寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

爺バカの記(1)

2011年09月17日 10時03分34秒 | 日記・エッセイ・コラム

 乳幼児の成長というのは、よく観察しているとなかなか興味深いものがある。1才10ヶ月になろうとしている孫娘は、親・兄弟や周辺にいる人の動作をよーく見ている。筆者が眼鏡を横に置いて新聞を読んでいると、つかつかと寄ってきて眼鏡を手にして、「どうじょ」といって渡してくれる。筆者は「ありがとう」といってそれをかけると、その様子をじーっと見ていたと思ったら、次回からは眼鏡をかけてくれるようになる。

 またあるときは、スリッパをぬいで椅子にかけていると、とことこと寄ってきてスリッパを手に取り履かせてくれる。一事が万事このようにいろいろ気を遣ってくれる。

 その孫娘は何故か筆者にべったりで可愛くてしょうがない。筆者の家へ来ると私の顔をしばらくじーっと見ている。そのうちにっこり笑って手の届くところまで近づいてくる。筆者は孫を抱き上げて高いたかいをしてあげると、何回でもやってくれとせがんでくる。筆者は腰の痛みを忘れて孫が納得するまで頭上に挙げてあげる。

 最近のある日、母親が用事で出かけるので少時預かってほしいといって孫娘を我が家へ連れてきた。筆者が孫娘と遊んでいる隙に、母親が出かけた。しばらくすると、孫娘はおもちゃをとりに居間の方へ行った。直ぐに戻ってきて私の手を取って居間の方へ引っ張って行った。その後、孫娘は真剣な顔をして黙り込んでしまった。

 [高いたかい]をしてあげようとしても、筆者を小さな手で押し戻してしまう。母親がいなくなったのを心配している様子であった。筆者の妻があやそうとしても言うことを聞かない。まったく手が付けられない状態になってしまった。必死に涙をこらえているようにも見えたので、飲み物や食べ物を見せても知らんふりしている。

 しばらくして母親が戻ってくると、満面笑みを浮かべて母親に飛びついていった。こんなに素早く様子が変わるのを初めて見た。母親は子供にとってこんなにも必要なものであることを改めて知った。

 孫娘は、言葉の意味もかなり理解出来ることがわかった。新聞を持ってきてというと、近くにおいてある新聞を持ってきて「どうじょ」といって渡してくれる。

 このように、おさな子の成長ぶりを見ているのが楽しくてしょうがないのが、近頃の筆者の自画像である。

 


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