エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

ブログ開設前の山行記・・・利尻山(1719m)&礼文岳(490m)

2017年09月28日 | 山紀行 (道北)
ブログ開設前の山行記を編集しました・・・
長官山(1218m)利尻山 (1719m)  礼文岳 (490m)
■ 山 行 日    2006年6月13日(火)~6月15日(木)   2泊3日
■ コ ー ス    利尻山・・・鴛泊コース
           礼文岳・・・内路コース

■ メ ン バ ー     夫婦登山 №9
■ 登 山 形 態     登山道
■ 地 形 図    1/25000地形図  「鴛泊」 「礼文岳」
■ 三角点・点名    長官山 一等三角点  点名「利尻山 リシリヤマ」   
           利尻山 二等三角点  点名「利尻絶頂 リシリゼッチョウ」
           礼文岳 一等三角点  点名「礼文岳 レブンダケ」

■ コースタイム   利尻山 登り 5時間10分  下り 3時間15分(ハプニングタイム含む)
            礼文岳 登り 1時間40分  下り 1時間10分
<登り> 利尻山
 8:50    登山開始
10:05    5合目
10:30    6合目(第一見晴台)
10:55    7合目(エンレイソウの群落有)
12:00    8合目(長官山)
12:55    9合目
14:00    利尻山頂上

<下り>
14:30    下山開始
         ハプニングの始まり
16:00    8合目長官山
17:45    登山口

<登り> 礼文岳
11:10    内路登山口出発
12:50    礼文岳頂上

<下り>
13:30    下山開始
14:40    登山口



当時、ワードで作成した山行記です。A4、8ページに及ぶ大作でした・・・これを元に編集しブログにアップしました。

★ 紀行を中心に編集しています・・・
当時の記録をそのまま載せる予定でしたが、余りにも文面が多いので一部を割愛しブログ用に編集しました。

【6月13日(火)】
自宅を17:50に出発する。
稚内まで約370キロ6時間を掛けて23:40に到着。ほとんどノンストップドライブだった。
フェリー乗場近く、無料の市営駐車場に停めて早々に安着の儀へ移行。「やれば出来る」と言う
達成感が早くも湧いてきて乾杯にも弾みがつく。1:00過ぎようやく就寝。


★ 朝のトイレ事件・・・
 【6月14日(水)】
4:00 起床
寝不足か飲み過ぎかチーヤンが体調不良を訴えトイレを探すが見当たらず、稚内駅のトイレを思い出し
移動したが、早朝で閉まっていて使用不可。止む無く隣の南稚内駅のまで走ると開いていたので何とか
用を足す事が出来、具合も少し良くなったようで安堵する。
再び、駐車場に戻りザックのパッキングを済ませてからコーヒーを落とし朝食準備・・・。
周りが明るくなって、ふと車の後ろを見ると・・・「公衆トイレ」があった!
何の事ない「灯台下暗し」とはこの事で爆笑した!
「早起きは三文の徳」と言うが、この日も早く起きていたので突然のハプニングにも対応する時間が
あったのかも知れない。


★ 快晴・貸切の利尻山頂上・・・

6:00 稚内発利尻島鴛泊行きのフェリーに乗り込む。
私は三度目の利尻山になるがチーヤンは始めてとなる乗船だ。

8:10 鴛泊港到着。
一番先に降りてタクシーを探す。するとタクシーの方から声を掛けてくれた。
ほとんどのタクシーは島内一周観光のお客さんが目当てで近所の客には予約だと言って断る事が多いと言う。
このタクシーもこの後に到着するフェリーに予約客が居たが時間があったのでザックを背負った私を見て
声を掛けたと言う。いずれにしてもラッキーで早速キャンプ場に向かってもらった。

8:25 登山口となる利尻北麓野営場に到着。
管理棟で予約をしたバンガローのカギを借り荷物をデポする。
タクシーの運転手は、管理棟でビールも売っていると言うので途中の店に寄らずに来たが、ここでは
販売していないと言われガックリ・・・。今夜のビールは諦める羽目になった。

