深沢七郎の「楢山節考」を何十年ぶりかで読んだ。
最初に読んだのは、高校生ぐらいの時だったろうか。
あまりにも悲惨な昔の風習に思われて、別世界の出来事のような気がした。
あらすじを追うような読み方で、どんどん読み飛ばしてしまったのを記憶している。
今回は、高齢の両親のことがあるので、小説の内容が自分のことのように感じられた。
おりんの気持ち、息子の辰平の苦しい気持ちが他人事ではなくなった。
身につまされた。。。
高齢社会になり、誰もが「おりん」や「辰平」になり得るのだと感じた。
ほとんど無宗教といっていい宗教観で生きてきたが、
何か心の拠り所になるものが自分の中にあるかと、
最近はつくづく考える。