勇一の浮気(?)は、れみも知ることとなった。
噂好きのれみに知られれば、あっという間に広まるかも知れない。
……ところが、なかなか噂が広まることは無い。
…というのも、上司の社内不倫が噂になり、それどころではなくなった。
当初の目論み通り、傷は出来るだけ少なくするために、ゆっくりと別れよう。
LINEの連絡を無視して2日目。
「大丈夫?」
と、追いLINEが来た。
それも無視。
こんな対応に、自ら気付いてもいいものを。
プライドなのか、鈍感なのか…と、思う。
「別れたんですか?」
後輩の浜田が声を掛けてきた。
「…うん…まぁね、どうしようか考え中」
「何かあったんですか?」
「……。」
「もしかしたら、莉沙が原因?」
「…え?」
「…あ、すみません💦正確な状況が分かるまで言わないで置こうと思ったんですが…。どうやら、莉沙のターゲットは、先輩の彼に移ったみたいで…。」
「え?」
「実は、神田さんから聞いたんですけど、彼女改めて神田さんに告白したらしいんです。だけど、考える余地もなく断ったとか…。そこで、『山下先輩が好きなんでしょう!』と、捨て台詞を言っていたそうです」
「……」
「だから、先輩への嫌がらせ…というか…。まぁ、本当に先輩の彼氏に興味が湧いたのかも知れませんけどね。」