8:50 気を取り戻して登山開始となる。
キャンプ場は利尻山の3合目に当たり、針葉樹林帯の中を登ると日本名水百選の一つ「甘露泉」があり
冷たい水を一杯頂く。
鬱蒼としたトドマツ林は5合目付近まで続き、見えない景色に少し単調となる。

10:30 6合目。
ここは第一見晴台で眼下を見下ろす事が出来る。
7合目付近からエンレイソウ等の高山植物が目立ち始め、8合目の長官山には12:00に着いた。
最高の展望台で特に大雪渓の残る頂上の姿が素晴らしかった。
長官小屋の横を通って一端尾根を少し下る。9合目で火山礫の急勾配でキツイアルバイトをさせられる。
13:40沓形コースとの分岐を通過するも尚アルバイトは続く。
そして、14:00待望の利尻山頂上に立った。 



ミヤマエンレイソウ (深山延齢草)


ツバメオモト (燕万年青)


5合目に立つ携帯トイレ用のトイレブース


6合目の第一見晴台から鴛泊を望む


見晴台から望む利尻山の素晴らしい全容


8合目手前の岩場から残雪多い西尾根を背景に・・・


8合目長官山にて


長官小屋から9合目に向かう途中の雪渓にて・・・


9合目付近に咲き乱れる「ハクサンイチゲ」の群落


頂上直下の登山道


名物 ローソク岩


頂上直下から見下ろす西大空沢と三眺山(1461m)・・・右手前の山

★ 頂上でのひととき・・・
最北の百名山でも少し時間がずれると貸切になるから嬉しい。
ビールを飲むのも良し、祠に手を合わせるのも良し、のんびり景色を楽しむのもまた良しである。










★ 下山のハプニング・・・
初登頂のチーヤンと喜びの握手をし、恒例の山頂ビールで乾杯した。
下山後のビールは無いがここで飲むビールは自宅から持参していた。
雪渓で冷やしたビールほど美味しいビールはないかも知れない。

ゆっくりと貸切の頂上を楽しんで14:30下山を開始した。


楽しい大雪渓下りだったが・・・
登り場面の長官山で頂上を望んだ時、9合目付近から一直線に伸びるルンゼの大雪渓があり、
よく見ると雪渓を下る足跡のようなものが8合目の長官小屋付近まで繋がっていた。
今日は、下山してもキャンプ場泊まりだし時間にも余裕があるなぁ~とちょっと欲が出て
雪渓下りを試みた。斜度35度以上あるような急斜面の雪渓は絶景だった。ここを
滑るように降りたら気持ち良いだろうなぁ~と・・・立入ったのがハプニングの始まりだ。

思った通り雪渓下りは楽しかった。
滑るように涼を感じながらどんどん降りて行くと、ふと異変に気が付く。
上から見た時は雪渓が途切れる事無く長官小屋まで繋がっているように見えたが、下に
降りて見ると隣のルンゼとの間にハイ松帯を挟んでいた。
チーヤンは早くも動揺し始めたが、私は正直不安は無かった。
何故なら進むべき方向ははっきりしていたし、このハイ松を漕いで隣の雪渓に移れば
あとはずっと雪の上を歩くだけで長官小屋に着けると確信していたからだ。
しかし、次もまたハイ松帯に阻まれていた・・・。

二度目の藪漕ぎは、そのまま次の雪渓へ進むべきだったが、不安気な妻に安心感を与えるため
少しでも高いところまで雪渓を登り、共にルートハンティングが出来そうな場所に行く必要があった。
ちょっとしんどいが雪渓を登り返し見下ろすも良いルートが見つからず再び長い藪漕ぎのアルバイトが
待っていた。
花粉が鼻に付き、枝が跳ね返る最悪の藪漕ぎだった。チーヤンの顔に疲労感と絶望感が漂う。
しかし、こういう時こそ平常心と冷静な判断が要求されるのだと自分に言い聞かせた。

