「地球は生きている」と本から学んだばかりだったが、内の蔓バラも生きていた。
香り系の植物を選んでいる時期があり、匂いスミレをお正月に出かけた時に見つけて購入し、玄関前の植えこみに植えこんだ。
数年は楽しめたけれど、いつの間にやら行方が知れなくなった。 土になってしまったのだろうか。
スペイン土産のサフランを鉢に植えたのに、「こんなところに咲いていたの!」と庭いじりをしている時に、紫色の筋のある花に再会して声を放ったときもあった。
そういえば、お米に入れて炊いたけれど、どこに顔をだすやら、その後は見ていない。 ご飯は2,3本のしべだったけれど、黄色に染まっていた。
出生地でひいきにされているらしいと、驚いた。 いつ飛んで行ったのだろう。
ベランダのフェンスに蔓を絡ませようと香りのあるバラを買ったのは、5,6年も前だっただろう。それより前かもしれない。
今年の春になって茎だけ枯れているのを「駄目だったわ」と、とうとう枯れた茎を引き抜いて鉢を処分したばかりだった。
今年、玄関と東南のトイ伝いに蔓バラが茂っている。 新しく柔らかい芽ばかりに寄りつくアブラムシに、うんざりしながら花芽を摘んだり、退治していた。
それでも、南側に育っている四季咲きのピンクのバラが咲くだろうかと、植えこみもしないのに別の場所で育つバラの茎を剪定しては、楽しみにしていた。
今日になって甘い香りを放ち始めている。 ちょうどミカン花のような香りで更に甘く、引き寄せられ、そばに寄ってみる。 白い2センチほどの大きさだけれど、嬉しい香りで、
とても満足している。 てっきりピンクの四季咲きのバラだろうと思っていたのに・・・ああ、これは、いつか買ったバラの子供なのだろうか、とひとり子孫の繁栄に嬉しくなった。
植物にとって最適な場所はあるようで、その場所が合えば、枯れかかっている観葉植物さえも花を再び咲かせている。
蔓バラは、自分にあったところを探して成長したのかもしれない。
母の日に 受け継がれた ヌスキプフェルのドイツ菓子