絵葉書ロマン譚 絵葉書資料館ブログ

絵葉書を通して、古き良き時代にタイムスリップ

神戸デザイン時計博物館~昭和とプラスティック時計~

2019-07-06 17:15:52 | 企画展



大工場にて生産された機能的で最新鋭の家電と、欧風デザインの団地の生活は、高度成長期における文化的生活の象徴でした。



特に軽くて扱いやすいプラスチィック製品は生活必需品の中心となり、
豊富なデザインのプラスチィック時計が発売されました。
今回紹介したセイコー目覚まし時計「コメットフラワー」は
民放テレビコマーシャルの第一号にも登場した時計です。
値段も手ごろで団地のモダンな部屋に馴染む、
可憐な花のモチーフは新しい家庭の時間を刻む時計にふさわしいデザインでした。




そして流行をいち早く取り入れた
バリエーション豊かな時計が、
次々と世に送り出されたのです。




次回も素敵な時計を紹介します。
お楽しみに!






次回は7月の予定です


文明開化と西洋時計

2019-04-26 20:34:32 | 企画展

1492年コロンブス使用の時計


日本が西洋文化を積極的に取り入れたのは、
生活水準の高さを国内外にしめす目的がありました。



そのため舶来品の日用品や贅沢品などが次々と紹介され、
物珍しく高価な西洋時計は富裕層に熱狂的にもてはやされ、
紳士淑女は懐中時計を持ち、置時計は応接間のシンボルになりました。



供給が追いつかず、仕入れた商品を店へ運ぶ間に
売り切れてしまったこともあったそうです。
それだけ人気のあった時計ですが、西洋式の機械時計について
国内の技術はまだ追いついておらず、輸入販売が中心でした。



今では世界有数の時計メーカーとして名を馳せているセイコーも、
輸入販売から始めたそうです。




東京や大阪を中心に輸入時計商が開業し、
販売ノウハウや修理技術が向上しました。
経験を積んだことにより、日本でも本格的な時計製造工場ができました。
そこから日本の時計産業は急速に発展するのです。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は5月の予定です


神戸時計デザイン博物館

2019-03-29 20:58:41 | 企画展



時間という考え方は、人の労働を生活の基準になっただけでなく、
宗教的儀式の指針ともなりました。
時間を目に見える形で表すものとして、日時計や水時計が作られ、
人が集まる街の中心施設などが、鐘を鳴らす役割を担いました。



太陽の傾きや水の流れなどを利用した時計は天候など環境に左右されやすく、
誰かが読み取り報せる必要があったのです。



しかしゼンマイが発明されてから、その様相は一変します。
自動で時を刻み音で報せる機械式時計を作り出され、
鐘を動かす大掛かりな装置から小型化が進み、
現在の私たちが知る様々な時計が制作されました。



日本では遣唐使が持ち帰った漏刻(ろうこく)と呼ばれる水時計から、
本格的な使用が始まったと言われております。
太陰暦に基づいた日本独自のゼンマイ式和戸時計が発展しましたが、
明治時代に入りグレゴリオ暦に基づく一時間単位で時刻を合わせた
機械式時計の輸入、国産の生産・販売されたのです。





この度、姉妹館として時代を彩る
デザイン時計を楽しむ博物館をテーマにした、
「神戸時計デザイン博物館」を4月11日に開館いたします。

デザインに拘った世界の時計をご高覧ください。





次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は4月の予定です


日本の近代化と植物3~温室~

2018-11-29 22:25:51 | 企画展

御苑内植物館内部
昌徳宮大温室




日本庭園とは、八百万の神の宿る神聖な
山岳や泉を模して造られた、儀式の空間だったそうです。
時代の変遷と共に、宗教的価値観から離れ
、交流を深める場として癒しや遊び心が加えられました。


建築の変化とともに伝統を守りつつ、
高めた技術力を発揮し、原風景とモダンが融合した新しい庭が創造されました。


その中でも温室は最新鋭の贅沢な
室内庭園として、富裕層に好まれました。
1851年に開催されたロンドン博覧会の目玉だった、
巨大な温室型展示場「クリスタルパレス」は、
複雑な鉄骨の骨組みとガラス板の大量生産が
可能になったことにより実現できました。



この技術は、園芸の飛躍的な
発展に大きく貢献しました。
新しい植物の開発や貴重な植物の研究や保存。




さらに観賞用、遊興の場所と多種多様な
利用方法を生みだしたのです。
室内で植物を鑑賞する習慣のあった日本でも、
賓客を招く社交場として設けられたそうです。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は12月の予定です


猫の浮世絵~猫と遊び絵~

2018-08-31 15:58:22 | 企画展

歌川国利
新板猫の温泉





猫の擬人化が、国芳の国利を始め
多くの弟子たちへと引き継がれ、
明治以降に猫で庶民の生活や
小噺を描いた「おもちゃ絵」が流行します。



おもちゃ絵は子ども向け。遊びながら、
生活の知恵や昔話などを学ぶことができます。
すごろくは特に人気で、様々なテーマで、
世俗的なことを描きました。



おもちゃ絵を手掛ける多くは駆け出しの新人の仕事でした。



おそらく師匠から画名をもらってない絵師が手掛けていたと思われ
、その多くの作者名が記されておりません。




しかし、そのユニークな魅力は損なわれず、
むしろおおらかで滑稽な
猫だけの世界を表現しています。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!



猫の浮世絵展は12月27日まで開催しております。
お近くに御寄りのさいは、ぜひ御高覧下さいませ!



次回は9月の予定です