Sarah Bernhardt 1904
サラ・ベルナールは18歳で初舞台を踏みました。
大女優として成功を収め、波乱万丈な人生を送りました。
舞台での怪我が原因で片足を失うなど、不幸に見舞われましたが、
79歳で息を引き取る寸前まで舞台に立ち続けたのです。
アルフォンス・ミュシャと
サラ・ベルナールが出会ったのは、1894年の12月。
彼女が主演をつとめる演劇「ジスモンダ」の
ポスター依頼がきっかけでした。
依頼があったのはクリスマスの日。1月4日の公演に合わせて、
元旦から張り出したいという大至急の依頼でしたが、
ミュシャは納期に間に合わせました。
Gismonda Poster
Litho Maotre de Affice
「ジスモンダ」は有名な聖書の一場面を舞台化したもので、
イェルサレムに入城したイエスを歓待する行列へ、
ジスモンダがシュロの葉を携えて参列する
クライマックスのシーンをポスターに再現しました。
当時最先端の流行であった、
アール・ヌーヴォーとビザンティン風デザインの融合。
ミュシャしか持ちえないオリエンタルな魅力に、
パリ中の人々は虜になりました。
公演は大成功を収め、彼の才能を気に入ったサラ・ベルナールは、
その後5年に渡り専属契約を結びました。
そしてミュシャ自身もこのポスターを切っ掛けに、
大成功を収めることとなったのです。
Sarah Bernhardt 1897
またミュシャのポスターは単なる宣伝告知だけでなく、
既に大女優だったサラに新たな閃きや霊感を与えていたようです。
彼女はミュシャのポスターデザインから、
衣装やアクセサリーを再現し実際に舞台に身に着けました。
例えば『女王メデイア』のポスターに描かれた、
腕に絡みつく蛇はミュシャオリジナルでしたが、
サラはフーケにブレスレットの製作を依頼。
アール・ヌーヴォーを代表するアクセサリーが誕生しました。
次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!
次回は2月1日の予定です