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五郎治殿御始末

2007年07月06日 14時53分39秒 | ベリーの感想文(本・映画)
五郎治殿御始末

中央公論新社

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天気      朝から強めのが降ったりやんだり

 

浅田次郎 著 : 五郎治殿御始末
を、読みました。


江戸時代が終わり、明治時代が始まるその境目の
時間を生きた、侍たちが主人公として登場する短編集。

御一新で武士から商人に転身し、成功しながらも
やりきれない何かを持ち続けている大店の主人。
戊申、函館の戦いの最中、命を千両で撃った男。
一年が365日の西洋歴になる事で、民百姓の苦労を
おもんばかる小役人。
今までの時間の間隔を根こそぎ変えられ
24時間、60分、60秒の時間にしばられ生きることに
疑問を感じる兵隊。
桜田門外の変以来、仇討を心に誓った男の13年間。
どれもこれも、江戸の時代は武士として生きていた
男たちのその後の人生でした。

さすが、ジローさんの物語らしく、登場する男たちは
皆義理堅く、誠実で、それを支える女たちは凛々しくて
たおやかです。

多くの人が路頭に迷い、沢山の価値観が否定された
激動の時代を感じつつも、その中で背筋をピンとのばして
生きてゆくことが、どれほど厳しく、しかし美しいかということを
思った作品でした。
  

  「苦労は忘れたほうがいい。身体が覚えていればいい。」
こんな潔さがあってこそ、美しく生きてゆけるのでしょう。