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さがしもの (新潮文庫) 角田 光代 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
天気 三月上旬の暖かさ
角田光代 著 : さがしもの
を、読みました。
この本は、以前メディアファクトリーより出版された
“この本が、世界に存在するということ” ←以前の感想はこちら
が、文庫化されて、新潮社から出ている本です。
文庫の角田作品は読破したはずなのに、この本はまだだった。と
購入してみると、読んだことのある本でびっくりしましたが
やはり、再読って大切ですね。
一度読んだ本とは思えないほど、面白く感じました。
4つ目の作品“彼と私の本棚”は
学生時代から続いてきた彼ハナケンと、別れるために本棚を整理
するシーンから始まります。
出会った頃、何よりも感動したのはハナケンとの本の趣味が
とても似ていたことでした。
一緒に同じ本を読むことで、同じ時を共有していると感じ
それが何よりも強い絆だと感じていた主人公。
しかし、別れの日はやってきて、自分の持っていた本たちと
一人暮らしを始めます。
「だれかを好きになって、
好きになって別れるって
こういうことなんだとはじめて知る
本棚を共有するようなこと。
(途中略)
すでに自分の一部になったものをひっぺがし、
永遠に失うようなこと。」
本にまつわるお話が9つ収められたこの本は
本が好きな人には、ぜひ読んでいただきたい、一冊です。