シン……と、静かに乗っている人たちばかりの中、酔っぱらいの愚痴が車内に響き渡る。
車両を変えよう。
次の停車駅で、車両を変えた。
あ、こっちは、座席が空いてる。
はじめからこっちの車両にすればよかった。
一番近い座席に座った。
そして、待っていたかのようにすっと目を閉じた。
後しばらく降りることは無いので、少し眠れそうだ…。
『そうか…2時間くらい遅い電車は座れる可能性があるんだ…』
『いやいや、たまたまかも知れない…』
眠ろうと思うと、いろいろと余計な考え事をしてしまう。
ブーン…。
微かな羽音がした。
虫?