凄い長い時間を感じた「藪漕ぎ脱出劇」も過ぎて見れば約1時間だった。
雪渓を下らず登山道を歩いていれば30分も掛からずに長官小屋に着いたかも知れない。
滅多に味わえない利尻の雪渓下りは、楽しかったが・・・安易な行動を起こせば落とし穴が
待っている事を改めて認識して教訓となった。
結局、長官小屋に着いたのは16:00だった。

管理人に電話
バンガローのカギを管理人に預けて17時まで下山する約束だった。
しかし、ここから1時間では下山出来ないので電話をする事にした。
(・・・・こういう時こそ携帯電話の有難さを実感する)
幸い管理人さんの配慮でカギは分かる場所に置いておく事で解決し、焦らずに下山する事が出来た。
そして、登山口には17:45に着いた。



雪渓下りの醍醐味を楽しんだのだが・・・・要らないおまけが付いていた。
★ コラム・・・
  標高差150mの急斜面
     これが大雪渓下りの醍醐味だ!

沓形コースの分岐を過ぎて、岩場の稜線上標高約1350m地点が雪渓への下降点だった。
長官山の山小屋は標高約1200mに位置し標高差は150m以上あったと思われる。
普通に考えればこんな急斜面の雪渓を無造作に降りる馬鹿は居ないだろう。
しかし、北国生まれ雪育ちの私たちにとっては誰かが降りた踏み跡があるとつい自分たちも
試したくなるのが世の常というもの。ましてや雪渓を上から見る限り途切れる事無く長官小屋
まで繋がって見えたのだから・・・もう行くしかないのだ。
長官山には、団体グループが大勢休んでいて雪渓を下り始めた私たちに気付き注目されていた。
転ばずに滑るようにシュプールを描いて・・・とその醍醐味は楽しんだのだったが、自分の
軽弾みな行動で妻に苦労を掛けてしまった事を大いに反省した・・。


★ 無事、下山すれば・・・
    出会った隣人と安着祝いで山談義


無事下山すれば気持ちは変化してプラス思考になる。
管理人さんは、扉横の窓にカギとメモを残していってくれた。
ご心配をお掛けして申し訳ないと感謝してカギを受け取った。

バンガローは4人用で、電気・コンセント・布団が整っているので基本的には寝具類は必要ない。
バンガローの前に駐車場があり静岡ナンバーのハイエースが駐車してあり隣の住人かなと思っていた。
しかし、車中泊する人らしく安着の準備をしていた私たちに近付いて来て話をし始めた。
日本百名山を目指し、北海道の9座すべてを登って帰るとの事だった。すでに羊蹄山を登り終え
利尻島に来たらしい。明日、利尻山に登り次の目的地は大雪山に向かうと言う。

山談義は私も嫌いではないので、安着の席に招いて話は続く。
ワインやつまみを持参し私たちにも振舞ってくれたが、この時名前しか知らずに解散してしまった。
二次会は夫婦で続いたが、さすがに疲れて酔いがまわり21:30に就寝してしまった・・・。



Ⅿさんに頂いたワインは二次会で飲み干した・・・


二次会も早々に終了・・・お疲れ様でした。

【6月15日(木)】
★ メモを残して利尻を発つ・・・
5:10 ウグイスの鳴き声で目を覚ます。
いつものようにコーヒーを落としまったりと疲れた体を癒す・・・。
Ⅿさんは、3時頃に出発したらしく、昨夜のお礼を告げられなかった。
朝食をしっかり食べて7:20キャンプ場を後にした。
今日の予定は、10:05発のフェリーで礼文島(香深港)へ渡り、礼文岳に登り帰路に着くという
再びハードな一日になりそうだ。

キャンプ場を出発する前に、気になったのでⅯさんの車にお礼と連絡先のメモを残して来た。

10:45 礼文島香深港に到着。


★ 花の少ない礼文岳にがっかり・・・
    着港直前にタクシーの予約OKに安堵
計画段階から問合せをしていた礼文島のタクシー予約について
タクシー会社より着港の10分前に電話してほしいとの事だった。
電話をすると予約OKだったので一応安堵するも利尻と同じ理由が考えられる・・・

