エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

富士大山道

2017年11月25日 | ポエム
富士大山道、古道である。
今、ぼくは棲息している地域である。

この地域には、何本かの古道が通っている。
鎌倉古道も通っている。



大山古道の一里塚、と看板がある。
どこから一理なのか、それは判然としない。

そして何故なのか、子安地蔵が安置されている。



不思議なのだけれど、一年中花が絶えた事は無い。
きっと、地元の方が供えておられるのだと思う。
その心根は、間違いなく優しい。







「往還や残る祠に菊供ふ」







地蔵堂と云っても良い、小さな祠である。
かなり古い祠であって、絵馬なども古色蒼然としている。



その醸し出す雰囲気は、古武士然として風雪に耐えている。
赤い、涎掛けが目に眩しい。

そして、深く沁みてくるのである。


     荒 野人