まぁ、絵が動くだなんて、あり得ない話しではあります。
…だけど、世の中、まだまだ人間の知識では理解仕切れないものもあるものです。
あれから、例の絵には変わった様子もないけれど、相変わらずCさんとは、その絵の話しに盛り上がる。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは❗」
今日もCさんは、来店するなり絵の前に行った。
「あ‼️」
しばらく絵を注視していたCさんが叫んだ。
「どうしたんですか?」
「ここ…」
「トンボ‼️」
「そう、いない…💦」
「いましたよね。確かにトンボが…」
「いました❗」
「え?消えたってこと?」
「どうしたんですか?」
あまり私とCさんが興奮しているので、お店の女の子もやってきた。
「ここ…、トンボいたよね」
「……?」
女の子は、私の言ってる意味がわからず、首をかしげる。
「ここにね、トンボが居たんですよ」
Cさんも興奮している。