港に着くと名前を書いたプラカードを手に私たちを迎えてくれた。
早々に乗り込み15分程で登山口となる内路地区に着くがタクシー代は3600円だったのは
びっくりした。復路も予約したので7000円の出費は想定外だった。

11:10 登山開始。
登山口横の商店軒下から山裾の護岸壁に沿って登って行く。
快晴・無風で暑くすぐに汗が噴き出る。ジグザグな登山道を辿り台地上に出ると一面が笹原だ。
ちょうどタケノコの時期とあってか地元の人と思われるタケノコ採りに出会う。
登るにつれダケカンバやトドマツが出て来る。今は廃道となったらしい起登臼コースの分岐が
よく分からないまま通過したらしい。それにしても道中楽しむ花もない閑散とした登山道が続く。

12:52 礼文岳頂上

先客が4人ほど居て、それぞれが山頂を楽しんでいるようだった。
私たちもあまり広くない草地と岩場の頂上で展望を楽しみ、恒例の山頂ビールも頂いて
のんびりする事にした。
期待していた高山植物もほとんど見られず「キジムシロ」の黄色い花がわずかに咲いていただけだった。
それでもこの展望を楽しませてくれたので満足した登頂だったと思う。
花はスコトン岬と島の西側にあるらしい。
ちいさな島だが観るところ満載で2日間はほしい礼文島散策と分かる。

13:30 下山開始。
14:10 タクシーを呼んで登山口に急ぐ。
14:30 登山口。
14:45 香深港到着。タクシー代3500円を支払う。稚内行きフェリーは16:20なので
時間まで地ビールを買って港を散策する。



400mポコ手前から礼文岳を背に・・・


楽しみにしていた礼文の花も「キジムシロ」だけだった・・・


6/15 礼文岳(490m) 初登頂

★ 夫婦ならではの最北の山旅・・・

Ⅿさんと再会し記念写真を撮る・・・

やれば出来るもので山旅も終盤を迎えた。稚内港には18:20に到着。
さすがにフェリーの中では帰路の道のりを考え横になる。最後に残された目的地は
「宗谷岬」に立ちたいと言う妻の希望を叶える事だった。
早々稚内から宗谷岬へ向かう途中、昨夜のⅯさんから電話を受ける。すると一足先に宗谷岬に
向かっていて間もなく着くと言うのだ。19:00暗くなり始めた宗谷岬に着くとⅯさんが出迎えてくれた。
記念写真を撮ってⅯさんの車内でお茶を頂く。Ⅿさんはここが今夜の宿泊地らしい。
次の再会を約束して19:30頃別れた。
再び稚内に戻り風呂を探して3日間の汗を流す。そして、370キロをひた走り午前2時自宅に到着。
旅を終えた・・・。

Ⅿさんは、その後全日程(9座登頂)を終えてわが家にも立ち寄ってくれたのだった・・・。




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2 コメント

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なつかしいねえ~ (Amigo)
2017-09-29 22:06:01
私が『利尻山』に登ったのが、19歳のとき。
もうあれから44年にもなるんだなあ。
そのときはタクシーだのキャンプ場だのはなかった。
従って、港から歩いて登った。

しかし、エバはあの遠隔地にもう3回も通ったというのを知り、ひぇ~っ!
遠すぎる~

この記事は2006年とのことで、やはり二人とも若いなあ・・・
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利尻一周マラソン (エバ)
2017-09-30 05:06:27
2010年6月利尻島一周55キロマラソンに初参加・・・4度目の利尻でした。
この時、利尻島に5座ある1000m超峰を全山踏破しようと計画し車を島に乗り入れ5泊した。

マラソンは、直前で足を痛め私は棄権したが妻は6時間を掛けて完走した。
妻が未踏だった三眺山は、登れたが二人とも未踏の「鬼脇山」と「松ヶ峰」は、
残雪なく根曲がりの藪に敗退し未踏のままだ。
つまり、5度目の利尻は必ずあり今度こそ完登する意気込みはある。

しかし、60を越えて残雪の利尻島は厳しく夫婦だけで出来るかは未定だ・・・。もう若くない。
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