先日、春一番が吹いてから、
少しずつですが季節が春へと変わってきているような気がします。
さて、もうすぐひな祭り。
女の子の日として日本各地でお祝い事がありますね。
今回はひな祭りに先駆けて、絵葉書に登場する、
日本と西洋のファンシーな女の子を紹介します!
西洋で子どもは
小さな大人という考えが強く、
ファッションも大人の
縮小版を着せておりました。
それが近代に入り、
考え方を見直すようになり、
子どもの生活に合う
締め付けのない
活動的な服装が登場しました。
そして富裕層を中心に、
子服の流行が生まれました。
当時は動きやすく
可愛らしいをモットーに、
レースやフリルをつけた、
刺繍入りのひざ丈の
ドレスが流行しました。
お便りをあなたに
~少女と手紙~
その中で特に大人気だったのが、
ケイト・グリーナウェイ・ドレスです。
ケイト・グリーナウェイは、
19世紀末に一世風靡した
人気挿絵画家です。
挿絵の子供たちは
大きな帽子にゆったりしたドレスという、
ヴィクトリア朝の服装をしていました。
それが子どもを持つ母親世代に
懐かしくて可愛いと評判になり、
今でいうレトロファッションブーム
が湧きあがったのです。
その人気にあやかり、各店で
レトロ風にアレンジした子ども服を
ケイト・グリーナウェイ・ドレス
として売り出しました。
イースターラビットと少女
好評を博したこれらのファッションは
毎年様々なヴァリエーションが発表され、
イギリスやフランスなどで20世紀初頭まで流行したのです。
対して日本は子どものための
独自の文化が発展していました。
ファッションはきものが中心で、
基本構造は大人と
変わりありませんが、
子服らしい細かい
配慮がされています。
例えば成長期の
子どもの体は見る間に
大きくなっていきます。
背に合わせてすぐ
着物を新調することはせず、
あらかじめ大きめの
着物を作っておきました。
余分な布は肩や腰の部分に
縫い上げておきます。
目隠し
そして成長に合わせて糸をほぐして、寸法を調節しました。
効率的でリサイクル精神に富みながら、
子どものことをよく考えたデザインですね。
また普段着は
大人用のリメイクが大半で、
柄も落ち着いたものが多いです。
しかし晴れ着となると
一転、子どもを
意識した色目鮮やかな
可愛い模様に変わりました。
特に女の子はピンクや
赤や黄色など華やかな
色合いが多く使います。
モチーフは男女共通の
松竹梅や宝船などの
縁起物以外に、
季節の花や動物といった
女の子を意識した模様が
使われました。
仲良し姉妹
当時の晴れ着を見ると、鮮やかな色彩と
可愛らし模様に目を奪われてしまいます。
さて次回も素敵な絵葉書を紹介いたします。
お楽しみに!
次回は3月6日の予定です