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エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

枯蓮

2018年01月12日 | ポエム
上野不忍池、である。
四季折々楽しい池だ。

敗荷のとき・・・蓮花が満開のとき・・・。
そしていま、枯蓮が池の全面を覆うとき。



ぼくは、二日続けてこの池の周りを散策した。
一度は、東照宮の牡丹苑。
もう一度は、アンデス展。



かつて句友と吟行をした。
その時は、敗荷。
子規球場を回って、句会に・・・。

ついでに、ドンレミのアウトレットで洋菓子を買い求めたものだった。







「枯蓮の花托沈みて水清む」







上野が海に近いとは思わないけれど、海猫が飛来している。



不忍池の点描となっている。
なんとも不思議である。



だがしかし、彼らは啼かない。
遠慮しているのだろうか。

蓮の花托が枯れて池に落ち込んでいる。
花托が、水を清めているのだろうか。
池の水底までくっきりと、見える。


     荒 野人

上野のお山の鶯団子

2018年01月11日 | ポエム
昨日、上野東照宮の牡丹苑を歩いた。
牡丹は、ほぼほぼ6割方開いている。
藁ボッチの風情と合わさった、寒牡丹である。



寒牡丹は、改めて句にしようと思っている。
牡丹苑を出て、左側門前。



鶯団子の茶店が構えている。
いつもいつも・・・気になっているお店である。



冬場は、おでんの幟も立っている。
勿論、団子が売りの店である。



東照宮のシンボル、五重塔が聳えるその真下である。







「満ち足りて満ち足りて冬団子食ぶ」







完食。
あんこが、三種類とも漉餡であってぼくの好みである。
お餅は少々、あんこたっぷり。

普段は、こんなにあんこを食べない。



満ち足りて、満ち足りて店を出る。
風は徐々に冷たくなってきていたのだけれど、お腹はほこほこであった。


     荒 野人

松納・・・松がとれました

2018年01月08日 | ポエム
昨日が松の明け。
門口の松飾りを外す日、でありました。

松納、まつおさめとも云います。
松過、まつすぎとも云います。

新年の美しい言葉、であります。



これは、芙蓉の絮です。
新年のオマージュとも云えないけれど、齢を重ねる哀しさが見えるのです。
松納に合わせて、今年の賀状に記した新年の句を紹介します。







「幣帛の揺るる殿内初祓」
「しめやかに刻の野辺ゆく初夜明」
「繰り返し観じてみたき初景色」
「竹林の音消し去って初鶯」
「何事も無きかのように初松籟」







幣帛・・・へいはく
松籟・・・しょうらい

初物尽くし五題、としました。
佳句ではないけれど、気分は正月です。

御尋ね頂いた皆様の、今年一年のご多幸を御祈り申し上げます。


          荒 野人

木守柚

2018年01月07日 | ポエム
木守柿の傍題、である。
歳時記を括りながら、木守柚に行き当たった時は感動を感じたのであった。
柚子も、木守で良いんだ!
その感動である。







「香気秘めトパーズ色の木守柚」







我が家は、柚子を使った総菜が多い。
柚子湯にも入るけれど、やはり料理に使う事でその特徴が生きる。

かつて、高村光太郎は檸檬を「トパーズ色の香気」と表現したけれど・・・。
柚子も又、トパーズ色である。

母の亡くなった時、トパーズとアクアマリンの石が各二つずつ残された。
それと、5カラットほどのダイヤモンドの指輪。
ダイヤの指輪とトパーズは妹に、ぼくはアクアマリンと分けた。
まだ、ぼくの手元にある。
一つは指輪に変わり、一つはタイピンに変わっている。
柚子の木守・・・トパーズの香気で、母のそんな思い出が蘇った。

母は、トパーズのような人であった。


     荒 野人

枇杷の花

2018年01月06日 | ポエム
枇杷の花は、匂いが優しい。
それは本当だ。

果肉の瑞々しさこそが、枇杷の真骨頂であるとしたら・・・。
琵琶の花の甘やかな匂いこそが、その本質なのである。



大概は、樹の上の方に咲いている。
直接鼻をつけて匂いを感じる事は、なかなかに難しい。
けれど、どれほど高みにあろうとも咲いている事でホッとする。

犇めいて咲く・・・。
そんな花である。







「犇めいて街の何処かの琵琶の花」







路地に植えられている枇杷も、その甘さは例外ではないのである。
試しに、枇杷が熟れた頃に一つ捥いで食べてみると良い。



その甘さにきっと驚くに違いないのである。
深大寺の横にある、天然温泉の駐車場にひそとある枇杷の木。
その枇杷の実は、とても甘い。


     荒 野人