仕方なく、勇一と会った。
問い詰めるつもりは無いが、自分が傷つかないようにそっとフェイドアウトするのもいいかも知れない…と、思った。
「忙しそうだね!」
「…え?どうして?」
「いや、LINEの返信が…遅かったから」
…よく言う…どれだけ自分はLINEを無視するのか…を棚に上げて…。
LINEの返信が遅いのは忙しいから…という事を強調したかったのだろう…。
「そう言えば、今度、君が行きたがっていた美術館に行こうか?」
「……」
美術館の話しをした覚えがない。
私じゃないんじゃない?
私の話しかどうかわからないくらいに、私以外の人とも会ってる…ということ?
もう、不信感しかない。
「あ、旅行もしたいね」
「……」
もう、一緒に何かをしよう…という気持ちになれない。
「あ、そうか…旅行は無理だ…」
「え?」
「自分で会社を起こしたいって言ってただろ?資金もある程度何とかなりそうだし、そろそろ、次のことを考えようと思って…」
「…そう…」
今となってはどうでもいい。