前回取り上げた葛飾北斎は
リアルな迫力を得意としておりましたが、
歌川広重は情緒で心をゆさぶる作品を
数多く発表しました。
今回紹介する広重の代表作
「名所江戸百景」や「東海道五十三次」は、
日本人なら一度は見たことのある
有名な作品ではないでしょうか。
名所江戸百景
大はしあたけの夕立
「大はしあたけの夕立」は、広重の傑作と呼ばれております。
濃淡の二色の刷り分けと、
縦に走る細かい線により突然の夕立が表現されてます。
まるで時間を切り取ったような
この作品は凄まじい雨音まで聞こえてきそうですね。
東海道五十三次
日本橋
また彼は実際には見ることのできない構図や、
ありえない情景を描くことがあります。
広重は現実によりも、誰もが心に描く心象風景や
強烈な印象を全面に押し出すことで、
日本の原風景を目にしているような感覚をもたらします。
結果多くの日本人の心を深く共感せしめる
世界観を作り上げることに成功したのです。
次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!
次回は7月の予定です