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天気 いいお天気
ユベール・マンガレリ 著 : おわりの雪
を、読みました。
この作品は、一年ほど前、NHKの週間ブックレビューで
3人のゲストと、司会者2人がとても高く評価していた作品で
ようやく図書館に登場したので、読んでみました。
主人公は少年「ぼく」で、ぼくの語りで、物語は進行します。
全て、回想シーンで、少年時代を少年に戻って、語ります。
少年は、大好きなお父さんが寝たきりの、貧しい暮らしです。
家計を助ける為に、養老院で散歩の介助の仕事をしていますが
そんな折、どうしても欲しくてたまらないものを、見てしまいます。
それは、鳶。この鳶を手に入れるために少年は
悲しい体験を重ねます。
静かなストーリー展開の中にも、欲望や無常さ、かすかな希望がしっかりと
刻み込まれていました。
物語は淡々としていて、全く派手さに欠ける作品ですが
読書通の方々が、絶賛した事が、大変共感できる作品です。
静かで、綺麗な作品で、寒い冬の夜におススメの本です。