梅も咲き、春の陽気が感じられるようになりました。
これから新しいスタートを切るのに良い雰囲気になりましたね。
大正から昭和にかけて躍進を遂げた大衆小説の人気と共に
挿絵などのイラストレーションも注目されるようになりました。
その中でも熱狂的な支持を浴びていたのが、高畠華宵です。
幼少の頃より画家になることを夢見た彼は、
様々な美術学校や画塾へ通い才能を養いました。
そして苦労の末、婦人薬の広告絵で一躍有名となり、
『少年倶楽部』や『少女画報』などの雑誌を中心活躍したのです。
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高畠華宵 愛人
処女の日の時枝
或る日の志摩子
彼の描く少年少女は見目麗しく、
清純さの中につややかな魅力が溢れていました。
細部まで描き込まれたタッチはエキゾチックで、
あでやかな色彩に目を奪われます。
またファッションの手本になるほど
モダンでおしゃれなスタイルも好評で、
一度描いた柄や着こなしは二度と使わなかったそうです。
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高畠華宵画 涼風
流行の最先端をいく彼のデザインは
女学生やモダンガールたちの憧れの的。
彼に憧れが高じて一目会いたいと家出する人まで続出したそうです。
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高畠華宵 武運を祈りて
彼が手がけたレターセットが女学生の間で大ブレイクしたことや
流行歌の中にも取り上げられたことから、人気のほどがわかります。
多くの人々を魅了し、こがれ愛された華宵は、
今でもモダンな時代を鮮やかに蘇らせます。
さて次回も素敵な絵葉書を紹介致します。
お楽しみに!
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