現実にない夢想の世界。瞑目する、ガラス細工のような女性――
東郷青児は絵画だけでなく、
包装紙や雑誌・本の装丁、化粧品のパッケージや雑貨のデザイン、
さらに喫茶店のプロデュースまで手掛けた、驚くべきマルチな才能の持ち主でした。
彼の作品は長い間、ご婦人たちの
生活の中に溶け込んでおりました。
そんな多才な彼もまた、
パリにおもむき修業した時期があります。
1921年から1928年の七年間を滞欧した東郷青児は、
同じ志で励む日本人画家や
、ピカソやローランサンといった芸術家と交流しました。
前回取り上げた、蕗谷虹児とも知り合い、
パリでは共に研鑽を重ねた仲間でもありました。
パリ滞在中の東郷青児はまだスタイルを確立しておらず、
未来派やダダイズムのなどに触れ、自身の独自性を追求しました。
前回取り上げた、蕗谷虹児とも知り合い、
パリでは共に研鑽を重ねた仲間でもありました。
パリ滞在中の東郷青児はまだスタイルを確立しておらず、
未来派やダダイズムのなどに触れ、自身の独自性を追求しました。
東郷青児
婦人像
彼にとってパリでの生活は、
己の表現をいかなる芸術に昇華するか問い続ける、
苦悩と模索の旅でもありました。
日本に戻った彼はその後、培った経験や
技術を活かし、新たな女性像を創り出しました。
私たちが知る、東郷青児が誕生したのです。
次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!
次回は8月の予定です