エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

石蕗の花

2017年11月04日 | ポエム
石蕗の花は、冬の季語である。
それも初冬の季語。
美しい語感を持った季語である。



楚として立ち上がっている。
これは、比較的珍しい咲き方である。

蕗の文字が入っているけれど、実は菊科の植物である。
キク科ツワブキ属。
葉が、蕗と似ている事から「石蕗」と呼ばれるのである。

石田波郷が、句を残している。
「病まぬ生より病める生ながし石蕗の花」
闘病生活の長かった、石田波郷らしい句である。







「石蕗の花目にも優しき照り返し」







たっぷりと咲く石蕗の花。
ぼくは、この咲き方を好もしいとは思わない。



楚として、且つ嫋やかである事が好もしい。


     荒 野人