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ぼくとネモ号と彼女たち (河出文庫) 角田 光代 河出書房新社 このアイテムの詳細を見る |
天気
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角田光代 著 : ぼくとネモ号と彼女たち
を、読みました。
中古で買ったシビックを、友人たちにお披露目しようと
ハンドルを握ったものの、だれも車に興味を示さず
結局、好きでもない高校時代の女子友達を乗せて
あてもなく走り始めることに・・・。
途中、助手席の女性は何度か変わり、彼女たちの行きたい場所へ。
あてのない旅は、東京からはるか遠くに来ていました。
風変りな女たちを乗せて、この旅はどこまで続くのか?
映画で言うならば、さしずめロードムービーです。
「国道沿いのラブホテルに、入るか?どうしよう・・・・。」という
主人公の心の葛藤から始まる、この本。
主人公のフリーター“ぼく”が15万の中古の車を購入したことをきっかけに
なぜか旅に出てしまう結果になり、助手席には3人の女性が座ります。
乗り込んでは下りてゆく、女性たちに対して抱く印象。
車を運転しながら、車内に流れる音楽。
次々に通り過ぎてゆく、同じような風景。
なんだかまるでこれは、人生みたいではないか?
日々繰り返される出会いと別れに、心を砕き
しかし、自分目線の人間関係には、なかなか心が通う瞬間はなく、
窓の外を流れる同じような風景は、同じようで決して同じではない。
主人公“ぼく”は、どこまで行っちゃうんだろ?
うちに帰っても、この珍妙な旅は、きっと続いてゆくんだろう。
私の中でも、ずっと続いているように。