絵葉書ロマン譚 絵葉書資料館ブログ

絵葉書を通して、古き良き時代にタイムスリップ

お正月と観光~動物園~

2019-12-27 10:20:27 | 特集
行樂の絶好地、
 動物園風景 京都


新年を迎えると、隣人や親族同士で新年の挨拶を交わし合い、参拝します。
 そんな習慣が時代とともに移り変わり、新年行事が観光と結びつくようになりました。


年末年始に旅行して有名な神社仏閣へ参拝し、観光地へ行くようにもなりました。
また都市近郊で行楽地や催し物が開催されるようになったことで、
お正月に家族で楽しむイベントが増えてきました。


その中の一つとして、動物園があります。
動物園は生物を研究・観察・公開が目的であり、
市民が生き物について学ぶ場でありますが、見世物的側面があります。


訪れた見学者らは遠路はるばるやってきた珍しい動物や、披露される芸を楽しんだのです。
現代でも動物園にて、新年に干支の動物の公開、触れあう場面などが報じられますが、
明治以降に動物園が開園されてから名物として告知されていたようです。




このイベントは評判がよく、都会の家族の新しい正月恒例行事となりました。
 



次回も素敵な絵葉書を紹介します。
 お楽しみに!





次回は1月の予定です


日本と高層建築

2019-12-03 22:03:11 | 特集

東京
浅草十二階




博覧会は、最新の技術や工芸品などの展示品だけでなく、
その会場を彩る建築物も注目の的でした。
技術の粋を集めた巨大なモニュメントや建築物は、
開催国の国力を示すと同時に博覧会の大きな広告塔の役割も持ち、後々まで残され、活用されます。
数多くの近代建築の中でも、特に話題性抜群であったのが、高層建築の登場です。



エッフェル塔に代表されるように、天に届かんばかりの巨大な塔などの建築は、
自重を支えることができる鉄骨の製造と、
複雑な構造を建設する技術が必要とされます。
今でこそ世界中の都心部にて乱立する高層ビルですが、当初はその群を抜く外観と、
広大な景色を一望できることから、観光の目玉となりました。



日本でも、明治以降、観光名所として各地で高さを競うビルや塔が建築されます。
その中の一つ、浅草凌雲閣を紹介いたします。
設計者は帝国大学工科大学教師の英人バルトン。工事監督は伊藤雄司。
八角形で、日本初のエレベーターが備え付けられたこの高層建築物は、
休憩所や売店のフロアがあり、最上階には望遠鏡が設置されていた。



また、高さだけでなく、さまざまなイベントも開催され、
その中でも話題になったのが日本初の美人コンクールである。
応募された美女の写真を展示し、訪れた人の目を楽しませた。
この企画はなかなか好評だったらしく、
外国人向けの「東京百花美人鏡」など、何度も開催されたようです。




浅草十二階と呼ばれ、人気のスポットだった凌雲閣でしたが、
大正12年の関東大震災で半壊、取り壊されました。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は12月の予定です


博覧会と名産品

2019-11-02 15:41:46 | 特集

開道五十年記念
北海道博覧会




世界各国の特色や銘品・発明品を展示、発表した万国博覧会。
近代国家の代表する一大イベントとして博覧会は、たびたび開催されました。



日本でも各地方の名産品や製品を陳列する国内向けの博覧会が催され、
知名度の向上と品質改良が進んでいきました。



観光業の発展は地域へ訪れる人も増加しましたが、トラブルも増えていきました。
その中で、お土産の粗悪品問題が浮上してきたのです。
とくに特産品の安全・衛生面や民芸品の不良品は共通の課題になりました。



そのため観光地は製品製造の統制と品質の向上を各組合で努力するようになります。
そうやって作られた名物品を博覧会で宣伝しました。





現代の百貨店などのである、人気イベント物産展の原型でもあったのです。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は11月の予定です


モダンな流行生活12~観光旅行とお土産①~

2019-09-28 21:08:57 | 特集

名跡来訪、観光地遊覧。交通機関が発展してから、
ますます観光旅行の需要と人気が高まってきました。



東海道中膝栗毛に代表されるように、
神社仏閣への参拝は代表的な旅行プランでした。
かつて旅の目的は神社に参詣し、
親族や友人の代表として供物を捧げて祈祷することにありました。



してお神酒や献上品のお下がりを頂戴し、
帰宅時にふるまうことがお土産の起源とされております。
日本のお土産にお菓子が多いのは、その名残だそうです。



明治以降の鉄道の開通とともに個人旅行者も増加し、
旅先の手土産が必要とされるようになります。
京都は歴史的な建造物と神社仏閣が数多くあり、
バラエティに富んだ名物やお土産が次々誕生しました。






kob015k-Kyoto Station 京都駅


絵葉書もまだまだカメラが高級品であったため、
その土地へ行った記念のお土産になったのです。





次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は10月の予定です


神戸時計デザイン博物館~花時計~

2019-08-31 17:56:26 | 特集



これまで生活に必需品だった時計を特集致しましたが、
今回は少し変わった時計として、花時計の紹介をいたします。
文字盤やその周囲を植物で装飾した花時計は、百年以上の歴史があります。
この時計は機械のメンテナンスは勿論のこと、つねに花の手入れをしなくてはいけません。



園芸と機械式時計の融合は、豊かさと高い技術が必要です。
そのため花時計は広場や公園のシンボルとなりました。



日本で最初の花時計が作られたのは、神戸と言われております。
1955年にジュネーブ国際会議に出席した宮崎副市長は同地の花時計に深い感銘を受け、
戦後の復興記念として神戸市役所前に設置いたしました。
市民の支えがあって誕生した日本花時計第一号は、設置当初から花を植え替え続けられております。



今では全国に500件以上の花時計があり、
それぞれ工夫凝らされたデザインで、人々の目を楽しませております。



当館にて常設展示中の神戸フォトミュージアム所蔵の、
昭和の懐かしの風景もご覧ください。


神戸フォトミュージアム


神戸時計デザイン博物館は、絵葉書資料館と
ともに皆様のお越しをお待ちしております。
お近くにお越しの際には是非お立ち寄りくださいませ。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は9月の予定です