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京大、甲虫の種の多様化は飛翔能力の退化が主要な推進力となったことを確認

2012-02-02 18:06:39 | Weblog
京大、甲虫の種の多様化は飛翔能力の退化が主要な推進力となったことを確認(マイナビニュース) - goo ニュース

京都大学(京大)は2月1日、昆虫の中でも特に種数が多い甲虫において、飛翔能力の退化が種の多様化における主要な推進力となってきたことを確認したと発表した。研究は京都大学理学研究科の曽田貞滋教授らの研究グループによるもので、成果は英科学雑誌「Nature Communications」に英国時間1月31日付けで掲載された。

昆虫は地球上の全生物種の半数を占めており、最も種数が多い生物群だ。昆虫は古生代シルル紀(4億2000万年前)に登場した最古の陸上動物の1つであり、有翅昆虫(有翅亜綱)は4億年前には出現していたと推測されている。

昆虫が繁栄している理由の1つが、翅(はね)を進化させ、飛べるようになったことだ。現在知られている昆虫の種は約100万種に及ぶが、その99%は有翅昆虫である。昆虫の中で特に種数の多いグループは、甲虫目、双翅目(ハエ、カ)、膜翅目(ハチ、アリ)、鱗翅目(チョウ、ガ)の4種類で、いずれも有翅昆虫だ。飛翔能力の獲得によって、広い範囲でエサや配偶者を探すことが可能になり、さらにさまざまな地域や生息環境へと分布を広げることが可能になったことが繁栄につながったというわけだ。

しかし、翅とそれを動かす飛翔筋を形成するには大きなコストがかかる。飛翔のために費やす物質・エネルギーを繁殖や生存にまわせば、より多くの子孫を残せる場合もあるのだ。

そこで、飛翔筋の退化や、翅そのものの退化によって、飛ばずに生活する方向に進化した昆虫もしばしば見られる。一般に、移動分散力が乏しい生物ほど、異所的な集団間の遺伝的な分化が進み、そのために種分化を起こしやすいと考えられるわけだ。従って、飛翔能力を失った昆虫の系統では、種分化が速く進行することが予測される。

研究グループでは、約35万種と昆虫の中でも特に種数が多い甲虫類(昆虫の種の40%を占める)について、「適応的に飛翔能力が退化した系統では、移動力が低下して、異所的種分化が促進され、種が増加する」という仮説を立て、「ヒラタシデムシ」(画像1)というグループでその仮説が検証された。



広範囲に分布するために飛翔能力を獲得し、広い範囲に分布したら、繁栄するために飛翔能力を退化させるとは面白い適応能力ですね。



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