大学で1年後輩の友人の消息が掴めなくなりました。彼は物理学
科の優秀な学生でした。学生時代の彼は勉学の傍ら柔道部で活躍
すると同時に囲碁クラブにも在籍して高段者(当時既に5段)になっ
ていました。
物理学科を卒業する前に上級国家公務員に合格しており、国の
航空宇宙関係の研究所に入庁しました。
彼の話によると、彼と私の出合いは、私は気がついていなかった
のですが学生囲碁クラブだということでした。それともう一つ、柔道
場の隣に卓球部の練習場があり、私は卓球部に所属していました
が、柔道部の同級生に受け身などを教わっていたときにも会ったと
言うことです。
そんな関係で、彼は私を彼の所属している研究所の外来研究員
に呼んでくれたのです。というのは彼の上司(N氏)が、私の研究発
表に大変興味を持ち私と話をしたいと言うことで会いに行きました。
N氏は航空宇宙関係の学会で発表した私の研究内容が、N氏がこ
れから始めようとしているプロジェクトの中心になるような内容だっ
たと言い、ぜひ準備委員に入って欲しいと言うことになりました。そ
の後、彼とN氏とは永年お付き合いさせてもらいました。
その中で彼は何かと私をたててくれました。その後、彼は青森県
の研究所へ移動し新しいプロジェクトを立ち上げ私も微力ながらお
手伝いさせてもらいました。宇宙環境の学会で私が受けた名誉は、
彼のお陰と感謝しています。
その彼の消息が不明になってしまったのです。お互い結構な年
齢になったので一度会って昔話に花を咲かせ、碁を打ってみたい
と思う今日この頃です。
友人の消息が取れなくなるケースが増えてきました。寂しいこと
ですね。