1995年1月17日、筆者は静岡県三島市のある有名なうなぎ屋で昼食にウナギを食べていた。広くもない店内はほぼ満席であった。ふと店内が静かになったように感じた。周囲を見ると客の多くがTVを見ていた。筆者もTVを見た。画面の中でアナウンサーが崩れた町中を映している映像の説明をしていた。どこかで大きな地震があってその被害状況を報道しているようだった。しばらく画面を見ていると、大きな地震があり甚大な被害を被ったのは兵庫県の神戸市のようであった。筆者は好物のうな重を食べるのを忘れて画面に見入った。幸い火災発生はその時刻では少ない模様であった。早朝の地震発生ということもあり、炊事時間には間があったのだろうと思った。高速道路が倒壊し、ビルが崩壊したり倒れていたりと被害は相当酷いようだと感じた。店では多くの客が空席待ちをしている状態だったのでうな重を食べ終わって直ぐに店を出た。
その後の報道によると、夜になり火災が諸処で発生し焼死者が多数出ているということだった。後刻その原因を調べた結果、木造住宅が倒壊した結果、電線が接触して漏電状態になり火災発生につながったという。 そこでわが町のことを思い出した。最近筆者の居住している町でも漏電による火災が数件発生した。どのような状況下での漏電かを関係者に聞いた所、次のようなことが明らかになった。この町は、約50年前に開発されて移住してきた人が多く住んでいる。移住してきてからそのまま居住している人たちが多くいる。その人達も高齢化しており、家屋の安全を見直す努力を注げない状態になっている。筆者も経験したことであるが、照明器具を交換しようと思って引っかけシーリングから古い照明器具を外そうとした所、天井側の引っかけ器具が破壊してしまった。それが数カ所で発生したので直ぐに電気工事の方に相談した。50年近く使用しているとプラスチック器具は老化してしまい危険な状態になっていることが分かった。それが何かのきっかけで破損して短絡通電(ショート)してそこから火災発生につながるということである。それとも一つの火災発生の原因と考えられるのは、古い家ではコンセントの数が少なく、接続する電気機器が増えるといわゆるたこ足接続になってしまう。そこが過電流の原因になって火災発生につながることがあるという。それともう一つは、テーブルタップの受け口が多いものがあるが、空きの口があるとそこにホコリが蓄積し、湿気を帯びる。それも火災発生の原因になるという。日常は便利に使用している機具類も時々は点検をして安全を確認しなければいけないと阪神地震にこと寄せて感じた防災の心得を書いた。