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伊勢型紙資料館


鈴鹿市白子にある伊勢型紙資料館を訪ねました。
この資料館は江戸末期の建物で、型紙問屋として栄えた寺尾家の住宅を修復して一般公開しています。
寺尾家は伊勢型紙の生産が盛んな白子でも屈指の商家で、生産から販売までを一貫して行い、遠くは東北地方にまで販路をもつ豪商でした。

館内には、伊勢型紙の生産工程を紹介するビデオ映像があり、型紙と染め上がった江戸小紋の反物も陳列されています。
現在では、実際に伊勢型紙を使用して染める反物の数量はかなり減っています。需要が少なくなったこともありますが、型紙があっても染める職人さんがいなくなりました。高齢化しているのは鈴鹿市の型紙職人だけでなく、東京や京都の染め職人も同じです。
型紙をフィルムに印刷した染色法やスクリーン染の江戸小紋が大半を占め、従来のように伊勢型紙を使った本物の江戸小紋は非常に少なくなりました。
来週から東京の老舗竺仙(ちくせん)製の江戸小紋とゆかたを展示しますが、竺仙の江戸小紋は全て伊勢型紙を使って職人が染めた「手付け江戸小紋」と呼ばれるものばかりです。
三重県内のみならず、東海地方でも普段なかなかお目に掛けることができない商品なので、ぜひご覧になっていただきたいものです。
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