私は勤務しているクリニックで、患者さんの心理検査を担当しているのですが、
ときどき、医師から、検査中の様子を撮影して欲しいと言われるときがあります。
検査結果の数値を見るだけではなく、患者さんがどのように検査に対応しているのか、目で見て確かめるためです。
前回、撮影したのは、1年以上も前でした。
私は久々にビデオカメラをセットして、検査の様子を撮影しました。
医師に映像を渡す前に、自分でもパソコンの画面でチェックしてみました。
毎回、撮影をするときはそうなのですが、(患者さんには悪いのですが)私はつい、患者さんではなく、自分自身を見てしまいます。
そして、「うわー、太ってるな」「これはひどい」など、自分の容姿に心の中でツッコミを入れています。自意識過剰でしょうか。
今回は、久々の撮影ということで、私にはちょっとした期待がありました。
前回に比べて大分痩せたので、私は映像上も、美しくなったのではないかという思いがあったのです。
ドキドキしながら映像を見ましたが、そこに映っていたのは、このうえなくダサいおばさんでした。言葉一つで形容するなら、「もっさり」という言葉がぴったりでした。私はこの日、お気に入りのイヤリングをしていましたが、確かにそのイヤリングは、もっさりした髪の間に、だらしなくぶらぶら揺れていました。残念ながら、そのおばさんは、私だと認めざるを得ませんでした。私は膝から崩れ落ちるほどショックを受け、しばらく立ち直れずにいました(患者さんごめんなさい)。
このおばさんを見て恋に落ちる人は、世界広しといえども、一人もいないだろうと確信が持てました。私は何を夢見ていたのだろう。。
私は間もなく50代を迎えますが、やはり、少しでも美しくなりたい、いや、せめて少しでも垢抜けていたいと思いました。「女を忘れない」という言葉はいやらしくて嫌いですが、少しでも小奇麗な人間でいたいと思います。それは、人の気を引くためではなく、自分自身のためです。自分の容姿に少しでも満足できれば、その日一日、自信を持って、楽しく過ごせるからです。
誰のためでもなく、私自身のために。
お洒落の努力を怠らず、綺麗になりたいと思います。