タイムスリップ?
…まさか…。💦
「この電車、○○に行きますか?」
「…さぁ…」
ホームを歩く人に声を掛けて、電車の行く先を聞いている男性がいる。
その人は、電車の扉の前に立ってキョロキョロすると、車両に乗り込んだ。
「あの…」
え?
自分に聞いてる?
「この切符、この電車でいいのかな?」
いかにもというくらい、古くさい切符だ。
「この電車、○○に行くやつです…」
「…そうですか…違うのかな?ありがとうございます」
男性は、ニコッとして、電車から降りようとした。
「あの…!」
「え?」
思わず声を掛けてしまった。
何でその人を引き留めたのかわからない…。
--そうだ!
去年亡くなった父親に似ている。
だから、声を掛けられた瞬間、何とも言えない気持ちになって、思わず引き留めてしまったのだ。
「何か?」
「あ、いいえ、すみません」
男性は、ニコニコしながら、電車を降りようとした。
「お父さん!」
「え?」