山であり、また登山の楽しみであることを先輩たちから教えてもらったのです。
スマホのGPSが使えるようになってからその便利さも理解するようになりました。とはいっても、本質は変わらないと思っています。
もし、最近登山を始めたら自分はどういう考えで登っているのかな?どう行動しているのかな?とも考えます。
装備が乏しい大昔の登山者、私たち、そして最近登山を始めるようになった方達、それぞれ価値観も楽しみ方も違うのでしょうね。登山者の数だけ、山の楽しみ方がある、ということなんでしょう。
他の人の価値観を尊重したいとは思っていますが、山は危険な場所でもありますので、やはり単に好みだけでは片づけられないなぁ、と思う気持ちもあります。
なんだか長く書いたのに、結論が出ていないようで・・・すみません。
日々精進したいと思っています。
そして、コメントありがとう。共感してくれて嬉しいです。
この問題は、ホント賛否があって「これだ!」という答えは難しいかも知れません。
だから、ひとそれぞれ・・と言ってしまえば論議は終わってしまいますが、
自然相手の登山ですから、どう取り組んでいくかこれからもじっくり考えて行きたいと思うよ・・。
でも、価値観の違いって・・大きいね!