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たかつき市民環境大学

2024-08-09 14:24:26 | たかつき市民環境大学

第8回 「私たちのくらしとマイクロプラスチック」

     日時:2024年8月8日(木)10時~12時

     講師:同志社大学経済学部 准教授 原田禎夫さん

     場所:高槻市 クリンピア前島

私たちの生活に今や欠かせなくなったプラスチックですが、「未来のために知っておきたい

海とプラスチックの話」という副題で、講座を聴講しました。

大筋は、 ◇急増するプラスチックの生産

     ◇焼却処分に依存した日本の廃棄物処理

     ◇海洋プラスチック汚染

     ◇どうすれば川や海のゴミは減らせる?  

1.プラスチックは全世界で4億t(2015年)生産されており、グラフで分かるように右肩上がりです。

2.日本の生産量は、約1000万t(2022年)で、そのうちの70%は焼却処分(但し熱回収は63%ある)

  、20%がリサイクルされている。但し60万t分は輸出しているため、国内でのリサイクル率は17%

  ということでした。

  輸出するゴミは、当然きれいなゴミということでしょうが、これも資源ではありますね。

  グラフの赤い部分がサーマルリサイクル(熱回収)部分で多くを占めています。

3.分かりにくいのですが、地図の青い部分は大陸で、中央部分は太平洋です。

  茶色い部分が、ゴミの浮遊濃度を表しており、色が濃いほど濃度が高いことを表しています。

  日本列島は、この濃い茶色の中にあります。当然日本や中国からの流出は大きく影響

  しているようです。

  大阪湾の写真   友ヶ島の海岸を埋め尽くすゴミ

  TVニュースによる マイクロプラスチックの報道

  簡単に言えば、粉々になったプラスチックのことで、PETボトル、レジ袋ばかりでなく、

  人工芝や車のタイヤの摩耗紛なども大量に拡散しているようで驚きでした。

  2050年には、海の魚の重量よりプラスチックごみ重量の方が大きくなると言われているようです。

  写真は、400gのアジ1匹 と 同じ重さのゴミを並べた写真です。(真ん中にアジ1匹)

  信じられない光景です。

4.ヨーロッパ(エストニア)の市内に設置されている ボトルの回収BOX

  原田さんの地元 亀岡の保津川でのゴミ回収風景 (市民、行政、のタイアップ)

  (原田さんは、地元亀岡でNPOとして環境保護の活動をされています。)

  海へ流出させないためには上流で食い止めることが重要

  亀岡市のレジ袋禁止条例 (企業の協力)

  衝撃的な内容が多くあり、私たちが日常使用しているプラスチックが、こんなに大きな

  問題を抱えているということを改めて認識しました。特に、マイクロプラスチックは目

  に見えないだけに問題は深刻です。  

  今自分が出来ることは何なのか考えなければなりません。

 

第9回  「エネルギーセンターの見学」

     日時:2024年8月8日(木)13時~15時

     説明・案内役: クリンピア前島職員の  延平さん 中川さん

     場所:第2工場見学

高槻市内の事業系ゴミ(産業廃棄物は除く)と家庭系ゴミは、全てここで処理されています。

今日は、2班に分かれて第2工場の工程見学をさせていただきました。

見学前に 延平さんから施設の概要について説明を受けました。 

  第2工場: 180t/日 ×24Hr×2炉 の処理能力(1995年竣工)

  第3工場: 150t/日 ×24Hr×1炉  〃   (2019年竣工)

出発前 第2工場の模型の前で

 

黄色い作り物は、ゴミ貯蔵ピット内にある段ボール製クレーン実物大モデルです。

幅4m 高さ2.5m もある巨大なものでした。    

①ゴミ投入ステージ: 毎日100台ほどのゴミ収集車(3t)が市内で回収したゴミを搬入します。

②ピット・クレーン・投入ホッパー:ピットは30mの深さがあり、MAX1000t(3日分)の

 可燃ごみが一時貯蔵されます。クレーンでゴミを掴んでは落下を繰り返し(ゴミを乾燥し、

 均一化させる)、ある程度乾燥できたゴミを再度クレーンで掴んでホッパーへ投入する。

 投入されたゴミは、ホッパー底にあるコンベアで燃焼炉へ運ばれる。

③燃焼処理: 900℃以上で燃焼させ、燃焼後はゴミ重量は1/10、容積は1/20になる。

④残った灰は、大阪湾フェニックスセンター(最終処分場)へトラックで運ばれる。

⑤中央操作室  24時間体制です。

⑤その他 特徴

 1)サーマルリサイクル実施(発電=施設利用と売電、排熱利用=隣接の温水プール)

 2)排ガス処理装置 (電気集塵機、洗浄塔、脱硝装置など)

 3)PETボトルのリサイクル施設 (圧縮、梱包)

案内いただいた延平さん、中川さん 有難うございました。

ゴミ処理施設は、まさに縁の下の力持ち的存在です。1日でも滞れば、大変なことになります。

不断の職員の皆さんのおかげであると感謝します。 一方 環境のことを考えれば、ゴミは

削減しなければならず、数十年後のゴミ処理の姿がどのような形になるのか思いを巡らす

ところです。

 

次回講座  第10回「細胞の不思議」     8月22日 10時~12時  生命誌研究館

      第11回「JT生命誌研究館見学」 同日   13時~15時

      館長の永田和宏さんは、歌人としても有名な方です。乞うご期待ください。

 

 


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