現代は飛行機という便利な手段がありますが、
それ以前の大陸間の移動手段は船でした。
豪華な大型客船は、国力の象徴であることから、
各国で国をあげて建造しました。
あるぜんちな丸
特別室 [富士]居間
大阪商船
船旅は長期間に渡るため、航海中に客をあきさせないよう、
豪華な非日常空間を作り出し、
劇場公演やコンサートの観劇だけでなく、
参加型のイベントなどさまざまな工夫をしたそうです。
大正から昭和初期にかけて、
船旅は日本でも隆盛を極め、
造船技術の向上と共に国産の豪華客船が登場します。
大阪商船は大型客船を何艘も持つ大企業の一社で、
『あるぜんちな丸』は、三か月の航海で世界一周しました。
巨大な船体で、村野藤吾と
中村順平が分担して豪華な内装を設計しました。
特に特別室「富士」「桜」「鎌倉」「武士(さむらい)」は、
フランスやイギリスの外国様式を取り入れながら、
エッチンググラスなどで日本趣味的でモダンな装飾を施しました。
また、非日常の演出の一つとして、働くボーイも美男子を採用したとか。
第二次世界大戦を期に、日本の客船はほとんど失われましたが、
近年に入って、クルーズ客船が再び脚光を浴びるようになり、
船旅も身近なものに変わりつつあります。
次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!
次回は2月の予定です